はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

悲しくなること。危惧すること。

2006年12月08日 | はなこのMEMO
いじめを学校に相談した生徒を暴行、高3生ら4人逮捕

昨夜のテレビニュースで知ったいじめに絡んだ暴力事件。
第一報を聞いて、言いようのない哀しみに襲われた。
事件の詳細を知りたいと思い、今朝の日経、
サンケイ・エクスプレス紙で探してみたが、
両紙はこの事件について取り上げていないようで残念。
冒頭で貼り付けたウェブ版読売新聞の記事を読めば分かるように、
この事件は人間として最も恥じるべき行為のひとつと言っていい。
両親が幼い頃に失踪し、以来養護施設等を転々としながらも
現在は新聞販売店で住み込みで働きながら
都立の定時制高校で学んでいた被害者少年を、
「いじめを学校にチクッた」という理由で上級生が暴行し、
ケガを負わせたと言うのだ。
この事件で逮捕された4人のうち1人は、小学校の頃から、
被害者の少年に対しいじめを繰り返していたと言う。
しかも読売の記事では触れていないが、
昨夜のテレビニュースでは
「親がいないからお前は汚い」と言い続けるなど、
言葉の暴力も激しかったことを伝えている。
この記事を書きながらも涙が出てくるのだが、

「親がいない」から汚いなんてことはないし、
「親がいない」のは、被害者の少年の責任ではない!

ことは誰の目にも明らかな事実だ。

被害者の少年がどんな思いで、そうした暴言を聞いていたのかと
想像すると、とても悲しくて、悔しくて、情けなくて…

警察の事情聴取を受けて、加害者の4人も
今では自分達の行為を深く反省しているとのことだが、
「謝罪」や「反省」なんて言葉を口にするのは容易い。
警察に逮捕されたから反省しているのか?
新聞店主が被害者のケガに気付いて警察に通報しなかったら、
今でもそのいじめ(この言葉は”万引き”と同じくらい、
犯した罪の重さを誤魔化すような響きがあって不快だ)

続いていたのではないか?
逮捕された4人は、自分達がしたことの重大さを
その小さな脳ミソで本当に理解しているのだろうか?

自分も同じ年頃の子を持つ親として、
どうしてもその加害者の少年達の親達に思いが至ってしまう。
この加害者4人の親はいったいどういう教育をしていたんだと。

ここでは事件の舞台がことさら定時制高校であることを
クローズアップするつもりはない。
全日制の高校生の一部も、事件こそ起こさないが、
今回の事件の加害者らと似たようなメンタリティを
持っていると思うからだ。

よく目にするのは、電車の中での振る舞い。
電車やバスと言った公共交通機関は、
つくづく社会のありようを映し出す鏡だと思う。
周囲の迷惑を考えずに大声で話す。
乗降の迷惑も顧みずに出入り口に座り込む。
特に腹立たしいのは、本当に座席を必要としている人々に
対する思いやりのなさ。
杖をついたお年寄りや乳幼児を抱えた女性、松葉杖のけが人が
乗車しても席を譲ろうとしない。
その人が目の前に立とうとも、その存在に気付いても…
さっきまで大声でしゃべっていたくせに途端に寝たふりをしたり。
ある女子生徒二人組など子供や荷物を抱えた女性を見て、
「ああはなりたくないね」と言って嘲笑したことさえあった
(もう少し近くにいたなら頭を思い切り叩いていたと思う)。
いつかは自分達も通る道かも知れぬのに、
その想像力の貧しさに暗澹たる思いがする。

ある時など、「難関大学に入るには云々」と大学受験の
話題で盛り上がっていた生徒達。やはり乳幼児連れの女性の
存在に気付きながら、席を譲ろうとしなかった。
大学受験以前に、人間として学ぶべきことがあるだろう?

思いやりや優しさは、まず家庭で育むべきものだと思う。
日頃から親がどう教育してるかは、
外での子供達の振る舞いに透けて見える。
殺伐とした社会的風潮にしても、それを作り出しているのは、
社会を構成している私達ひとりひとりなのだ。
少なくとも現在の親達が、日本の将来を担うであろう子供達を、
温かい心を持ったひとりの人間として育てることが
何よりも大事なのではないか?

我が子に対して知育偏重で情操教育をおざなりにしていると、
彼らが成人した頃にはその多くが、
子供を産み育てることに価値を見出さなくなり、
少子化はより深刻化するかもしれない。
そして老人になったその親達は「何の役にも立たないから」と
姥捨て山や爺捨て山のような所へ情け容赦なく捨てられるような
気がしてならない。この不安が杞憂だったら良いのだが…
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