天気 雨
昨日の皆既月蝕は雲の中だった。がっかり・・今日はその続きで無論一日雨なので、写真は先日の晴れた日のもの。
スーパームーンの皆既月蝕、次は12年後とか。生きていませんです。
今日は冷たい雨になった。梅雨入りしていれは「梅雨寒」というところ。
今日のように出かけずに雨を一日籠っていると、眠くなる。ちょっとラウンジに出てストレッチでも・・と出ると、AさんとBさんがソファに向かい合って話をしていた。お二人とも足腰には問題がない。
Aさん・・認知症がどんどん進み、たとえば昼食後2時間経った頃に会うと「食事はまだでしょうか」と聴いてくる人。時計が読めなくなっている。
Bさん・・先月入居したばかり、入居の翌日から「家に帰る」と言い張っている。
という二人が、なぜか意気投合したようで何度か二人で話をしているのを見かけた。
どんな話?と、運動のつもりの足踏みをしながら、ちょっと耳を傾けてみる。
Aさん「時々、食事を食べさせてくれないことがあるんです。昨日もお昼を食べませんでした」(なぜか、とっても丁寧な話し方をする人、無論三食食べない日はない)
Bさん「あらまあ、そりゃ大変だわね。文句言ったほうがいいよ」(どうも北関東風の少し乱暴な話し方をする)
Aさん「言いましたよ。でも、終わった食事は間に合わないですからねえ。私は外国暮らしが長くて、外国からすぐここへ来たものですから、ここの事情がよく解らなくて」(外国、それはご主人が現役時代の昔の話らしい。もう、入居して3年目の筈)
Bさん「ありゃ、外国からじゃ仕方ないね。私は何だか解らずここに泊まれ、って娘に連れて来られてね。一泊で帰るつもりなのよ」(毎日、誰かに同じことを言っている)
Aさん「そうですか、もう今日はお帰りになりますか」
Bさん「帰らないとね。お金も持ってこなかったし。奥さん、いつまで居るの?」
Aさん「私、解らないけれどここにずーっと居るように言われているんです」
Bさん「ずーっと、は厭だわねえ、とにかく、お昼を食べたら帰るわ」
Aさん「帰るところがあってよろしいですね。私は外国からここへ来たものですから・・」
という話を延々と続けているようだった。昨日話したことは忘れるので、会えば同じことを話しているのだろう。
正常な人と話をすると「昼食、さっき食べましたよ」と否定されるし「外国、ってどこの国から来たのですか?」と聞かれたり。帰る、と主張すれば「ご家族が迎えに来ているの?」と聞かれたり。そんな面倒が、同病者と話していれば何もない。
考えようによっては平和な会話。コロナなんて、頭のどこにもないのだろう。
最近、解ってきたこと。認知症の始まりは時計が読めなくなることなのだ。
運転免許証の更新で、高齢者にはテストがあって、その中に〇時〇分の時計の図を書きなさい、という設問があるらしい(私は60代で免許返上したので、夫から聞いた)。何でそんな簡単なことを・・と思ったが、Aさんを見ていて納得した。
彼女はラウンジに始終出てきては誰かに「食事はまだですか」と聞く。ラウンジの壁には大きな時計がかかっている。なので、最初の頃は「まだ1時間早いですよ」とその時計を指し示していたのだが・・無駄なことをしていた。ある日、昼食は終わったのでしょうか、と言うAさんに、時計を指して「さっき食べたばかりですよ、今、何時か解ります?」聞いてみた。
じっと時計を見ての答えが
「11時2分ですね、昼食はまだですね」・・・・・・こりゃ駄目だ、とはっきり解った。つまり、長針が11を指していて、短針が2を指している。数字だけは解るようだ。はい、正解は1時55分です。時計が読めなくなったら、不便この上ないと思うけれど・・どうなのだろう?
何だかねえ・・ここに居ると、私も自分の言っていることに自信が持てなくなってくることがある。
合羽着て犬が行くなり迎え梅雨 KUMI