メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

答練:LEC論文公開模試

2004-12-09 11:07:43 | 司法試験:答練
辰巳と同様、LECも公開模試を開催しています。こちらも、1回目はオリジナル問題(新作)、2回目は学者出題の問題です。

 私が受講したのが、00年01年02年なので、いまは変わっているかもしれません。
 しかし当時は学者パートの問題が「酷い」の一言でした。学者さんが考えるから、見落としがちな視点から斬新な問題がでるのかと期待していたのに、出てきたのは「独立行政委員会」「ポリグラフ検査」など、典型そのままが多かったです。
 しかも、黙秘権の3小問で、小問1を答えると小問3で書くことがなくなる、という明らかに構成不足の問題などもあり、質が最低でした。同じ辰巳の第二回とは雲泥の差です。

 その代わり、第一回の出題はわりといい問題が多かったように思います。ただし、LECお得意の多論点ですが。
 ちなみに、添削にまったく期待できないのはこちらも同様です。

答練:辰巳論文公開模試

2004-12-09 10:59:32 | 司法試験:答練
 7月上旬に行われる、辰巳の最後の答練です。全二回で第一回が辰巳オリジナル問題、第二回が教授出題の新作問題です。
 このうち、第一回は過去の辰巳の答練の使いまわしなので、頻繁に辰巳を使っていた人は参加しないほうがいいです。

 断然お勧めするのは、第二回のほうです。本試験並みとはいかなくても、学者の考えた良問が出題され、しかも答練とは違う学者が考えた「検討する2問」という予想問題までついてきます(充実しています。欠点といえば、内容ゆえに結構高いことくらいでしょうか)。
難易度はローラーと日練の中間くらいです。本試験の1週間前に添削なしコースが同様のスケジュールで行われるので、予行演習にうってつけです。ここで、一年の論文の総括を行い、反省点を一週間後の試験までに調整していきましょう。

 なお「添削がないから不安だ」と思われる方、ご安心ください。この超直前期の添削はもはや書き殴りのスカスカ、ほぼ読んでいない添削がほとんどです。この時期の添削者は、大多数が去年の口述に落ちた受験生です。彼らも受験する以上この時期は忙しいからでしょう。適当な指摘にいちいち反応していては、混乱してきます。また、図らずも悪い点をつけられでもしたら、精神的に疲れている直前期に参ってしまいます。できれば添削付は回避してください。

答練:辰巳論文予想答練

2004-12-07 09:50:19 | 司法試験:答練
 辰巳の論予はスケジュールその他の利便性と量ではLECにかないません。しかも料金もLECより割高な場合が多いでしょう。 私の場合、朝はLECで早起き特訓を受けていたので、それから論予を受けるにはいちいち移動が必要でした。自習室が少ない場合もあり、答練前後の予習復習を辰巳で出来ず、答練「だけ」を受けに行かなければならないという問題点もありました。

 それにも関わらず、あえて02年は辰巳の答練を受講しに行ったのは、割引制度があったのと、LECのファイナルに飽きてきたというのがあります。
 辰巳の場合、総択優秀者割引がありますが、それ以外にもその年の通常答練で成績優秀だと30%の割引が与えられます。これらは併用できるので、全て使うと定価の半額程度まで下がります。(なお、この30%割引は成績によって上下するのかどうか、は不明です。また、その要件も分かりません。去年は私が総合成績優秀者になっていたのが理由と思いますが、02年はよくわかりません。優答にでも載ったのでしょうか?)
 また、LECにファイナルには、スケジュールが豊富な分、受験生がバラけてしまい、答練が閑散として気迫に欠ける、という現象がありました。これではやる気が減退するので、環境を変えてみよう、と思い立ったわけです。

 このようなことから辰巳の答練を受講したわけですが、正直、割引がなければ受講しなかっただろうな、とも思います。利便性や量でLECに劣るのだから、あとは内容で勝負する必要があります。しかし、02年では挑戦的な問題が多かったものの、解答例の出来があまりよくなく、結局「この問題に関する合格答案、ってどんなの?」というものが分かりにくくなってしまっていました(皮肉なことに、優答がその答えを出している問題もあり)。もっとも、毎年このような問題になるとは限りません。02年の合格者が、01年は辰巳答練の問題の焼き直し的な問題が多く、オーソドックス過ぎて危機管理の練習にならなかった、とこぼしていました。辰巳の論予は前年の合格者が作成しているので、その年毎に色々傾向が変わるようです。受けてみないと特長が分からない、という問題があるようです。
 その点、LECは毎年論点特盛のコテコテです。「なんか、答案が少ないな、、」と思うと、必ず2,3の余計な論点が解答例には紹介されています。「4ページ書かないと26はつかない」とLECでは思っておいて結構です。

