1/2の時間 : half time

「奈良」「京都」「東京」。時代を移し、栄えた日本の都の懐かしい表情を、個性豊かな三つのハーフサイズカメラで写し取ります。

浅草 初音小路

2009-01-29 22:37:27 | AUTO HALF-東京
奈良、京都ときましたので、今日の写真は東京です。
浅草の浅草寺の西側、藤棚がアーケードとなっている(咲いているところはまだみたことがありませんが)、初音小路です。
浅草へ立ち寄ると、自然とこの通りに足が向いてしまうのですが、特にお気に入りのお店があるわけでもありません。
ただなんとなく、懐かしい気持ちになってしまう、心のヒーリング・エリアなのです。
この枯れた生活感。
オートハーフによる、ハーフサイズ画質と色が、いい空気感を見せてくれました。

京都 寂光院(じゃっこういん)

2009-01-27 22:24:38 | PEN-FT-京都
京都 大原 寂光院(じゃっこういん)。
今年の秋、11月の終わりに訪れた頃、紅葉は最盛期。
境内にある諸行無常の鐘楼の近くにあるつくばいには、色付き枯れ落ちた楓で埋め尽くされていました。
中でも、真ん中に映っている真っ赤な楓は、その虫食いの跡も計算されているかのようで、その完全でない形に宿る、自然のままの美しさを十分に見出すことができます。
この雅な色彩は、正に京都の色。

霧の飛火野(とびひの)

2009-01-24 15:10:01 | PEN-FT-奈良
朝霧に包まれる飛火野(とびひの)に、鹿一頭。
飛火野は奈良公園内の東にある広大な芝の広場。
奈良の鹿達の多くがこの一帯に暮らしています。
奈良では古くから鹿を神の使いとして大切にし、共に暮らしてきました。
今では、奈良の風景には欠かすことのできない、ひとつのシンボルです。
思慮深げなこの鹿男。
何を思い、何を見つめているのやら…。

コクーンタワー

2009-01-22 23:14:27 | PEN-FT-東京
このOLYMPUS PEN-FT (オリンパス ペン-FT)で、現代建築を撮ると、一体どう写るのか。
そう思い、昨年10月竣工、西新宿に突如出現した、モード学園コクーンタワーを撮影してみました。
PEN-FTの標準レンズ、F.Zuiko S38mm F1.8では、その全容を丸ごとファインダーに収めることができるいい地点が見つかりません。
従ってウエストラインから上階部分のカットになりますが、それでもこの繭(コクーン)の特異な形が放つインパクトは伝わってきます。
昭和のカメラで、平成の近代を撮ってみる。
この面白いギャップ、一つのテーマにしてみようと思っています。

OLYMPUS PEN-FT (オリンパス ペン-FT) Vol.3

2009-01-21 00:25:52 | OLYMPUS PEN-FT
数あるハーフサイズ・カメラの中で、このPEN-FTほど操作感を楽しめるものはありません。
なぜなら、ハーフサイズで唯一の、レンズ交換可能な一眼レフだから。
撮影に臨む行為は、35mmフルサイズの本格一眼レフの操作感そのもの。
もちろん40年も前のカメラですから、近年の35mm一眼レフとは機能が全く異なりますが、露出を合わせ、ファインダーを覗き、ピントを合わせるといった基本的な手順は同じです。
それを、手の中にすっぽり入るミニチュアサイズの躯体で行うという行為が、とても愛らしい感じにさせられるのです。
けなげだけど、しっかり者。
小さいけど、意外にやり手。
そんな心憎いカメラなのです。

手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)

2009-01-19 22:36:41 | PEN-FT-奈良
東大寺 大仏殿の東側、手向山麓に位置する手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)。
そのお宮の前には校倉作りの神宝殿が建っています。
去年の11月終わり、その神宝殿を背景に、見事に色付いた紅葉が目に眩しく、シャッターを切りました。
朝日を受けてきらめく楓の葉は、透き通るような紅色がとても美しく感じました。
古都 奈良の、色鮮やかな秋の風景に見入ってしまった瞬間でした。

いろはのれん Vol.2

2009-01-17 16:35:09 | AUTO HALF-東京
のれんをくぐって、お店のウィンドウディスプレイを覗いていると、どこからともなく念仏の声が……。
のれんの向こう側を見ると、参道に向かってひとりの僧侶が托鉢を行っていました。
藍で染められたのれんの向こうに佇む、僧侶の袈裟の色も合わせたように藍色で、東京下町の元旦に出会った印象的な風景でした。
ダウンジャケットを着込んだ通行人の服装を見ても分かる通り、厳しく冷え込んだ朝だったからでしょうか、僧侶の足元をよく見ると、草鞋(わらじ)ではなく、足に優しそうなスニーカーです。
そうです。
修行とはいえ、真冬の屋外に一日中立ち通しなのですから、現代の僧侶はこれでイイんです。

いろはのれん

2009-01-16 22:12:44 | AUTO HALF-東京
オートハーフはレンズ手前2.5mの固定焦点。
明るい光の中であれば1mから∞までピントが合う仕様ですが、やはり規定の固定焦点距離内に被写体が入れば、このようにピントぴったり、クリアに写ります。
東京 門前仲町 深川不動堂(ふかがわふどうどう)。
お堂へ向かう参道で、かるたのような、湯呑茶碗のようなお店ののれんが面白く感じられ、シャッターを切りました。
「い、ろ、は、…」。それぞれの言葉を頭にして、周りを取り囲む文を読んでみれば、笑えるような笑えないような。
江戸っ子の洒落っ気と批判精神が染め抜かれたのれんは、何度見ても見飽きることがありません。

RICOH AUTO HALF (リコー オートハーフ) Vol.2

2009-01-14 22:22:04 | RICHO AUTO HARF
オートハーフの魅力は、ロスレスな撮影スタイルにあります。
通常、シャッターを押す前には、ピントを合わせ、露出を決定し、アングルを決めて、という一連の思考動作が必要になります。
しかし、このオートハーフの場合、“今撮りたい!”と思ったら、即座にシャッターを押すだけ。
「AUTO」を冠するその名の通り、ピントも露出も合わせる必要がありません。
「Take it easy」な操作感は、まさにデジカメ感覚。
明るい場所では光がさす様を、暗がりの場所ではその場の雰囲気を、それぞれ味のある色合いで写してくれます。
セレンを使った露出計では、もちろん完璧に光をコントロールできる訳ではないので、中にはハズレ写真も出てくるのですが、そこは通常の倍の枚数が撮れるハーフならではのご愛敬。
撮影した写真画像をその目で見れるまで、デジカメでは考えられないほど、果てしない時間がかかるのも、ワクワクできる一つの楽しみでもあります。

浮見堂(うきみどう)

2009-01-12 22:26:46 | PEN-FT-奈良
東京と奈良の空気感。
その大きな違いを見て取れるでしょうか。
かつての都と現在の都。
同じ都の風景の中で、最も異なるのは、その時間の流れ。
朝靄に霞む浮見堂と、そこへかかる欄干には、東京とは全く違う速度を持った時が流れています。
ここには、金融の荒波も、リストラも、定額給付金もありません。
あるのは、ずっと変わらない、穏やかな時間だけです。