1/2の時間 : half time

「奈良」「京都」「東京」。時代を移し、栄えた日本の都の懐かしい表情を、個性豊かな三つのハーフサイズカメラで写し取ります。

神楽坂(かぐらざか)

2009-03-29 14:42:15 | PEN-FT-東京
東京 神楽坂(かぐらざか)といえば、石畳。
飯田橋から神楽坂通りを上って行けば、右に左に様々な横丁があります。
写真は、兵庫横丁(ひょうごよこちょう)の石畳。
扇型に並べられた石畳が目印のこの通りは、神楽坂では最も古いのだそうです。
生垣から顔を出した椿の紅色が、打ち水された石畳の濃いグレーに映えています。
よく見れば、石の目地に椿の花びらが散っていて、神楽坂の粋な風情が、より濃く目に映ります。

布袋様

2009-03-26 23:00:49 | PEN-FT-奈良
奈良 法起寺へと向かう途中に見かけた、土塀の角を守る布袋様。
そのおめでたい表情にやられて、シャッターを押しました。
でっぷりとした太鼓腹。重そうに垂れた大きな福耳。
トレードマークの布袋(ぬのぶくろ)を担いで満面の笑みを湛える、幸せ感いっぱいの風情は、周りの人たちをもハッピーな気持ちにさせてくれます。
もちろん、型による成型で焼かれた量産の瓦なのですが、つまりは、その原型師の腕が優れていたということ。
フィギュアも瓦も、やっぱり原型が命なのです。

花やしき

2009-03-23 22:38:40 | AUTO HALF-東京
オートハーフを片手に浅草をぶらぶら。
朝、花やしきの近くを通ると、開園前の静かな時間の中、シンボル塔のBeeタワーが青空にぽっかり。
レトロな空間はレトロなカメラで撮ると、想像通りのレトロな仕上がり。
いかにも味のある絵になりました。
見れば見るほど、なんだかセットみたいに思えてきます。

鳥居のマーク

2009-03-20 14:58:25 | PEN-FT-奈良
とある路地裏。
奥へと続く民家の壁伝いに目をやると、町中でよくみかけるあの鳥居のマーク。
路地が作り出す、影の空間に浮かびあがる足元の「天」の文字に、不思議なオーラを感じました。
小野瀬順一氏著「日本のかたち縁起」によれば、鳥居のデザインにも系統があり、この鳥居マークはといえば“明神鳥居(みょうじんとりい)”。
小さいながらも、左右に広がる反りの形や、末広がりの柱などが見て取れるこのカタチは、たしかに明神系。
なぜこちらを選んだのか、その理由はもちろん不明なままですが。
     ↓
鳥居 - Wikipedia

チロリアンランプ

2009-03-17 22:40:28 | PEN-FT-奈良
冬のある朝、ならまち散策の途中、とある家の塀につるを絡ませて咲くチロリアンランプに目が止まりました。
ヨーロッパのチロル地方を訪れたことはないので、どの部分がチロリアンなのか分かりませんが、赤く吊り下がるぽっこりとした花のフォルムは、確かにランプの形。
釣りの浮きに似ていることから、日本名では「浮釣木(うきつりぼく)」と呼ばれているそうです。
そう言われればどちらにも似ているのですが、やっぱりランプのほうが楽しそう。
ホタルが間違って花の中に入って光ったりしたら…、なんて想像の方が楽しいに決まっています。

東大寺 二月堂

2009-03-13 18:57:32 | PEN-FT-奈良
毎年三月、奈良の恒例行事 お水取り。
その舞台となっているのが、この二月堂。
お水取りの期間中、辺りが暗くなる頃にはもう黒山の人だかり。
写真のような、シンとした空気は微塵もありません。
炎と人々の歓声で周囲は満たされ、もうそこまで来た春を笑顔で待ち望みます。
火と水の祭りが終われば、二月堂の朝は、静かないつもの時間に戻ります。

法隆寺の三毛猫

2009-03-09 12:31:22 | PEN-FT-奈良
法隆寺の境内を散策していると、どこからともなく猫の声が。
見れば、境内をねぐらにしているらしい三毛猫が一匹。
自分に対して愛想を振りまく人間達の行動には目もくれず、マイペースであちこち散歩をしていました。
生垣へと向かうところを、サッと先回りして、向こう側からカメラを構えていると、こちらをひと睨みした瞬間、ピヤッっと飛んで視界から消えていきました。
なかなかのツラ構えだった顔も写せませんでしたが、その堂に入った大きな態度は、しっかり記憶に残りました。

楓 一葉

2009-03-07 23:29:50 | PEN-FT-奈良
楓 一葉。
去年の秋、奈良公園の浮見堂で撮りました。
霧が立ち込める朝の浮見堂は、どのアングルを切り取っても絵になるよう。
靄の向こうに見えるお堂へと、欄干を渡ろうとしたその時、「パサッ。」と近くで音が。
つられてそちらの方を見てみると、朝露でその色を更に濃くさせた楓の葉が一枚、欄干のたもとに落ちでいました。
偶然が演出するシチュエーションは、時に、どのように手の込んだ演出をも超える美しい光景を作り出します。
誰も見ていなければ、ただの出来事。
そこに美を発見できるのは、生き物の中で人間だけです。

珈琲サニー

2009-03-04 22:45:11 | DIAL 35-東京
今日の一枚は、なかなか味のある写真。
浅草 浅草寺の西、初音小路への入り口にある 珈琲サニーです。
撮影したのは朝なのですが、このあたりはいつでも少し薄暗く、外壁には蛍光灯が灯っています。
そのせいなのか分かりませんが、フィルムに写しこまれたのは、こんな薄いグリーンの色調。
洋風の木枠窓といい、窓に張られた“DRINK COFFEE”のポスターといい、ここが本当に2009年の東京なのだろうかと思えるほどレトロスペクティブ。
昭和30年代のレトロなハーフカメラで撮ったからこその色かもしれません。

ならまち 樫舎(かしや)

2009-03-01 14:36:18 | PEN-FT-奈良
ならまちを散策していると、上街道沿いにある和菓子屋さんのウィンドウディスプレイに目が止まりました。
和菓子屋「樫舎(かしや)」の店先に並べてあったのは、餅米と和三盆糖の蜜だけを使ったお煎餅“小種(こだね)”。
真っ白な煎餅の真ん中に、銀杏や楓の愛らしい焼印が。
斜めに差し込む朝日を受けて、その白さがますます純白に見え、思わずシャッターをパチリ。
口に入れたときの、その触感までも伝わってきそうです。
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樫舎の和菓子(商品のご紹介)|和菓子の樫舎[かしや]