 なお、優答分析講義というのが論予にはあるようです。しかし、実施後かなり経ってから4回まとめて行うので、スケジュールの都合から受講したことがありません。こういう講義は講師の良し悪しによって全く効果が違うので、合わないと思ったらちゅうちょ無く帰りましょう。

答練:LECファイナル答練 

2004-12-05 00:17:11 | 司法試験:答練
 直前期には、もう書き込みをしなくなると思いますので、この辺で直前期関係の書評をしておきます。

 今回はLECのファイナル答練です。ファイナル答練については、択一初受験の00年から、01年、03年と受講しました。
 最大の利点は、実施される本校が多いことと、スケジュールが多様なことです。直前期には全く時間が足りなくなります。そのため、通学にかかる時間を少しでも軽減したくなるのです。とはいえ、通信は緊張感が無いので私は敬遠していました。そのため、自宅からもっとも近く、時間の都合もつきやすいLECをよく選んでいました。
 ついでに言うと、前々回紹介した早起き特訓のあとに受けられる答練という点からすれば、おのずと同じLECにせざるを得なかった、という経緯もあります。

 他校の答練は各科目全4回48問なのですが、LECだけは全5回60問も受けられます。しかも、各種割引がたくさんあるので、4大予備校のなかで最も安い答練になる場合があります。内容についても、セミナーに次ぐ的中率(このことには私は全く関心ありませんが)、豊富な論点、オプション問題に各種の付録などあり、充実しています。
 ただ、論点を網羅しようとやたら多論点型問題がでるので、変なクセがつかないように注意する必要があります。解答例の出来も良くない事も(総じて長い)。
 もっとも、内容面は他の予備校もとりたててよいとはいえないので、五十歩百歩でしょうか。
 また、個人的印象かもしれませんが、優秀答案の出来が辰巳よりも悪いと感じました。しかも、この優答がB5サイズ冊子にヨコに90°回転し縮小コピーされて渡されます。これをB5サイズの縦にコピーするのは非常に手間取り、ぶち投げたくなります。優答を多用する方はストレスがたまりまくるので、止めときましょう。

 LECファイナルの最大の特徴といえば、スーパーパックでした。
 これは、択一合格者かつファイナルを申し込んでいない受験生を対象に6月下旬にDMが届けられ、そこには「答練全60問のレジュメ+添削請求権(10~20・年により異なる)をパッケージにして9900円で発売する」というお知らせをする掟破りのダンピング攻勢のことです。知らずに正規の料金を払った知人はみな怒っていました。

 しかし、私はあまり損した感じにはなりませんでした。なぜなら、答練は時間を設定して実際に書き、5・6月にペースメーカーとして使うことにこそ意義があり、超直前期にそんなものをまとめて送られてもさばききれないからです。実際、気分転換に辰巳の論予を受講していた02年に購入しましたが、結局半分も使えませんでした。これだけで直前期の答練に代替しようとするのは、やや横着です。なにより、このような不安な時期にさらに勉強対象を増やそうとするLECの教育的配慮の無さにため息がでます。 

 もっとも、今年はファイナルを取らなかったにも関わらず、スーパーパックのはがきは来ませんでした。もうLECもがむしゃらに合格者占有率を上げることはやめたのでしょうか。

 次回は、辰巳論予です。

答練:ATTACK60 プレ短答オープン 

2004-11-21 14:26:23 | 司法試験:答練
 さて、長らく教材関係の更新が滞り、申し訳ありません。久々に教材のご紹介を。

 今日は、来月12日に開催される、LECの択一模試、アタック60のご紹介です。

 以前、LECのハイレベル編については、かなり特殊な答練である、と紹介しました。しかし、アタック60に関しては、ここ2,3年は安定して堅実な問題が出題されています。オーソドックスで、辰巳の模試をイメージしてもらって結構です。
 受講料は無料です。あまり早くから択一に本腰を入れていない人でも、とりあえず受講すればいいのではないでしょうか。資料収集目的でも意味はあります。なお、通信はありませんが、後日WEB上での自己採点コースが開講されます。こちらも、必要事項を記入すれば無料です。ただ、受講と成績に応じてなされる割引がありません。

 なお、この割引の有効な使い方を1つ。

 LECはここ数年、ハイレベル編については、合格すれば受講料を返金する、という制度を設けています。ハイレベル編を申し込み、なおかつ合格する気概のある人は、あえて割引を使う必要はありません(リスクヘッジしたいのなら止めませんが)。それよりも、全択ファイナル編を受講予定のある人は、この講座を割引を利用して申し込みましょう。意外と知られていないのですが、ハイレベル編が返金されても、全択ファイナルは返金されません。これで全16回の模試が無料になります。

