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よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

盛夏間近-奈良県奈良市:元興寺

2024年07月17日 | 奈良(奈良市内)
Gangouji Temple, Nara City, Nara Pref.

さてさて、「古都奈良の文化財」として世界遺産に選定されている元興寺は地味なお寺なのですが、
その落ち着いた雰囲気がワタクシには好ましいんですよ


元興寺は決して派手なお寺ではありません。今の言葉で言えば「インスタ映え」するようなお寺ではないんです。
数年前、元興寺に来た時に表現は悪いのですが「いかにも歴史には興味も無さそうな元ヤン夫婦と娘」の3人がいたのですが、
知性の欠けらも感じることができない父親が唾を吐きながら、
「これが世界遺産なん?むっちゃショボいやん」と大きな声で言っている姿を目にしました


そういう人というのは、一体何を求めて元興寺に来るのだろう。そもそも、何を期待して「ならまち」に来るのだろうと、
ワタクシは不思議でなりませんでした。きっと娘は、寺で唾を吐くような両親を見て育っていくのですから、
同じような大人になっていくのでしょうな


それはさておき、ワタクシには元興寺の落ち着いた佇まいというのは実に好ましいものなんです。
東大寺や春日大社のように万人受けすることはないかもしれません。
でも、歴史が好きな人や静かな散策を望む人には気に入ってもらえるお寺だと思います


元興寺を訪れると、目につくものの一つがは境内に整然と並べられた石塔でしょうね。
これらは近年まで禅室の北西部石舞台に積み上げられていたものですが、昭和63年に現在の形に並べなおされ浮図田と呼ばれています。
ちなみに浮図とは仏陀のことであり、文字通り仏像、仏塔が稲田のごとく並ぶ場所という意味だということです


ワタクシは旅が好きで、いろんな場所に足を運びますが、旅に行く楽しみの一つは「新たな知識を学ぶこと」なんです。
今回も初めて浮図田というものについて学ぶことが出来ました。
ただ、最近は学んだはずのことを、すぐに忘れてしまうのが悲しくてなりません


この日、大阪を出て奈良に向かうときはどんよりとした空模様で、暑い雲が空を覆っていました。
ただ、天気予報では「午後には晴れてくるでしょう」という予報だったんですが、徐々に雲が切れてきたんです


暑い雲が切れて青空が見えてきました。ワタクシはちょっと感性がおかしいのかもしれませんが、
真夏であろうと青空の下を歩くのが好きなんです。全身が汗まみれになっても「家に帰ってシャワーを浴びたら気持ちいいやろなぁ」
「汗と一緒に汚い老廃物も体内から流れていくんちゃうか」などと、嬉しく思うことが多いんですよ


暑い雲が切れていく中で、元興寺の極楽堂が一層美しく見えたのでした

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


汗をかくのが嫌な人、暑い中で過ごすのが苦手な人がいます。うちの家人がそうなんですよ。
ですので、夏の間は私は相変わらず屋外に出て行きますが、家人は「涼しくなるまでは一緒に外には行けへんで」と言っています。
家人曰く「なんで真夏に早朝から何時間も歩き回らなあかんねん。私らは60代やなんで」とのこと。
世間一般的に見れば、家人の意見が間違いなく正論なんでしょうね。



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コメント (33)

静かに佇む世界遺産-奈良県奈良市:元興寺

2024年07月16日 | 奈良(奈良市内)
Gangouji Temple, Nara City, Nara Pref.

さてさて、「ならまち」の散策を楽しむワタクシですが、「ならまち」は元興寺の旧境内を中心とする地域です。
となれば、元興寺に足を運ばないわけにはいきません


元興寺なのですが、その前身は6世紀末蘇我馬子によって開かれた法興寺で、飛鳥の地にお寺はあったんです。
平城遷都に伴い現在地に新築移転され、名も元興寺と改められました。
かつては東大寺や興福寺などと共に南都七大寺の一つとして威勢を振るい、現在の奈良市街の南東部を占めていました


広大な境内には、金堂・講堂・五重塔・僧房などが立ち並んでいましたが、平安時代半ば、その勢威も衰えてしまいました。
現在では僧坊の一角が唯一現存していますが、この極楽堂はかつての元興寺僧坊の一部で、鎌倉時代に極楽堂と禅室に改築されました。
極楽堂と禅室は「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されているんです


世界遺産に選定されて以来、元興寺を訪れる人の数は増えました。
この日も外国人の団体さんが英語を喋るガイドさんの説明を聞きながら、熱心に参拝していました


蓮という花は日本、中国、インドという「アジア」のイメージがあるからでしょうか。
元興寺を訪れていた欧米の団体さんは、蓮の花を興味深く眺めたり、スマホで熱心に写真を撮っていました


