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KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

何処まで増える認知症

2025年03月06日 | 俳句
天気 曇

一昨日の夜は大雪になるかも・・という騒ぎだったが、朝には雨になってしまい、あまり積もらずに済んでほっとした。ここに暮していて一番心配なのは災害などで職員が揃わない事態になった時のこと。そういう時は近くに住む人で何とか出来る体制にいているというものの、夜勤が二人とも近所住まいだったら・・食事はどうなる?・・
幸いにも、開設してから今まで(約6年)、交通機関が全マヒしたことがないそうだ。

さて、前回「ホーム入所しない方が良い」人のことを書いたが、今日は私が一番悩んでいる認知症患者との共生のこと。入所した時は「サービス付住宅」だったので、重度介護の人は別途介護保険で個別に外部介護士に来てもらうこともあった。毎朝、着替えやら食事介助やら・・職員ではない人の出入りがあった。
それが、施設ですべて介護保険を使って一括介護出来るように、ということで「介護付き」となったのは、コロナの最中の3年くらい前のこと。詳しくは書かないが、ともかく、以後は入所した時から認知症・・という人が増えた。無論、他の病気と同じく入所してから発症する人は居るし、私もそうなるかも、とは思う。でも、入所時点でもう「立派な」認知症患者・・というのはやめて欲しい・・と愚痴を言いたくなる。入所者は施設側が選ぶことは出来るのに、介護士に訊いたら「ここは入所希望者が多いから、こちらで選べるのに、片っ端から入所させてるみたいで」と愚痴っぽく言われた。空室をそのままにしていれば会社の収入が一ヶ月丸ごと〇〇万円減る訳だから、急ぐのは解かるけれど・・すでに入所している我々のことも考慮して欲しい。正常な入所者は、認知症の人たちに振り回されている。彼らの事故防止のため我々もベランダには出られないし、無断で室内へ侵入されることもあるし、色々気を遣わねばならないし。
入所決定の会議には、看護師も介護士の無論参加するらしい。でも、冗談ではあるが我々にも参加させてほしいと言いたくなる。同じ料金で同じ空間に居るのに、神経すり減る思いをしている。
 
自分もいつ発症するか・・と思うので文句は言えないと思いつつ、いつも食事をする(席は決められている)三人、皆、半年以内の入所者で、揃って耳が遠くて認知症。おまけに、認知症が重度の2人は補聴器を厭がって装着しない。2人とも、外見は普通の90歳の、少し歩行困難な老女に見える。その1人が「レビー小体型」の認知症なのだ。アルツハイマーの幻覚や被害妄想とは少し違って、「そこに居ない人が現実に居るように見えてしまう」という厄介な症状の持主。おおかたは昼間よりも夜に出るようで。
昨夜は女性が入ってきて、ベッドを占拠され、職員に連れていってもらった。
その前は、洗濯物を収納していたら部屋へ入り込んだ人が、半分持っていってしまった。などなど。問い返すにも、補聴器していないので私の声はほぼ聞こえない。大声張り上げるのもバカバカしいから聴くだけ。イヤな顔したからか今朝は「聞きたくないのでしょ、もう話しませんから」と嫌味を言われた。食事の時間にそんな話、確かに聞きたくない・・メシが不味くなる。

この数ヶ月前、同じ階に2人の新入りの男性が。私より若いらしいし歩行も出来る。今度はまともな人たち?と思ったら・・2人とも、かなりの認知症。 何度も廊下ですれ違う立派な見かけのジイサン、何度も挨拶したり話もしていたのに・・エレベーターで一緒になったら「何階で下りられますか?」
って、何回もことばを交わしているのに。その数日前、日向ぼっこをしていたら「どちらに住んでいたのですか?」と訊かれたので「近くですよ、同じ町内」と私が答えたら
「ぼくは、長崎からきました、息子がこの近くなので」ということだった。「随分遠くからいらっしゃいたのですね」
で、そのエレベーター事件でおかしい、と思ったのでケアマネさんに「Kさんは少し認知症がありますね」と訊いてみた。そこまで言ったらまさか、否定は出来ない筈。「長崎から来た、って本当?」
ケアマネさんの答えは・・「え?それは初めて聞いたわ。実際はH市よ」と近くの市の名を教えてくれた。「出身が長崎なのかしら」

覚悟の入所で、不満はガマンもするけれど、世の中にこんなにも認知症が多いとは思わなかった。その覚悟はなかった。ここへ入所してから思い出したのは、以前のマンションの近所の方が会うたび「何階で下りられますか」と訊かれた。「昨日会ったばかりじゃない」と腹が立ったけれど、彼女、認知症だったのだ。ご夫婦で普通に暮らしていたのに・・

淡雪へ真夜のカーテン閉ざしけり  KUMI 
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7 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (げたのうら)
2025-03-06 19:45:36
毎日ご苦労さまです。認知症の方々とご一緒は神経すり減りますよね。
自分の親のことなら一緒に住んでいても諦めが付きますから良いのですが、他人様ですし、それにお金を払って入居しているのですからね。
良い解決策があれば良いのですがそう簡単な問題ではありません。
認知症の人は年々どんどん増えてい今年は670万人、65歳以上の5.4人に一人の割合だそうです。
兎に角自分が認知症にならない様にするしかないのでしょう。
返信する
Unknown (小父さん)
2025-03-06 21:16:59
拝読させていただきました。
明日またゆっくり訪問させていただきます。
返信する
Unknown (小父さん)
2025-03-07 09:09:32
おはようございます。
頭の梅の写真、相変わらず見事ですね。

>ここに暮していて一番心配なのは災害などで職員が揃わない事態になった時のこと。

本当に大変なことになるでしょうね。
都会は何でもあると考えがちですが、便利過ぎる文化の中にはいろんな落とし穴があることを再認識します。

さてさて、「サービス付住宅」にも大きな欠陥があったのですね。

ああ、コロナ騒ぎが大きく「老人ホーム」に変化をもたらしたわけですか。

>「ここは入所希望者が多いから、こちらで選べるのに、片っ端から入所させてるみたいで」

そういうことでしたか!

