集英社新書の『米原万里の「愛の法則」』は2006年に亡くなられた米原万里さんの”最初で最後の講演録集”だ。奇をてらったようなタイトルは、必ずしも本書の内容全体を言い得てはいないと思う。寧ろ米原さんの幅広い見聞と鋭い洞察に裏打ちされた比較文化論と言った趣。ロシア語通訳の第一人者であり、後年、作家、エッセイストとしても活躍された米原さんは、50代半ばで惜しくも病死された。生前テレビで拝見することも少 . . . 本文を読む
『ロウアーミドルの衝撃』表紙
今日は、現在興行成績1位を独走している
三谷幸喜脚本・監督の『有頂天ホテル』を
夫が見たいと言うので映画館に行った。
我が家は、映画を当日券の料金では絶対に見ない。
見るなら「映画の日」の千円か、前売り券料金だ。
本当に見たい映画なら公開前に前売り券を買う。
前売り特典のおまけが結構楽しみだったりする。
そうでなければ試写会。交通費と移動時間はかかるけど、
タダ . . . 本文を読む
『バールのようなもの』
この短編小説を文芸誌で読んで以来、
私は作家、清水義範氏の慧眼に一目を置いている。
氏は目の付け所がどこか人と違う。
世の常識に独自の視点で異を唱える。
しばしば思いがけない発言で私を驚かせてくれる。
先月読んだ『行儀よくしろ。』も、
書店の新書コーナーで、そのタイトルの
新書らしからぬ斬新さ、
タイトルなのに句点付き、という点が
異彩を放って私の目に留まった。
本書 . . . 本文を読む
ここ数年、新聞・テレビ報道等で取り沙汰されている、日本の階層社会化について興味があります。
普段の生活では別段意識することがなくても、日本社会には遙か昔から階層は存在していたのであり、それが最近になって顕在化した、クローズアップされただけなのかもしれません。
私は映画を見ることが好きで、映画を通して関心の幅を広げることも少なくありません。映画はただ楽しむだけでなく、かつてシェイクス . . . 本文を読む