右側が極楽堂(本堂)、左側が禅室になります。この二つの建物が世界遺産になるわけですね


この写真は禅室と極楽堂の屋根をクローズアップしたものですが、わざわざ屋根などに注目したのかは理由があるんです。
実は禅室南面と極楽堂西面の屋根には、元興寺の源流に当たる法興寺創建当初の軒平瓦がいまなお使われているのです。
つまり、蘇我馬子や聖徳太子が活躍した飛鳥時代の瓦が現役で禅室や極楽堂の屋根を飾っているのです


色褪せたような瓦が飛鳥時代の瓦です。独特の並べ方は一般に「行基葺」(ぎょうきぶき)と呼ばれていますが、
1400年前の瓦が破損もせずにいまも使われていることには驚きを感じます。
この瓦には、今の日本はどのように見えているのでしょうね


ではでは、元興寺の境内をゆっくりと参拝するとしましょうか

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


7月も半ばとなりました。梅雨が明けるといよいよ夏本番です。テレビでは猛暑対策として「不要不急の外出は避けるべき」と言います。
しかし、私にとって夏の休暇を何もせずに家でジッとしているのは無理です。それは拷問に近い気がします。
もちろん暑さ対策もしっかりととして、自らの体力を過信することなく、綿密に遊びの計画を立てていきます。
六十路の夏は暑いぜ。



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コメント (29)

信仰-奈良県奈良市:ならまち

2024年07月15日 | 奈良(奈良市内)
Naramachi, Nara City, Nara Pref.

さてさて、蒸し暑さの中ですがワタクシは「ならまち」の散策を楽しんでしました


「ならまち」は、もともと元興寺の境内であったところに民家が建てられ、庶民の住みかとなったエリアです。
ならまちに残されている古い町家は、古くは江戸時代に建てられたものから大正時代、昭和に建てられたものが共存しています


ワタクシの家は3LDKになるのですが、その中で和室は一部屋。LDKと二部屋はフローリングです。
最近は「畳の上で寝転がる」って気持ちがいいなぁと思いますわ


ワタクシの実家は古い長屋なんですが小さな縁側がありました。ワタクシは子どもの頃、縁側に座ったり寝転がるのが好きでした。
今の家には縁側がありません。その代わり一昨年にリフォームした際、小さなウッドテラスを作ったんです。
春や秋の気候が良い時には、ウッドテラスに置いた椅子に座ってのんびりする時間がささやかな楽しみなんです。
ただ、とてもじゃないですがこの夏場にウッドテラスで時間を過ごそうとは思いません


「ならまち」の中心部に佇むのが御霊神社(ごりょうじんじゃ)です。参拝するとしましょうかね


この神社の歴史は古く、平安時代初期(800年)に桓武天皇の勅命により創祀されたんです。
奈良時代、無実の罪をかけられ幽閉された後になくなられた、井上内親王(光仁天皇の皇后であり、聖武天皇の皇女)と
子の他戸親王を慰霊し、ならまちを守護する氏神様として信仰されています


この御霊神社なんですが、最近は信仰とは別なことでちょっと有名になっているんです


それは何かというと御朱印なんです。「切り絵御朱印」「季節限定御朱印」「月限定御朱印」など、いろんな御朱印を販売されているんです。
ワタクシは御朱印を集めていますが、最近は「ここの寺は御朱印で儲けようとしてるんちゃうか」と思うようなことがありますわ


日本人って「何かを集める」というのが好きですよね。御朱印が流行するのもそういう日本人の習性かと思います。
ただ、ワタクシは普通に墨で書かれた達筆な御朱印が好きです

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


この日(6月29日)は雨こそ降らなかったものの、午前中はどんよりと曇っていました。
そのおかげで日差しが強くないので、さほど気温は高くなかったと思います。と言っても30℃はあったのですがね。
ただ、湿度がすごく高くってダラダラと汗が流れてきました。この夏、どこまで暑さと湿度に耐えられるでしょうね。



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コメント (28)

庚申さん-奈良県奈良市:ならまち

2024年07月14日 | 奈良(奈良市内)
Naramachi, Nara City, Nara Pref.

