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リモートで進化するバスガイド業務 半田貞治郎

2024-09-05 09:00:00 | 観光

こんにちは!半田貞治郎です。

奈良交通が全国に先駆けて導入した革新的なリモートシステムが、バスガイド業界に新たな可能性をもたらしている。このシステムにより、1人のガイドが複数のバスを同時に案内することが可能となり、深刻な人手不足問題への対策として注目を集めている[1][2]。


システムの中心となるのは、奈良交通本社内に設置された専用ブースだ。ここでベテランガイドの桜井史子さん(53)が、マイクを通じて複数のバスに乗車している修学旅行生たちに向けて案内を行う。桜井さんの目の前には、担当する3台のバス車内の様子を映し出すディスプレーと、バスの位置情報を表示する画面が設置されている[1]。


このシステムの特徴は、GPSを活用してバスの現在地をリアルタイムで把握できる点にある。ガイドは自身の実車経験も生かしながら、各バスの車窓から見える風景を想像し、臨場感のあるアナウンスを心がける。さらに、バス内に設置された2台のディスプレーを通じて、ガイドと乗客がリアルタイムでやり取りできる双方向性も魅力だ[1][2]。


桜井さんは、このシステムの可能性に大きな期待を寄せている。「修学旅行生は動画の実況や画面越しのやり取りに慣れている世代。使い方はまだまだ広がると感じた」と語る。実際に、動画や手描きイラストの活用、他のバスの様子の共有など、さまざまな機能を駆使して案内の質を高めている[1]。


このリモートシステム導入の背景には、深刻なバスガイド不足がある。奈良交通では、新型コロナウイルス禍の影響で修学旅行が軒並み中止となり、ガイド数が大幅に減少。2019年には約40人いたガイドが、現在は17人にまで減少している[1]。


日本バス協会の調査によると、2023年7月時点での会員事業者のバスガイド数は2240人で、2007年の調査開始時(5354人)の半数以下となっている。この状況下で、リモートシステムは少ないガイド数で多くの案内を可能にする有効な解決策として期待されている[1]。


奈良交通の大谷和也・観光事業部長は、「将来的にバスガイドの数が増えていくとは考えにくい。リモートシステムを使えば少ないガイドで多くの人を案内できる。今後、業界でも広がっていくのではないか」と、このシステムの将来性に期待を寄せている[1]。


リモートシステムは、バスガイド業務の効率化だけでなく、働き方の多様化にも貢献する可能性がある。例えば、名阪近鉄バスでは「バーチャルバスガイド」システムを導入し、配信担当者がバスに乗車せずに案内することで、柔軟な勤務形態を実現している[2]。


このように、テクノロジーの活用によってバスガイド業界は新たな局面を迎えつつある。人手不足の解消や業務効率化だけでなく、インバウンド需要への対応や、より魅力的な観光案内の提供など、さまざまな可能性が広がっている。今後、この革新的なシステムがどのように発展し、観光業界全体にどのような影響を与えていくのか、注目が集まっている。


Citations:
[1] https://mainichi.jp/articles/20240710/k00/00m/040/129000c
[2] https://www.sankei.com/article/20240604-6RYY6FJHAVJY5PMTHBPBSGX5Z4/
[3] https://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20240601-OYTNT50224/
[4] https://yume-ya.co.jp/%E3%82%82%E3%81%AF%E3%82%84%E3%80%8C1%E5%8F%B0%E3%81%AB1%E4%BA%BA%E3%80%8D%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%80%801%E4%BA%BA%E3%81%A7%E8%A4%87/
[5] https://www.sankei.com/article/20240604-6RYY6FJHAVJY5PMTHBPBSGX5Z4/photo/KGNL4HSCP5LY3BAGVATKVO7SHQ/