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「ふる里ナンバー」を巡って・・情緒豊かな懐かしい時代

2023年07月17日 | 朝晴れエッセー

 

 

 

昨日の「朝晴れエッセー」を読んで・・

 

約、35年前 新聞配達の若者が新聞をポストに投げ込み

傍らの車を数秒間、覗き込み ため息をついている

そして、気を取り直すように次の配達先へ向かう

 

ある朝、外にいると若者と目が合った

「毎朝、私の車を眺めているけど・・どうかしたの?」

・・と声を掛けると

「八戸ナンバーなので、どんな人が乗っているのがな、と思って」

・・と南部弁で答えてくれた

「三沢から越してきたんだよ、・・・

八戸の八食センターにはよく買い物に行ったよ」

・・と言うと、人懐っこい笑顔がかえってきた

幾つか言葉を交わすと

いつものように急いで次の配達先に向かった

 

当時は新幹線も青森まではなく

帰省も気軽には出来なかっただろう

青森と東京の距離間の現実をいやが上にも

思い知らされていたことだろう・・

・・と若者のおかれた現実に思いを馳せた

 

数か月後、若者の姿を見ることはなかった

若者のその後は知る由もないが

彼の郷里に対する深い郷愁と

あの時の笑顔は心に残った

*(原文のままでは無く、省略、追記しています)

 

作者は埼玉県所沢市 五反田一郎(67歳)さん

 

 

現在は日本列島は近くなり狭くなった

九州から北海道まで新幹線で行けるのだから

高速道路は縦横無尽に走っている

それに、今や「オンライン」で海外でも交信可能だ

 

当時は故郷を遠く離れた地に暮らしていると

故郷の匂いに敏感になり郷愁をそそられた

この若者のように「ふる里ナンバー」に

心動かされる気持ちはとても理解できる

 

先日も県内を走っていると・・

春日部ナンバー

横浜、つくば、名古屋・・・

県外のナンバープレートを付けた車を見た

今は「ふるさとナンバー」に郷愁を感じる人は

殆どいないのではないか・・・

 

35年前の環境が懐かしくもあり

情緒豊かな時代であった、と感じさせられた

 

 

蓮池に「蝶トンボ」が翅をやすめていました

 

 

 

令和5年7月16日 県内にて撮影