「 青 い 鳥 」
の、続き
♪♪
あなたが 耳もとで ささやいた夜明けは
ふたりが 結ばれた 美しい夜明けよ
ひとすじこぼれる このほほの涙に
あなたも濡れていた 懐かしい夜明けよ
忘れないわ あのひととき
私は今 あなたのもの
ピンキー と キラーズ 唄う
「 涙の季節 」 も、流行っていた学年末、
最後の 『 席替え 』 が行われた。
私の席は、教室中央列の前から2列目の位置。
彼女の席は、私の席の1列左横・後ろ2列目。
やっぱり、
相席、机を合せること ・・・適わなかったのである。
小さな幸せ
教室正面の黒板上には、
額に入った絵画が掛けられていた。 額中絵画
「 オッ!」
席に座って見上げると、
額のガラスが鏡に成って 私の後ろの景色が見えた。
なんとそこに、彼女が写っているではないか。
私は 小さな額の中に 『 青い鳥 』 を、みつけたのである。
毎日 『 青い鳥 』 を、見ることができる。
而も
一人、ひっそりと。
黒板を見る振りをして、『 青い鳥 』 を、見ていたのである。
それはもう、幸せな時間だった。
♪ 小さな幸福を ぼくの手に乗せたのに ・・・・
ところが、
幸せな時間は、長くは続かなかった。
「 花田君、黒板見る振りして、キーコ 見てやる!」
選りにも選って、
告白の時、彼女が 「 OOOやろ 」
と、言った OOOが 皆の前でそう告げたのである。
「 私、知っているよ 」 と、彼女。
( なんてこったい ・・・かっこ悪いったらありゃしない )
私から彼女の姿が見えるのである。
だから当然、彼女からも見える。
しかも、彼女は私の後ろに居て、私の動きが見えるのである。
そんなこと、考えなくっても判ること。
然し私は、そう云われるまで、その事に気がつかなかったのだ。
そして、
「 知っているよ 」
と、彼女がそう言ったこと、
私の耳に届いたのである。
それ以来、
私は、カナシバリにあったが如く、
黒板上に目を向ける事ができなくなった。
もう 『 青い鳥 』 を、
見ることが できなくなったのである。
OOO ・・・おまえの所為やぞ
昭和44年 ( 1969年 ) 3月15日 (土)
三年生の卒業式の日。
二年生の吾々は半ドン、教室で自習していた。
教室の窓から、淀川堤に大勢の卒業生の姿が見えた。
話声が聞こえそうなほどの近距離である。
ついさっき、卒業式を終えたばかりの卒業生。
クラスメイトとの名残りを惜しんでいるのだ。
一年前と同じ光景である。
その中に、クラブの先輩も居た。
「 如何して、( 判を押したように ) 卒業生はああして堤に上るのであらうや 」
・・・と、そんな想いで眺めたのである。
泪する女子生徒。
杉本さんが泣いていた。
『 青い鳥 』 も、目に泪を浮かべている。
誰の為に、泣いているのであらう ・・や
千昌夫 『 星影のワルツ 』
この頃 流行っていた
当時の吾 心境にピッタリ・・・と、唄った
別れることは つらいけど しかたがないんだ。
君の為、別れに 星影のワルツ を歌おう ・・・♪
愈々二年生も終る。
三年生になると、クラス替がある。
あれだけ仲の良かったクラスメイト とも お別れ。
それは、
『 青い鳥 』 との、別れでもある。
昭和44年 ( 1969年 ) 3月24日、終業式
中学二年生を終了した。
・・・ 青い鳥 3 ・ 卒業文集 「 でも 楽しかったわ 〇〇さん 」 に 続く