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山田洋次「言わねばならないこと」その2「加害」@東京新聞

2017年09月20日 | 憲法改悪、集団的自衛権反対
東京新聞のウエブ版には、昨日の記事 安保法成立から2年「主張する自由失うな」by山田洋次 に記した部分までしか出ていない。
本紙紙面には続きがあります。こちらも、ぜひご紹介したい部分があります。

大陸からの引揚者として、旧満州での話。
当時の引揚者が語りたがらなかった事をいいことに、歴史が当事国それぞれに都合よく塗り替えられるような事があってはならないと思います。
事実は事実として、後の世代へ淡々と残しておかなければなりません。



「加害」旧満州での差別・負の記憶伝える

 ぼくは旧満州(中国東北部)からの引揚者ですが、開拓移民ではありません。都市にいたので、食べるものがなくなる苦しみは味わいましたが、荒野を何日も逃げ惑ったとか、無蓋(むがい)貨物で炎天下を運ばれたという体験はしていません。ただ、日本人と中国人の関係、つまり中国人に対する民族的な差別はよく覚えています。中国人の地を這うような貧しさ、日本人がいかに贅沢に威張って暮らしていたか。満州は日本の植民地でしたから。

 馬車の御者や人力車の車夫も必ず中国人。垢まみれで、すり切れた服を着ていた。その馬車に毛皮を着た日本人が乗る。中国人が料金をもう少し欲しいと言えば、怒鳴りつける。そういう体験があるから、僕たち引揚者は思い出をあまり語らない。でも、そういう人たちもだんだん消えていくわけです。

 戦争中に朝鮮人、中国人をばかにした。「朝鮮人」「シナ人」という言葉自体が侮辱の言葉だった。そういう時代を知っているから、いま、中国人や朝鮮人を侮辱する言葉を聞くと、胸が痛むのです。

 先の戦争について教科書で、その悲惨さや日本軍の侵略の表現が年々ソフトになってきている。消えたりしている。一方、中国や韓国の小、中学生は繰り返し戦争で受けた被害について勉強しているわけだから。日本の若者たちとは当然、教育の違いからくる対立感情が生まれるでしょうね。
 
 関東大震災の朝鮮人虐殺を知らない、先の大戦の悲惨な記憶も知らない、中国や韓国の人たちが植民地時代に受けた苦しい体験も知らないという日本人と、そのことを繰り返し学んでいる中国や韓国との人たちとの間で、国民的な感情のずれが出ても、当然な気がします。
 
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山田洋次監督のこの話、すごくわかります。

私の母も、朝鮮半島からの引揚者でした。
母の両親は結婚してすぐ、鉄道の技術者として朝鮮半島に渡り、そこで母や兄弟たちが生まれました。
写真も残っていますが、今では信じられないような豪邸で、女中さんがいる暮らしぶり。母は、生まれた日から16年間、終戦の日までお嬢様として暮らしていました。
その分、日本に帰ってから、引揚者として父の実家の田舎に身を寄せるも、食べ物にも事欠く時代、厄介者扱いで苦労し、母の母(私の祖母)は精神を病みました。母の父(私の祖父)は、いつも怒っていて突然、脳卒中で亡くなったそうです。

私がちょうど少学校の高学年の頃だったと思います。
母と話していて、突然、ある人に対して「朝鮮人だから」と、明らかにばかにするような口調で言ったのです。
今まで、母の口からそのような言い方の話を聞いたことがなく、一応両親ともクリスチャンとして教会に通っていた時期もあったので、「え?」と思ったのです。
「なんで、朝鮮人だと馬鹿にするの?みんな同じ人間じゃないの?」と、私は、つい母に食って掛かったのです。
すると、母は、
「そうだね、それはいけないことだったね」と、素直に認めてくれました。
そして、
「朝鮮にいたときは、子どもでも日本人だと、みんな、さっと道を開けてくれた。
 周りの日本人もそれが当然という態度だったから、朝鮮人は日本人より下の人間なんだとずっと思っていたんだよ」
と言っていました。

日本に帰ってきてから、田舎で、馬鹿にされ惨めで悔しい経験もしたと言いますから、母は、より実感として差別はいけないことだと気づいたのかもしれません。
母からは、もう少しいろいろな話を聞いた気もするのですが、若い頃は私の興味が他にあって、覚えていないこともあります。
もっとちゃんと聞けばよかった、ちゃんと話を残しておけばよかった、と今になって後悔しています。


★関連記事
 「そもそも総研」むのたけじさんのインタビューと、義父が大陸から持ちかえった写真のこと
 ・・日本軍が大陸でやってきたこと

こちらも→学歴社会は、人間を育てず、国を潰す。山田洋次監督(東京新聞一面・二面 9.19を忘れない)(ブログ思索の日記)

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