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日本語が亡びるとき-英語の世紀の中で・・・  産経抄 八葉蓮華

2008-12-10 | 産経抄(コラム)
日本語が亡びるとき-英語の世紀の中で・・・  産経抄 八葉蓮華
 テレビのワイドショーを見ていると、ノーベル賞の受賞記念講演は、物理学賞を受賞した益川敏英さんだけがスピーチしたような騒ぎぶりだった。ユニークな言動と人柄が人気を呼んでいるのだろうが、反骨精神もなかなかのものだ。 ▼講演冒頭で「アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ(私は英語がしゃべれません)」とやって、後は日本語で通した。ノーベル賞受賞者の日本語での講演は、作家の川端康成さん以来、40年ぶりだそうで、英語嫌いに快哉(かいさい)を叫ばせた。 ▼「英語なんてしゃべれなくてもノーベル賞はとれる」と居酒屋でおだを上げたお父さんは全国で何万人いたことだろう。家に帰ると「じゃあ、あんた何か特技はあるの」と家人にやりこめられたかもしれないが。 ▼残念ながらみんなが、益川さんのようになれるわけではない。インターネットの普及で、英語はますます世界語になった。外資系でなくても、社内で英語が飛び交う職場が増え、NHKもアニメの犬まで使って英会話教材を売ろうとする時代だ。 ▼今夏、小欄でも紹介した水村美苗さんの『日本語が亡びるとき-英語の世紀の中で』が単行本になったので読み返してみた。英語が普遍語になった今、「英語以外の〈国語〉は『文学の終わり』を迎える可能性が本当に出てきた」と刺激的だ。 ▼では、日本語が生きのびるにはどうすればいいのか。水村さんは、英語で世界に発信できるエリートを育てるとともに、「日本人は何よりもまず日本語ができるようになるべきである」との大前提を学校教育の場で徹底させよ、と主張している。まったく同感だ。政治や経済だけでなく、日本語もかつてない危機にさらされていることをわれわれは自覚せねばなるまい。


産経抄 産経新聞 12/10

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