吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国旅の風景 三十二

2006年05月25日 12時49分20秒 | Weblog
韓国旅の風景  三十二

 国宝と重文
 ソウルの国立博物館(景福宮…キョンブククン)はほかの慶州、光州、公州、扶余など四都市に分室があって、それぞれ国宝(クッポウ)宝物(ホンムル)などの管理をしている。
 宝物は日本での重文に該当する呼称である。
 景福宮には建物に国宝が三ケ所ある。なかでも五層塔は日本のと異なって下部層から上層に向かって屋根が小さくなっている。博物館としての歴史は扶余のほうがわずかであるが一年早い開館となった。
 それぞれの博物館には所蔵品の特徴もあって、光州博物館では李氏朝鮮王朝時代の絵画の蒐集品が豊富である。扶余では仏像の所蔵が多く、百濟仏の特徴をしらべるにはもってこいの博物館である。
 かって中国との貿易船が台風などで沈没した海域の新安沖(韓国南西部)での引上げ作業が始まって、日本の早稲田大学も協力している。
 私設美術館としてソウル城北洞の澗松美術館には高麗象嵌青磁雲鶴文梅瓶(国宝)があって国宝中の一級として有名である。
 ソウル支庁前広場の西側にある徳寿宮(トクスクン)美術館には三百点もの朝鮮絵画を所蔵していて、常時、作品展示を行っている。
 私がはじめてハングル文字の墨書に感動したのもこの美術館だった。
 ハングル文字はその特殊な幾何的線からして毛筆はしないと思っていたのでその時の感動はひとしおであった。
 韓国全土の国宝指定は、二百余点に達し、宝物は六百六十点の指定になっている。