KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

彼岸の入り

2022年03月18日 | 俳句
天気 雨 寒い

毎年よ彼岸の入に寒いのは  正岡子規

という子規の句を思い出すにふさわしい寒さ。昨日よりも最高気温が15℃近く低いという。昨日今日のこの気圧の乱高下、本当に頭と体の芯が圧縮されて苦しくなる気配だ。
いつもなら彼岸に入るころ咲き始めるカタクリの花。彼岸の終わりごろに撮った写真だ。ほんの駅ひとつ乗るだけなので、久しぶりに見に行きたい、と。思うだけで終わるのだろう。

庭師が手を加え、厚く保護されて優雅に咲く花もあれば、舗道の石の間に芽を出して人に踏まれながら咲く花もある。
同じころに撮った、根性の花。私も差別主義ですねえ、カタクリの花は一眼デジで撮り、根性の花はスマホで撮るとは・・スミレを撮ったらテントムシまで撮れていた。



昨夜、寝る前にポーランドへ逃れたウクライナの避難民の取材映像を見た。NHKを出てフリーになった大越キャスター、ポーランドまで取材に行っている。多分、こうした取材がしたくて民放に出たのかもしれない・・という事情は別として。
戦闘シーンを見るのは辛いので夜遅い時間には見ないが、避難した人たちを世話するボランティアの話なら、と思った。ところが、眠ってすぐに、私が看護師になっていて、映像で見たポーランドの看護師と一緒に病院で小さな子供の世話をしている。テレビの映像に私が入りこんだようになっていて、ここは何処?と思いながらタオルを運んだりパジャマを選んだり。看護師でもないのに、こんな所に居るなんて間違っている・・と思ったら目が覚めた。スマホの画面をみると1.15とあった。まだ朝にはほど遠い。いつもなら目の覚めることのない時間だ。
咄嗟に、母の顔が浮かんだ。母は、産婆(助産婦)と看護婦の資格を持つ明治生まれの人。4人も娘が居て、結局は母のように看護婦になろうという者は居なかった。高校3年のとき、卒業後の進路として母に看護婦学校の話を出されたことがあった。子供の将来をとやかく言う人ではなかったのでびっくりした。
結局、即座に「無理無理。私が血をちょっと見ただけでも卒倒するの、知ってるでしょ」というようなことを言って否定したと思う。それは本当。子供のとき、家の前の国道で交通事故があり(滅多に車の来ない時代なのに)血だらけの人を見て、私が腰を抜かしてしまいあとは覚えていない。
母は寂しそうに笑いながら「結局、誰も看護婦にはならなかったねえ」と。
その顔が、思い出された。母は、資格がありながら結婚してからは仕事としてその資格を活かせなかった。戦後すぐ、産婆の手伝いをしていたくらいで。だから、その分を娘の誰かにさせたかったのだろう。
母が産婆・看護婦になったのは、自分の母親(私の祖母)が、末っ子の叔母を出産した直後「産後の肥立ちがわるい」という理由で亡くなっているからと、聞いている。子供たちは祖母に育てられたらしい。西洋医学の勉強をした産婆なぞ田舎の村には居ない明治末期のこのこと。父親は時代についていけなかった落ちぶれ廻船業だったので、女の子の学業なぞに手を貸せない。跡取りの叔父すら中学校へ行けなかったのだから、自力で勉強すべく上京し、浅草の産科医院に住み込んで働きながら、看護婦学校へ通ったという。卒業証書は今、私が保管している。
ごめんなさい、お母さん。夢でも看護婦になれなかったわ。
(昔の話なので、看護婦、と表記いたしました)

入り彼岸細かき雨を見て過ごす  KUMI
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2 コメント

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Unknown (小父さんK)
2022-03-18 21:31:44
ああ、ほんとだ!
立ち上がってカレンダーを見たら「彼岸の入り」と書いてあるし、あったかいジャンパーを着てエヤコン暖房も入れました(汗)

カタクリの花、可愛いです。

>根性の花はスマホで撮るとは・・スミレを撮ったらテントムシまで撮れていた。

はっはっは

野球もやっていた文武両道の大越キャスターは好きでしたね。
報道ステーションですか?最近観たことないです。

プーチンほどではないでしょうが、官邸が気にいらないNHKのキャスターにはすぐに圧力がかかるようです。

>・・と思ったら目が覚めた。

ご立派です。
私はほとんど目を逸らしています。

中東やアジアでの戦闘報道はほとんどなかったのに寝ても覚めてもも、まるで映画のように戦場映像が映し出されますね。
共産圏以外の世界中でもこんなにリアルタイムに放送したことはないのじゃーないでしょう?

>子供の将来をとやかく言う人ではなかったのでびっくりした。

いろいろなことが蘇りますね。

>・・・私が腰を抜かしてしまいあとは覚えていない。

ずっとトラウマになってしまうでしょうね。

>卒業証書は今、私が保管している。

KUMIさんにとって宝物のようなものですね。
う~ん、私も整理しなくては!

私も墓参りも出来ないので、そんな整理でもしなくては。
下は母ともうすぐ42歳の一人息子です。
        ↓
https://blog.goo.ne.jp/goo221947/e/65e64145d8c618b4b8e6938c7e8f8be1
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小父さん、彼岸なのに寒いですね (KUMI)
2022-03-19 15:42:04
甲子園の中継を見ていましたら、そちらも寒そうです。
墓参りに行けなくても、夢で親を偲ぶのも良いかもしれませんね。
結局、母方の祖母は私は会ったことがない訳で。
祖父様は、近所なのでよく遊びに行きましたが。


プーチンは歴史にどう残るのでしょうね。
それを見届けるためにもう一度、地球へ生まれて来なければ。
最近、見られない未来がどうなるのか、気になります。
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