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妖怪ウォッチを射止めた、西武の「アニメ力」 立て続けに人気作品とコラボレーション

2014-08-10 12:13:02 | 観光
スタンプラリーの開催と合わせて走り始めた『妖怪ウォッチ』ラッピング電車。出発式には多くの家族連れが集まった

西武が『妖怪ウォッチ』のスタンプラリーを実施するのは必然だった――。

鉄道各社が行っている夏休みのスタンプラリー。毎年恒例となったJR東日本の「ポケモンスタンプラリー」のほかにも、東武鉄道が沿線の春日部を舞台 にした漫画『クレヨンしんちゃん』とタイアップしたスタンプラリーを初めて実施。さらに、特撮ヒーロードラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』のスタンプラ リーを京急・都営地下鉄・京成・北総鉄道の4社合同で開催するなど、スタンプラリーが例年以上に“熱い”年となっている。

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スタンプラリー用に1日フリー切符が販売されている

そんな中、この夏一番の話題のスタンプラリーといえば、西武鉄道が7月19日から開催している「妖怪ウォッチスタンプラリー」だ。スタンプラリーと同時にラッピング電車も運行を開始した。

スタート直後から多くの子どもが殺到。あまりの人気ぶりに、10の駅に設置しているスタンプ台では順番待ちの列ができている。一部の賞品が一時的に 品切れとなり、当日に引き替えができない事態も起きた。「予想を大幅に上回る売れ行きに、担当としてビックリしている」と、スタンプラリーを企画した西武 鉄道スマイル&スマイル室の担当者はうれしい悲鳴を上げる。

「アニメ=西武」というイメージ

そもそも、なぜ西武が空前の人気を博している妖怪ウォッチのスタンプラリーを獲得できたのか。事情通は「人気が出る前に話があったが、それに担当者 が早い段階でゴーサインを出した」と言う。それでも、西武に早い段階からオファーが舞いこんだのは、「アニメといえば西武」というイメージがあるからだろ う。

 

西武が開催するアニメ関連のイベント数は少なくない。最近では、アニメファンの間で大きな話題となった作品とのコラボレーションも多い。

沿線の秩父を舞台にし、テレビアニメや映画が大ヒットした『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』では、2013年の劇場版公開に合わせてスマ ホを利用したスタンプラリーの開始やラッピング電車の運行を実施。興行収入が20億円を突破した『劇場版 魔法少女まどかマギカ』(2013年公開)でも、東急電鉄と合同でスタンプラリーを開催。限定ボイスなどの特典を求めて、多くのファンが参加した。

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8月6日にスタートした「進撃の西武鉄道」のポスター

8月6日からは、世界的なヒットとなっているアニメ『進撃の巨人』とコラボレーションし、「進撃の西武鉄道 スマホスタンプラリー in 秩父」を開催している。作品中に登場する「紅蓮の弓矢」を特急“レッドアロー”号とかけたキャッチコピーや、「ウォール・チチブ」など遊び心満載でファン を取り込む狙いだ。

このほかにも、アニメキャラクターのラッピングトレインなども走行しており、『銀河鉄道999』のデザイン電車は2009年から走り続けている。車 内・駅構内のマナー啓発のキャラクターには、2000年代にヒットしたアニメ『ケロロ軍曹』の登場人物を2010年から起用。西武鉄道専属のキャラクター 「スママ」を登場させて、親近感のわくマナー広告作りを展開している。

西武がアニメに強いワケ

西武鉄道がアニメに強い背景の1つは、沿線に多くのアニメスタジオやアニメ・漫画のゆかりの地があるという点だ。その規模は中央線沿線と双璧をなし ており、日本動画協会の調べによると、全国に約420社あるアニメ製作会社のうち、沿線自治体の練馬区に79、杉並区に70、西東京市に30と集積してい る(2011年)。

たとえば、池袋線の大泉学園駅には『ワンピース』や『プリキュア』シリーズでおなじみの東映アニメーションの制作拠点、大泉スタジオがある。新宿線 の上井草駅には『ガンダム』やケロロ軍曹、『アイカツ』を制作するサンライズが本社を構える。同線の田無駅には『ドラえもん』、クレヨンしんちゃんのシン エイ動画が、『鉄腕アトム』などでおなじみの手塚プロダクションの本社は高田馬場駅に近い。