>空室をそのままにしていれば会社の収入が一ヶ月丸ごと〇〇万円減る訳だから

経営の観点からそうなるのでしょうが、「話が違う!」ということになりますね。

>ベランダには出られないし、無断で室内へ侵入されることもあるし・・・

ほんと、ホームのランクが相当下がって来たということでしょうか。

>入所決定の会議には、看護師も介護士の無論参加するらしい。

ありゃ、現在は形だけで「経営第一」になってしまっているのでしょうね。

>・・・神経すり減る思いをしている。

いつもながら、とても参考になります。

「レビー小体」って、脳から筋肉への指令がうまく伝わらなくなり、運動機能にも影響とか、末梢の神経にも出現するので、起立性低血圧や便秘などの自律神経障害もしばしば・・・とか。

いやはや、KUMIさんのお疲れの一端がイメージ出来ました。

>「そこに居ない人が現実に居るように見えてしまう」という厄介な症状の持主。

あれ?船橋の姉(88歳)が福岡の姉(87歳のなりました)にいつもそんな話をするそうです。
時々の電話はだいたい1時間で福岡の姉は辛抱して聞いてあげているのだとか。

>おおかたは昼間よりも夜に出るようで。

へへへ、そっくりです。

>今朝は「聞きたくないのでしょ、もう話しませんから」と嫌味を言われた。食事の時間にそんな話、確かに聞きたくない

姉たちは、血の繋がった長年の付き合いですが、KUMIさんの場合は、ある種の「公害」でしょうね。

>「長崎から来た、って本当?」ケアマネさんの答えは・・「え?それは初めて聞いたわ。実際はH市よ」と近くの市の名を教えてくれた。

なるほどですね~、船橋の姉は息子夫婦(二人共64歳)に年中叱られるが「じっと我慢している」と福岡の姉に話しているそうです。

船橋の姉は恵まれた環境で暮らしているものですね。
そうそう、私の4つ上で79歳で亡くなった姉は、長年の病院暮らしでしたが、福岡の姉の姉にもっとたくさんの「そこに居ない人が現実に居るように見えてしまう」トンチンカンな話をしていたようです。

>覚悟の入所で、不満はガマンもするけれど、世の中にこんなにも認知症が多いとは思わなかった。

本当に貴重なお話が聞けました。

どうも有難うございました。
返信する
げたのうらさん、本気では付き合えません (KUMI)
2025-03-07 11:02:58
幸いというか、認知症の方たちはほぼ耳が遠いのです。
私は聴覚だけは問題ないのですが「心臓悪くて大声出せませんので」と断って会話はしません。
それでも、話を聞いてもらいたくて一方的に・・が困りますね。
ご家族でしたら24時間の同居が必要な人たちが多いです。
げたのうらさんのお母様は、まだ軽症ですし徘徊がある訳ではありませんし。
場合によっては、ご家族がサジを投げて入所した人と付き合うのですから、疲れますね。
げたのうらさんのように体を動かしていいる方には、あまり認知症はないかと・・
とはいえ、絶対に自分は大丈夫、と言えない病気ですから困りますね。
返信する
おじさん、ホームのランク? (KUMI)
2025-03-07 11:23:58
>ベランダには出られないし、無断で室内へ侵入されることもあるし・・・
>ほんと、ホームのランクが相当下がって来たということでしょうか。

ランク、というのが質、ということなら、監視の徹底している施設ですのでかなり質の良い方かと・・
入所者の選定が緩いのも、むしろ、運営管理に自信があるのだと思います。
最期まで看てくれる施設で立地条件も良いので、人気は仕方ないのでしょう。
重度介護になった時は別の施設へ・・という所は、人気がなくなります。

お姉さまは、やはりレビー小体のようですね。
否定せずに話を聞いてあげるのが一番喜ぶと思います。
「そんなのあり得ない事」という否定は、むしろ症状を悪化させるみたいです。
それと、モノ忘れなど、ご家族が叱責するのもかえって逆効果のような・・
私も、話を聞くことはイヤではありませんが、気持に余裕がありません。
自分のことだけで精いっぱいの病人です。何で彼女の病気に付き合う必要が・・と。
なぜか、女性に多いみたいですね。
なので、小父さんには遺伝の影響はないかと思いますが・・
返信する
Unknown (ふきのとう)
2025-03-07 16:11:26
何処に暮らしても全てに満足いくことは不可能ですね。今、居ることとなった場所で楽しみを工夫するのが最善の様に思います。人生で一番若い日の今日を大切に。先ほど隣町の句会から帰宅し、これから夕飯の準備です。三日目の南瓜ですが、好きですので苦にはなりません。鱈の粕漬けを焼き、ご近所で頂いたレタスと、トマトのサラダ、大豆いりポタージュスープ、ささやかなひとり暮しの食卓です。
返信する
ふきのとうさん、一人の醍醐味 (KUMI)
2025-03-08 15:38:11
お好きなものをご自分の手で料理できるのは、ご苦労はあっても幸運なことです。それを孤独、とか寂しい、などと思う人も居るようですが、私から見れば何ともわがままなこと。ともあれ、一日に少しでも満ち足りたことがあれば良し、です。また雪の降りそうな空になっていますが、暖かい部屋で過ごせるのは幸せです。
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