1/2の時間 : half time

「奈良」「京都」「東京」。時代を移し、栄えた日本の都の懐かしい表情を、個性豊かな三つのハーフサイズカメラで写し取ります。

光のひと

2009-04-27 22:26:17 | OLYMPUS PEN-FT
写真の実験です。
PEN FTが闇の色をどのように表現できるのか。
いつものように、外に出掛けようと玄関に向かうと、ドアに対面する壁に、唐突に浮かびあがった光のシルエット。
ドアの覗き穴から偶然入り込んだ夕日の射光が、レンズ面に干渉しながら不思議な模様を作り出していました。
それは、極当たり前に“人”という文字に見えました。
虹色に輝く光のひと。
とても興味深い現象でしたが、射光の角度の関係でしょうか、ものの数分で、光のひとはスゥッと消えてなくなりました。

霧の浮見堂

2009-04-24 23:08:43 | PEN-FT-奈良
きれいな風景に出会いました。
奈良公園 浮見堂。
昨年秋に訪れた早朝のことです。
まるでミルクに薄めたような朝靄が立ち込める中、鷺池に淡く浮かぶ八角堂の立ち姿は、本当に夢のようでした。
白い霧は、目の前の景色を浄化してくれます。
水面に浮かぶ小さなゴミや、空気中の汚れたチリなど、一切存在しない理想郷のような風景を見せてくれます。
空も水面も白く染まった空中に、スッと浮かんだ端正なお堂の姿は、正にその名の通り、浮見堂です。

法隆寺東院西脇門

2009-04-20 22:58:37 | PEN-FT-奈良
法隆寺東院西脇門。
場所も被写体も、それ以上でもそれ以下でもない、写真の説明はこれに尽きているとは思いますが、付け加えるならばこの板目。
まるで虎革を張り付けたような、迫力のある門の板の目を良く見れば、門の中心から左右対称になっているのではないでしょうか。
まるでロールシャッハテストのように、鏡像となった不思議な模様のせいでしょうか、流れるような縦縞の不規則柄を見て、しばらく無言のまま立ちすくんでいました。

柳花笠(ヤナギハナガサ)

2009-04-16 22:34:08 | PEN-FT-奈良
奈良 斑鳩の里、法輪寺の門前。
駐車場の脇の地面に、ちらちらと薄紫の色が視界に入ってきました。
見下ろすと、それはそれは小さな野花が点々と咲いていました。
名前も知らずにフィルムに収め、現像したあと改めてその名を調べたら、柳花笠(ヤナギハナガサ)。
まるく集まった小花の様子が、花笠に似ているところから命名されたとのことですが、確かにこの愛らしさは花笠のようです。
    ↓
花笠(山形花笠音頭おどり用)

ならまち茶房 心樹庵(しんじゅあん)

2009-04-12 15:54:59 | DIAL 35-奈良
キャノン ダイヤル35のクラシックな外観は、ならまち界隈のレトロな空気とぴったりきます。
というのは、僕の単なる思い込みなのですが、そう思ってしまうような素敵な風景が、ならまちのそこかしこに潜んでいるのです。
ならまち庚申堂の近く、中国/日本茶の専門店、「心樹庵(しんじゅあん)」の店先では、思わず目に留まる“茶”の看板。
どことなく「エッヘン」という感じの木製看板は、一目見たら忘れられません。
お茶の専門店らしいエントランスの演出は、その出来、100点満点です。