吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国旅の風景 二十六

2006年05月18日 08時40分30秒 | Weblog
韓国旅の風景  二十六

 田舎家
…Yさん、今日のお昼は田舎でやりましょう…
…田舎って!今日の予定は午前中は国立博物館ですが…
…それ終わって間に合いますよ、十二時に南大門、セロナのバス停留所で待ってます…
 友人のKさんから早朝、ホテルにそんな電話が入った。
 彼はとても几帳面な男で私がホテルにチェックインした後、必ず電話を寄越す。
 無事に手続きをすませたかどうか、そんな細かいことまで気配りするのだ。
 南大門の道路の反対側に田舎屋があった。
 入り口に大きな水車が水を受けて回転していて、戸を開けるとそばで子豚が鉄棒に通してゆっくり回転して美味しそうな飴色に焦げがはいっている。
 なんのことはない、田舎料理を看板の店だった。
 店内の造作は窯場にある農家と全く同じで広いオンドル部屋、格子もようの障子、白壁、屋根裏は藁葺き、大きいキムチ甕が二十数点もならんでいる。
 赤いチマと黄色のチョゴリ姿の娘(アガシ)が広い机の上に運んできた料理皿を並べ始めた。
 たちまち十三、四皿もの料理が並んだ。それだけではない、追加に十数皿もの料理が運ばれた。
 いつか行った賞味料亭より皿数がはるかに多い。
 キムチはカクテギ、トラジ、白菜、アサリ貝キムチ漬け、チョンガーキムチ、モヤシキムチ、海老とウリ油炒め、ワタリ蟹唐辛子漬け、メンタイコ、小海老佃煮、ワカメ酢和え、ホーレンソウ、コチュジャン、チヂミ、プルコギ、蔘鶏湯、ビビンパブ、グルビ佃煮(イシモチ)ニンニクみそ漬け、エンドウマメ、などなど、まるで利益はどこえやら、皿数を自慢する店だ。
 麦御飯がくるとみそ汁、ノリ、焼き小魚がついてくる。ざっと数えて全部で二十四皿だった。