母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

九月-秋の黒猫

2021年09月14日 | 
真っ赤な鶏頭 青い空
どこから漂うか金木犀の甘い香
虫たちが吾が世と合唱する九月半ばは
ぴかぴか光る黒い猫の季節です
ひだまる庭石の
上に寝そべるとアキアカネがそばに来る
蝶やトンボを追いかけた
電光石火の子猫の時代は過ぎ去って
ライオンキングのレオのように
立派な男の子になりました

九月の涼風が高原の家にまた秋を運び
ぬくぬく猫はほんに秋冬もの
暖かさ身に染む体温
ふっくら重い丸い体
金色の大きなまるい瞳は
神さまからの贈り物
黒猫は
秋へ向かう季節の
人間たちの宝もの

コメント (4)
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