年金問題も、5Gも、-10000Fの行方も気になるところですが、ちょっとバタバタしております。改めて次の機会に書くとして、とりあえず車社会のことは、当ブログを書き始めた頃からのテーマの一つでしたので。
写真は、2007年9月21日の当ブログ記事 道は誰のもの?より
朝の通学時間。この道の白線で仕切られた道の端っこの方を子どもたちは、ランドセルを背負って一列に並んで歩いていました。
そこに車が突っ込んできて・・・。涙。
ダイヤモンド・オンラインに、日本の車社会について、とても我が意を得たりの文章があったので、ぜひご紹介したいです。
長年、歩行者としていつもびくびくして歩いている現状が、不快でたまらなかった。その不快感の由来を、車やドライバーへの個人攻撃に矮小化してはならないと思いつつも、我が物顔で横を通り抜けてゆくその車に、ちょっと呪いの気持ち(おいおい)まで湧いてくる事も、あったりなかったり。
その怒りの矛先を向けなければならないのは、歩行者を軽視した道路の問題だったのだということを改めて気づかされ、「そうなんだよね」とようやく長年のもやもやを言葉にしてくれた人がいた、というちょっと救われたような気持ちになったので。
以下、ノンフィクションライター窪田順生氏の記事。一部抜粋。
歩行者の死亡事故ダントツの日本、ドライバー厳罰化で解決できない理由
ダイヤモンド・オンライン2019.5.9
(抜粋)
国際道路交通事故データベース(IRTAD)によると、30ヵ国の人口10万人当たりの死者数では、日本は3.8人(2015年)と10番目に少ない。ノルウェー(1位)やスウェーデン(2位)、英国(3位)などには及ばないものの、先進国水準といえる。
しかし、この犠牲者たちがどのように亡くなったのかという「状態別交通事故死者数」というデータを見ると、その評価はまったく変わってくる。
クルマに乗っている時に亡くなる「乗用車乗車中」は、死者数の少ないスウェーデンで55.6%。フランスや英国、ドイツなどもだいたい50%くらいとなっているのだが、なんと日本の場合は、それらの半分以下の21.4%に過ぎないのだ。
「見たか!これが世界に誇るメイドインジャパンの安全技術なんだよ!」と、どっかのテレビ番組のように大ハシャギしてしまう方もいるかもしれないが、実はこの低い割合は、日本のクルマが素晴らしいからだけではない。
別のシチュエーションの死亡率がダントツに高いのだ。もうお分かりだろう、「歩行者」だ。
日本で歩行中に事故に巻き込まれて亡くなったのは37.3%。これがいかに「異常」なことなのかということは、他の先進国の割合を見ればわかる。スウェーデンは10.8%、ドイツは15.5%、英国でも23.7%なのだ。
このデータからもわかるように、道路がしっかりと整備され、歩行者の安全も確保されているような先進国の場合、自動車事故とはハンドルを握るドライバーや同乗者が亡くなるのが一般的だ。
しかし、日本ではどういうわけかそうなっておらず、自動車事故というと、人を跳ね殺す、轢き殺すというパターンがメジャーになっている。なぜかというと、クルマに乗る人の安全確保や、自動車道路の整備ばかりが注力され、歩行者の安全対策がないがしろにされてきたから。要するに、「歩行者軽視」という悪習が続いてきたのだ。
(中略)
2016年、JAFが各都道府県で2ヵ所ずつ、全国合計94ヵ所で信号機のない横断歩道を通過する1万26台を対象に調査をしたところ、歩行者が渡ろうとしている場面で止まったのは757台(7.6%)だった。
厳しいようだが、これが日本の現実なのだ。
だからこそ、歩行者軽視を変えなくてはいけない。歩道の広さを見直し、ガードレールを整備する。子どもの多い通学路などは、時間帯によって進入制限や速度制限を設けることも必要だろう。
日本が「歩行者軽視」であることは、歩行者の中でもっとも弱い立場である子どもの犠牲が後を断たないことからも明らかだ。
(後略)
子供に急に飛び出すな、とどれだけ教えても、車が勝手に歩道に乗り上げてくるような現状では、どうしようもない。
自動運転云々いうまえに、物理的に、車と歩行者を完全に隔てるような工夫が必要だ。
道は、歩行者のための道であってほしいとつくづく思います。
★関連記事
危険な通学路、全国に6万カ所
ポニョの町、パーク&ライドはいかが
goo交通事故ニュース