昭和・私の記憶

途切れることのない吾想い 吾昭和の記憶を物語る
 

タコ捕りの達人

2021年02月27日 05時13分19秒 | 1 想い出る故郷 ~1962年

道端にタコの天日干し
斯の光景
昭和35年 ( 1960年 ) の頃
当り前の如く見ていた。

 
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丸谷の波止場を中核として、私が海で経験したことを記す

夏の夕暮
引き潮から満ち潮に替わる頃合いに
親父と二人、舟に乗った。
タコを捕る
浜は水に浸かったばかりで浅い
櫓は漕げないのである。
だから、竹竿でもって舟を押す
タコ捕りでは決って
丸谷の波止場から天神鼻にかけて周遊したのである。

父はタコ捕りの達人
舟は、ゆっくり巡って、
天神鼻の中附近まで来た。
「 オッ、おるおる 」
「 エッ、どこなあ 」
「 ホレッ、そこにおろうが 」
親父に指差されても、私には見えなかった。
「 みちょれよー 」
・・・と、親父が竹竿の先で以て何かを突ついている。
私は目を凝らして、水中の竿の先を覗いた。
次の瞬間
竹竿の先にタコが巻き付いている。
そして
サッと、素早くタコを上げた。
舟底を這うタコ
タコの頭を手で掴んで舟底に叩きつけると、タコの動きが止まった。
「 こうしておかんと、たこが逃げるんじゃ 」

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親父の講釈を聴く

タコの居る穴を見つけたら、
竿の先でチョンチョンと突つくんじゃ。
そしたら、タコが顔を出す。
そこで、捕ろうとしたら駄目なんじゃ。
竹竿を顔先に向けたら、勝手に足を絡めてくる。
そこで、サッと上げるんじゃ。
のもんは、それが分らんのじゃ。
・・・此が、タコ捕りのノウハウ と、講釈をタレタ。

是、まさしく職人技
誰しもが出来るものでは無い。
・・・と、そう言いたかったのである。

結局、此の日は
タコ三匹
簡単なものである。
早速 湯がいて
刺し身にしてたべたのである。
「 うまいのお 」
・・・と
その味を堪能したのである。


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