『セブ・アンサンブル大正琴コンサート2011札幌公演』が開催されました。
9月11日(日)
前日は午前中からセッティング&音だし&ゲネプロをやって18時すぎまでかかり・・。
当日は、9時半にはほとんどのメンバーとスタッフが到着していました。
再び音だし。 テナーに難があり、いろいろと苦労してノイズが消えました。
ゲネプロも、旭川とはまた一味ちがう色彩になりました。
舞台裏でお弁当をいただき・・お化粧を直しながら、それぞれが自分の演奏、MC、着替えや動き方の順番をイメージします。
開場の30分前に、ちょっと玄関付近を通りかかると、もう並んでいるお客様が見えました。 午後から雨ときいていたので、もし降って来たら開場時刻を早めることになっていましたが、なんとか天気は持ちこたえていました。
13:30。
「開場しま― ―す!」とスタッフの能登さんのおおきな声。「は~い」とメンバーが答えて・・。 緊張の瞬間です。
わいわいとにぎやかなお客様の声が、すぐ近くに聞こえます。
今回の衣装は、「大正琴で世界旅行」のテーマで世界各国の民族衣装です。
チマチョゴリ(韓国)が立花、サリー(インド)が山腰、チャイナドレス(中国)が荻原、スイスの衣装が大和、アオザイ(ベトナム)が石田です。
(ちなみに今回欠席の菊池は、ムームー(ハワイ)の予定でした。)
1番着るのがやっかいなのがサリーです。
3人がかりで山腰に着付けました。「だんだん要領よくなってきたわね。」などと話しながら、この日はスムーズに仕上がりました。
本番3分前の影マイクは大和に定着。 慣れた口調です。
円陣を組んで・・そばにいた照明担当の新スタッフ、青砥さんも一緒に。
「セブ・アンサンブル、ファイト~おぅっ!」と気合を入れます。
さあ本番です!
暗いステージに出ます。 定位置に立つと、もうお客様から拍手が・・。(これはきっと、うっすら見える衣装に拍手してくれたのでは・・?)
フットペダルを踏んで、ミュージックプレーヤーでリズムを再生させます。
メンバーが音を出した瞬間、パッと舞台が明るくなりました。
1曲目はカーペンターズの『Top of the world』 たのしく演奏できました。
MCのあと、『世界の車窓から』 『アリラン』『サンタルチア』
今回のクラシックナンバー『主よ人の望みの喜びよ』
琴の種類の説明とメンバー紹介。
『シェルブールの雨傘』はアレンジに難航したのを思い出しました。アカペラでやることが前提だったので、大正琴の音だけで、どれだけ「語るように」演奏できるか・・。稽古の度にずいぶん細かい話をしました。
それと同じか・・もっと稽古に時間をかけたのが『カリンカ』でした。テンポがだんだん速くなる曲なので、息を合わせるのが大変でした。 リハーサルも合わない部分があり、どうなることかと思っていましたが・・
さすが本番に強いセブ・アンサンブル。 お客様の前で最高の出来で演奏しました。
『アロハ・オエ』は、ミュージックプレーヤー(MIDI音源再生機)で波の音をだしながら演奏しました。 大正琴の音が意外とこの曲にマッチしていました。ヴィオリラのピックではじく音がスチールギターのようで、ハワイらしいサウンドを出せました。
『大地の祈り』は『シルクロード』『アラビアンナイト』『アフリカンシンフォニ―』のメドレーで、タイプの違う3曲のおもしろさと、最後の迫力のある終わり方が、お客様の大きな拍手を誘いました。
第一部、最後の曲は葉加瀬太郎さんの『エトピリカ』。ヴィオリラの弓奏と、大正琴の音色をうまく使いました。 途中ミュート奏法と言って、弦を押さえてはじく、ヴァイオリンのピチカートに似た音も使いました。
今までたくさんの曲をアレンジして、大正琴でアンサンブルしてきた私たちですが、今回のアレンジは、それらの総大成といってもいいかもしれません。
効果のないことは避けて、聴きやすい音を使うようになりました。
