あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

故郷の夏

2021-07-18 21:55:00 | ブログ

こんにちは🌞梅雨明けした途端に、真夏‼️
蝉の鳴き声が、一気に大きくなりました!

毎週日曜日は、院長の自伝です。

夏は玄関を出るとホタルの乱舞だ。団扇をそーっとかざすとそこに止まる。
家の中まで入って来た蛍は、夜就寝時に布団を敷いてカヤをつると
そのカヤにホタルが止まり、ピカーピカーと光を放つ。
蝉取りも楽しかった。入梅時のニイニイゼミから始まり油蝉、熊蝉、ツクツクボ
ウシ、そして夕方にはヒグラシがカナカナともの悲しく鳴く。
ミンミンゼミが鳴き始めると夏は終わる。

川の堤防に立つ柳の木のくぼみを探すとその中には、クワガタ、のこぎりクワガ
タやカブトムシが必ず居る。その中から出来るだけ大きいものを取ってきて、友
達に自慢したのも楽しい思い出だ。
故郷は子供にとって大好きな昆虫の宝庫であった。

 夏休みになれば毎日のように竿を持ち、魚籠を腰に縛り付けて川に走る。
いつもカゴいっぱいになる。家のすぐ横を流れる沢で、収穫した魚のはらわたを取り出し、
串に刺して囲炉裏であぶり焼きにして天井からつり下げられたわら束に刺して保存食とする。
(煙による燻製作用が有ったのかもしれない。新鮮な鮎を塩焼きで食べた記憶が
無い、多分タンパク質が不足する冬に備えての保存食としたものと思われる)

 さて私は泳ぎを知らない。私には覚えが無いが六歳年上の叔母が水泳中に川に
流されおぼれて危うく溺死するところを鮎釣りをしていた方に助けられたようだ。
そのために祖祖母が私が川に行くのを固く禁じていたらしいのだ。

 小学校の高学年になって、友達が「やすぼう、泳ぎに行こう」(やすぼうとは子供時代の通称)
と誘ってくれたが、序論で縷々述べたようにどうも私は子供の頃から偏屈な天の邪
鬼だったようだ。友達はすでに泳げるのに自分は泳げないから泳ぎは楽しくない
からと負け惜しみを言って断り、先にも書いた様に魚籠を腰につけ毎日の様に魚
釣りを楽しんでいた。

 そうそう、「めくら」となってからも何度かつりを楽しんだがその感覚は衰えていなかった。
もう30年ほど前になるが、ダイビングのグループに交じって
フィリピンのエルニド諸島に旅行した時にイカ釣りを行った。その時もイカに墨
をかけられながら私が一番つり上げたのだった。

 子供の時に野山を駆け回ったり魚釣りなどで培われた手の感覚は鍼灸にも生かさ
れている。ツボに鍼を施し気血水(生体を活性化するエネルギー)が動く感覚を
的確に捉える事が出来るのも子供の頃に「あそび」から学んだことが手に備わっ
ているのかもしれない。いやはや勉強嫌いもこんなところで役立つとは!

次週に続く


コメント
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