kouheiのへそ曲がり日記

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『母』

2005-11-20 11:20:00 | 日記
ゲオルク・ジンメルは、キリスト教の理想とする社会と共産主義が理想とする社会とが、実は同じものであることを看破した。

小林多喜二の母は、その証人のようなものである。
彼女は、あの親孝行で誠実で心優しい多喜二が愛した党だから間違いあるまいと、共産党に入党した。

だが同時に彼女は、自分の葬式はキリスト教方式で執り行ってもらいたいと希望した。

多喜二の母にとっては、どちらも貧乏人の幸せを真剣に考えてくれるという点で違いはなかったのである。

近頃、若者の右傾化が目立っているが、それはわが国の若者がダメになってきている証拠と言えよう。

若いうちは共産主義の理想に燃え、歳をとるごとに、その限界が見えてきて、しだいに保守主義へと傾いていく、それが健全な人間の道筋なのである。

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