メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

答練:LEC択一ハイレベル編

2004-09-08 23:40:20 | 司法試験:答練
 択一答練の比較については既に書きました。今回はLECハイレベルの感想を詳しく述べます。

 内容のことは色々叩かれます。まずはそれを置いておいて、いいところをあげていきましょう。

 第一に、受講形態がフレキシブルであるという利点があります。朝、昼、晩と3回行われる本校もあります。これを利用して、2001年度などは、朝から辰巳で日曜答練を受けつつ、講義終了後LECへ直行して夜9時過ぎまで勉強する、という密度の濃いスケジュールをこなしていました。 これは時間を有効活用できてよかった。

 第二に、レジュメが2色ずりで読みやすい。しかも択一座談会というベテラン受験生と初学者の足のひっぱりあい・ひがみあいのような問題検討コーナーもあって適当な試験後の息抜きになるのも見逃せません。

 第三に、もっとも強調しておきたいのは、条件によって受講料がタダになる、ということです。この制度を使って、私は3年連続タダで答練が受けられました。浮いたお金で、他の良い講義を受講できました。

 さて、ここまではLECはいいことずくめのような気がするのですが、ただ1つの欠点は、内容が信用できない、ということです。今年は1,2問去年は3,4問没問が生じて「ごめんなさい」の講座割引券が配られました。しかもその後F択でもミスがあって、目も当てられない状況でした。

 ですから、予備校のミスに怒り心頭になり、その後の答練が安心して受けられない!というようなタイプの方にはLECはおすすめできません。
 特に、なにを信じていいかわからない初学者には百害あって一理なし、といえるでしょう(合推が全予備校中もっとも高いことも一因です)。

 と、LEC答練の内容の雑さ、質の悪さを批判するのは、至極全うな意見だといえます。
 しかし、翻って考えるに、本番では必ず良問が出されるのでしょうか?普段勉強してきたことがそのまま出るオーソドックスな出題でしょうか?  意味がわからない、或いはでたらめに難しい問題でペースを乱されるのは毎年予想されます。だから、LECの悪問で本試験の危機管理の練習をやるのです。

 さらに、択一合格常連者にとって一番恐ろしいのは己の慢心です。択一チキンレースなどといって、4月を過ぎてもろくに択一対策せず、結果一点差で落ちたりすれば、目も当てられません。その意味で、LECの変チクリンな問題を受けて合推を割ったり、30点台をとったりして、択一の恐怖を毎年思い出させる、という点でLECのハイレベルはうってつけといえます。


 このように、LECハイレベルは変則的な答練の活用を考えている方、或いは「答練なんて何でもいいわ」と投げやりな方にぴったりです。逆に択一を克服したい人が、その安さや便利さから他の答練を蹴ってまで受講するのは絶対に止めましょう。

講師:LEC岩崎茂雄講師

2004-09-08 21:56:36 | 司法試験:講師
 入門・論基礎と高野講師のお世話になっていた私ですが、刑訴だけは高野講師が選択していなかったので、岩崎講師の授業を受けました。その後も、択一早起き特訓や、本試験徹底解析講座など、単発の講義で何度か先生の授業を受けたことがあります。

 岩崎先生はその語り口が多くの受験生にとって聞きづらいからでしょうか、信者より、アンチの方が多いです。とくに高野講師から流れてきた受講生からは「授業が不親切」「わかりにくい」と不満が挙がります。
 特に論基礎の講義では高野講師と大きく違って、入門の復習は一切やらず、代わりに問題集を重点的に検討してゆくスタイルをとっていました。しかも、受講生に山のような予習を要求しました。私の受講した年に相当数のクレームが挙がったようで、なんと岩崎講師がそれについて説明した郵便を各受講生に送ったくらいです。

 その手紙を読んでみたのですが、岩崎講師は本当に論基礎受講だけで、本試験を戦えるだけの力を受験生につけさせようとしている、ということがわかりました。そのため、必死で勉強する人を相手にした授業をしていて、それについていけない人は仕方ない、との意見でした。

 かなり厳しいようですが、私はその後答練で四苦八苦するようになって、先生の言うことが正しいと感じられるようになりました。
 「所詮3%しか受からない試験なのだから、本当に合格する為の力を2年そこそこでつけるにはスパルタ式でないとだめ」というのはよくわかる気がします。確かに高野式では脱落はしなかったものの、実力は付かなかった。

 また、私のサイトにもリンクを張ってありますが、岩崎講師は文章を書かせると、あの弁舌がウソのように流暢に説明してくれます。
 他の予備校講師と違って、避けたりごまかしたりせず、本試験ではどういうことをすべきで、そのための勉強はどのようにすべきか、キチンとご自分の持論を展開してくださいます。


 でもやっぱり、あのしゃべりは合わない。何度居眠りしたことか。

テキスト:択一式受験六法(自由国民社)

2004-09-08 10:39:05 | 司法試験:テキスト
 初めて択一を受けた2000年、そのころ択一対策本で定評のあった択一式受験六法を買いました。

 しかし、この本は私にとっては非常に相性が悪かったです。
 まず、3段組のレイアウトが読みにくい。しかも、どこに何が書いてあるか、わかりにくくて知りたいところを調べにくい。1ヶ月ほど使って止めました。

 次の年は、LECの完択を使ったのですが、これがメチャメチャつかいやすい! プロヴィ主体だった私には、レジュメ形式の完択がよかったようです。
 ただ、内容はプロヴィを択一用に編集しただけなので、常にプロヴィ・C-BOOKを傍らに置いている人はあえて買う必要はないでしょう。

 余談になりますが、2000年は択一式受験六法の大改訂の年で、民法の発売が2月に延期されました。それを知って私は「だったら択一の民法対策は2月からにして、その分憲刑をやっておこう」とかんがえました。

 これがどれくらいアホか、択一を受験した人ならわかりますね。そのころ「民法は得点源にすべき」という合格者のアドバイスを聞いて私は「民法は簡単なのか」と勘違いしていました。
 実際には民法は事前の準備に一番手間がかかり、難しいが、その日の問題、体調によって点数が上下しないから「得点源」になりうる、という意味でのアドバイスなのに。