さてさて、「ならまち」の散策を楽しむワタクシですが、「ならまち」を歩くと家の軒先によく目にするものがあるんです


これなのですが、よく飛騨地方の「さるぼぼ」と勘違いする人がいるんですよ。
これは災いや病魔を退治する「庚申(こうしん)さん」の使いのサルをかたどったお守りなんです。
災厄を代わりに引き受けてくれることから「身代り申」と呼ばれ、魔除けのために吊り下げられています


そもそも、「庚申さん」とは何でしょうか。これがなかなか興味深いんです。
庚申信仰は、道教を元にする信仰と云われています。十干(じっかん:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の総称)と、
十二支(じゅうにし:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌の称)の組み合わせで、
60日ごとにやってくる庚申(かのえさる)の日に、庚申さまをまつる行事が昔から広く行われてきました


広く庶民に広がった庚申信仰では、人の罪について次のように考えられています。
人間の腹の中には「三尸(さんし)」と呼ぶ三匹の虫がいて、少しの過ちも見逃すことはありません。
その三尸は庚申の夜になると、人が眠っているすきに人の体内から脱け出て天上に上り、
その罪悪を天帝様(宇宙を司る神)に告げる役割を果たすそうなんです


天帝様のところには、それぞれの人の罪科を記録した台帳があって、あまり記録が増えると人間は命を奪われます。
そのため三尸が体内から抜け出ないように、庚申の夜は寝ないで酒宴などを催しながら夜を明かしたんですね


江戸時代、庚申信仰は庶民の間に広まっていきます。これはワタクシの持論なのですが、庚申信仰の広まりというのは
宗教的な側面もあったとは思いますが、それよりも庚申の日には夜通し酒宴を楽しめるというのが目的だと思うんです


江戸時代、庶民は、特に農民は贅沢を禁じられ、酒を大っぴらに飲むことなど出来ませんでした。
そんな中、年に6度ある庚申の日は夜通し酒を飲み、宴を楽しむことが出来るのです。
さぞや幸せな、楽しい楽しい一日であったに違いないと思うんですよ


それに比べて今のワタクシ達は誰に気兼ねすることもなく、毎日のように酒を楽しむことが出来るのですから幸せです。
とはいえ、飲みすぎないように気をつけないといけませんな


お寺の入り口で豪快に寝ているワンコがいました。ワタクシが近づこうが、シャッター音がしようがびくともしません。
ワタクシはワンコを起こさないように、ソーッと立ち去って行ったのでありました

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


私の実家からほど近い場所に、聖徳太子が建立したという歴史を持つ四天王寺という大きな寺院があります。
その中に立派な庚申堂があり、地元の人は「庚申さん」と親しみを込めて呼んでいます。
皆さんの住む地域にも庚申堂、あるいは庚申塚や庚申塔などがあるんじゃないでしょうか。



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ならまち散策-奈良県奈良市:ならまち

2024年07月13日 | 奈良(奈良市内)
Naramachi, Nara City, Nara Pref.

さてさて、6月29日の土曜日、ワタクシは久しぶりに奈良市へと向かいました。
今回はお寺の参拝よりも「ならまち」と呼ばれる風情ある町並みを散策するのが目的なんですよ


「ならまち」というのは世界遺産「元興寺」の旧境内を中心とする地域で、平城京の「外京」にあたる場所にあります。
江戸末期から明治時代にかけての町家の面影を残し、訪れる人にどこか懐かしさを感じさせてくれる趣あるエリアなんです


行政の地名としては「ならまち」という地名はありません。上の地図で黄土色に塗られた地域がならまちと呼ばれるエリアになります。


朝8時に家を出て、9時前には現地に着きました。まだ時間が早いせいでしょうね。さほど多くの人はいませんでした


「奈良町にぎわいの家」というのがあり、中に入って見学させていただきました。
「奈良町にぎわいの家」は、大正6年に建築された町家を改修したものでして、
平成27年4月に、当時の暮らしや文化を体感できる施設としてオープンしたんです


ワタクシのような観光客が昔の町屋を見学するわけですが、それ以外にも町家の空間を活かしたイベントや伝統行事などを行い、
奈良町の文化を発信することで、観光客、地域住民、学生など様々な人が集う場として活用することが目的だそうです


ホームページを見てみると「絵手紙体験」「やさしい短歌」「茶の湯体験」など、いろんな行事が7月だけでも予定されています。
こういう活用の仕方はいいですね。ワタクシは絵心が無いのですが、絵手紙体験などはやってみたいですわ


ではでは、外に出て「ならまち」を散策するとしましょうか


お地蔵さんがあったのですが、「オンカカカビサンマエイソワカ」という謎の言葉が書かれていました。
不思議な言葉はお地蔵さまを慰めるための言葉だそうで、気になったのでちょっと調べてみました。
オン=お願いします。カカカ=お地蔵さまの笑い声。ビサンマエイ=稀有な。ソワカ=成就あれ。
という意味があるそうです。皆さんの地域ではお地蔵さんの前でこんな言葉を唱えたりしますか


こういう信仰が残っているのって素敵ですね。ワタクシもそっとお地蔵さんに手を合わせたのでした

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


私が「ならまち」を初めて訪れたのは、もう20年くらい前になるかと思います。
その頃に比べると随分とカフェや雑貨屋さん、ゲストハウスなどが増えました。
若い人の感性が古い建物をうまく利用しているのは素敵だなぁって思いますわ。



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