第二部は、毎年恒例の『歌謡メドレー』で、昭和のなつかしい曲から平成のヒット曲までを、メンバーが一人。二人、三人などで、ふさわしい衣装(コスプレと言われてもしかたない?)で身振り手ぶりで演じながら弾いていきました。
まず全員で『みかんの花咲く丘』からはじまり・・
『黒い花びら』では、水原ひろし役の石田が、お笑いの「ヒロシです・・」の ものまね。笑いをとったあと、妙にまじめな顔で演奏しました。 これは旭川に続き、札幌でも大受けでした。
続いて『月影のナポリ』は、森山加代子役の山腰がロカビリー風のワンピースで登場。広がったスカートを左右に揺らしながらヴィオリラをピックで演奏。 1番若手の彼女にピッタリな曲でした。
次の荻原はスーツ姿で男らしく登場。布施明の『霧の摩周湖』を渋く演奏しました。 出だしのつぶやくような弱いタッチから、だんだん歌い上げていく感じが、布施明が歌っているように聴こえました。
MCのあと、『カナダからの手紙』は、石田と大和が台詞のない寸劇で開始。ラブレターを渡すところから始まって、演奏のあと、彼が目の前を歩く女性に目を奪われて追っていってしまう・・というシナリオ。
『男と女のお話』は、日吉ミミ役の立花がボコーダーという機械を使って、声とアルト琴の音を混ぜて、歌いました。「先日亡くなってしまった残念な日吉ミミさんですが、今日のために大正琴を弾いてくださいます。」という荻原のMCも、もう堂にいったものです。
メドレーを全部書いていくと、大変長くなってしまうので・・(笑)
あとは、DVDが完成したら、ご覧いただきたいですね。
今年も、プロの手によって8台のカメラで同時に撮影された映像を編集して本格的なDVDとブルーレイを作成しています。
出来ましたら、このブログでもお知らせします。
「歌いましょう」のコーナーでは、今年もお客様にプログラムに挟んでおいた歌詞カードをみながら『365歩のマーチ』を歌っていただきました。 毎年このコーナーは菊池睿子が担当していましたが、今年は石田がやりました。こんな時、菊池の存在の大きさを実感します。 6月に大動脈の病気で入院した菊池ですが、いまは自宅で療養しています。 はやくセブに復帰できるようメンバー全員、願っています。
このとき、チケットの売上の一部を東北の大震災に向けての義援金とさせていただくことを、お客様にお願いしました。
今年のシメは、坂本冬美さんの『アジアの海賊』を演奏しました。中間に「のった!のった!」「ソイヤ!ソイヤ!」というところがあり、鳴子を持って、全員で踊りました。 最後はシルエットでポーズが決まって、おおきな歓声と拍手をいただきました。
アンコールも2回いただいて、賑やかなナンバーでお手拍子とともに終演しました。
演じる私達が楽しいと感じながらやっているので、お客様にもそれがつたわるのでしょうか・・・。 だんだん会場が一体となって、楽しい雰囲気が出来ていったように思います。
メンバーが仲良く、共通の思いを持って練習を積んで・・。 本番の日を迎える喜びが、さらに「良い演奏の仕上がり」につながって、お客様を魅了できたのだと思います。
お客様をお見送りしながら、「また来年もきますからね。」と言われると、「はいっ! またがんばります!」と答えてしまいます。 (こりゃあ、セブはまだまだコンサートを続けなくてはならないなぁ。)と実感しながら、うれしさでうるうるしてしまいました。
メンバーがひとり足りない状態で、一時は見合わせようかと考えたコンサートでしたが、なんとか無地成功できて良かったと思います。 またまもなく次回に備えての選曲、アレンジ、演出の作業がはじまるでしょう。
たのしい大正琴にめぐりあって、いい仲間たちに恵まれて私たちは幸せです。
客席で応援してくれた生徒のみなさん始めおおぜいのお客様、お手伝いいただいたスタッフのみなさん、そして私たちメンバーをバックアップしてくださった、北海道大正琴普及会本部長に感謝します。
大正琴の楽しさを、もっともっと多くの方々に伝えて行きたいと思います。
ありがとうございました。