 

そうした縁を生かし、駅の発車メロディーにはアニメソングを採用している。大泉学園駅では原作者・松本零士氏のゆかりの地であることから銀河鉄道999が、上井草駅はガンダム、椎名町駅は『怪物くん』のテーマ曲が流れる。

始まりは「レオ」だった

西武とアニメの関係を語るうえで「レオ」の存在は欠かせない

ただ、西武とアニメの深い関係は、沿線のアニメスタジオの存在だけによるものではない。西武自身も昔からアニメに対する理解が深かった。その端的な例が「レオ」だろう。

手塚治虫氏が沿線に住んでいたこともあり、1979年シーズンから『ジャングル大帝』のレオをプロ野球・埼玉西武ライオンズのマスコットキャラク ターとして採用。現在も変わらず、使い続けている。1981年には妹「ライナ」が、手塚治虫氏の手によって誕生。球団のマスコットキャラクターとしてだけ でなく、会社のシンボル的存在となっている。

今でも「レオカラー」と呼ばれる白地に青赤緑帯のバスや鉄道車両が、沿線を走っている。また、西武遊園地と西武球場を結ぶ山口線には「レオライナー」という愛称がある。アニメキャラクターを愛称にした路線の元祖ともいえるだろう。

西武グループはアニメを生かしながら、沿線価値の向上、地域貢献を図っている。2007年にアニメの業界団体である日本動画協会と、「アニメの活用 による社会貢献活動」の協力体制を構築。沿線のアニメ会社で制作するキャラクターを使って、沿線自治体の環境に対する取り組みを紹介する環境マガジン「ア ニッコ」の無償配布などを行っている。

広義での市場規模は約1.3兆円に達し、海外輸出などで今後の発展が期待されるアニメ産業。その拠点の多くが集積する西武沿線のアドバンテージは大 きい。長年にわたって培ってきた西武鉄道とアニメの良好な関係が「アニメの西武」という評判を作り出し、ひいては沿線価値の向上につながっているのは間違 いない。

 

 

リサーチ:テック サイバーファーム ウェア 半田貞治郎


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1 コメント

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Unknown (まいんど)
2022-09-10 14:18:32
京急電鉄ではJR四国8000系や予讃線2000系宇和海、JR四国2700系のようなアンパンマン列車や京都市営地下鉄やゆいレールのようなアンパンマンの描かれたJA共済のラッピング電車を走らせたりJR四国や阪神電車のようなアンパンマンのスタンプラリーを実施せず、代わりに美少女戦士セーラームーンや、フレッシュからトロピカル~ジュ、デリシャスパーティまでのプリキュアとキラキラプリキュアアラモードの電車を走らせるそうです(1994年と1995年に京王帝都電鉄で8000系や今はなき6000系を使ってセーラームーンSエクスプレスやセーラームーンエクスプレス2号を走らせていたが、過去に近鉄が魔女見習いをさがして、西武鉄道や東京メトロ、横浜市交通局がプリキュア、福岡市地下鉄が美少女戦士セーラームーンeternalと組んだのをまねて京急が横浜のアンパンマンミュージアムと組んでアンパンマン列車を走らせたりアンパンマン列車のスタンプラリーを実施する予定はなく、今年新1000形のデビュー20周年を記念してけいきゅんのステッカーのついている新1000形アルミ車にJR四国の2000系・2700系・8000系のようなアンパンマン列車のラッピングの装飾をする予定もなく、過去に京急油壺マリンパーク・西武園ゆうえんち・東武動物公園や池袋・船橋の東武百貨店・モリシア津田沼・セレオ八王子・イーアス高尾・ラゾーナ川崎やホテルグランパシフィックル台場、名鉄トヨタホテル、海老名のビナウォークでのそれいけアンパンマンショーの告知にも「けいきゅんがやってくる」という記述もなく、京急がワンピースと組んだ際にワンピースとけいきゅんのコラボ商品の販売はしなかった)。
理由として、アンパンマンではなくセーラームーンの方が世界中に広く知られていることと、アンパンマンのアニメで「顔がぬれて力が」というシーンが1500形や新1000形ステンレス車の事故を連想させて不吉・不適切なことと、京急沿線にはアンパンマンやワンピースがきらいでセーラームーンやプリキュアが好きな人が多いためです。
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