 さらに、辰巳のプレ短答オープンも総択に次いで、良い出来であることが多いです。無料なので、時間が許す限り受けましょう。両予備校とも、この無料模試が受講の重要な検討材料になることを自覚してか、かなり力が入った作問をしているようです。

 「いまから択一しなくても、、」という方、確かに択一合格常連の方には、知識的にはあまり新たな効果はないかも知れません。しかし、この時期に母集団の多い模試で自分がどれほどの位置に現在いるのか、ということを知っておくことは、来年の合格を確実にするために、有意義である、と思います。
合格すれすれもしくは未経験の方も、危機意識があるほうが勉強できるタイプなら是非受講しましょう。

答練:日曜答練(+講義)

2004-09-11 16:37:11 | 司法試験:答練
 辰巳法律研究所の看板答練。各科目の中堅以上の学者を招いて、出題と解説を担当していただくのが特徴です。出題数はローラーの半分で全48問、「日曜」という名前にかかわらず、月曜火曜もやっています。

 受けたことのない受験生は、普通の答練に飽き足らなくなったベテラン受験生が「頭の体操」的に受けるマニアックな答練だと誤解するようです。

 しかし、そこまでマニアックではありません。学者にもよりますが、一応その年の本試験で出題の可能性のある論点・判例を中心に出題されますので、他の予備校答練と同じような問題(例えば商法でいえば、財産引受の追認、定款による代理人制限、白地手形など)も多いです。
 また、一時期見られたような、学者が自説の正当性を主張したいがために、あえて通説では不都合が生じるような事例を問題にするいわゆる「答練の私物化」は減少傾向にあります。
 さらに、11年の憲法2、13年の民訴1など、問題がズバリ的中する場合もあり、予想問題として優れていることもあります(もっとも、私自身は的中予想に懐疑的ですのでその点はアテにしませんでした)。

 もっとも、残念ながら「なんじゃこら」という問題もあります。昨年度でいえば手形・総則分野から出題された「番頭の無権限振り出し」、民法担保物権で出題された「根抵当権の一部譲渡」等があります(これらは最高点26・受験生はほぼ壊滅状態・優答は実質なしという明らかに出題を誤った問題でした)。
 また、初見の問題を作ろうとして、わざと改正直後の制度を聞くだけの問題を出したり、あまり練られていない問題も出題されます。こういう問題の検討は、司法試験的には百害あって一利なしです。

 ただ、10%弱でしょうか、今まで典型として気に求めなかったかんたんな論点の意外な利用法や、一瞬問題点がわからないけれども、順序だてて考えれば、基本事項に沿った応用的論点が見えてくるような「良問」が出題されます。これらのためだけに、日練は受講する意味があるといい得るでしょう。
 したがって、普通の答練をやり尽くし、予習さえすれば全科目平均50点をキープできるような方にはおすすめします。が、それ以外の方は普通の答練を受けましょう。くれぐれも、全問コピーしてストックなどしないように。不安要素が増えるだけです。

 なお、隠れた日練の活用法として、論証の精錬があります。上述したように、日練といえど典型論点が出題される訳ですが、その際には優答がどのような論証を書いてくるかに注意して自分の論証例と比較するのです。日練の成績優秀者は間違いなく受験界では実力上位の方です。したがってその彼らが書く論証はおそらく受験生の中ではトップレベルの優れた論証であることが多いのです。その論証からは盗むべき表現方法がたくさんあります。


 では、学者の講義は役立つでしょうか。
 これも、玉石混交ですね。バイト感覚でレジュメ棒読みのやる気なしもいれば、熱弁を振るってくださり、感銘を受ける先生もいらっしゃいます。 
 参考までに挙げておくと、商法の大塚先生、宮島先生刑訴の白鳥先生、上口先生、憲法の渋谷先生、矢島先生、刑法の前田・木村先生の講義などは「なるほど!」と関心させられることしきりでした。
 ただ、ハズレだった場合90分+αも座って話を聞くのは時間がもったいないので、できればテープで通学途中など空いた時間に聞くことをおすすめします。 


 蛇足になりますが、付属の過去問検討講義にはあまり期待しないほうが良いです。学者がなぜかイヤイヤやっていて、論点の解説に終始する場合が殆どですから。

答練:辰巳ローラー答案練習会

2004-09-10 09:54:28 | 司法試験:答練
 ローラー答練はLECのA型答練、早稲田の論文講座、伊藤塾の公開答練(?)と並んで、辰巳の最大級の論文答練です。
 「ローラー」とは重要論点をローラー作戦で網羅的に潰す、という意味ですが、問題自体は論点詰め込み型だけではありません。深い思考力を要するような問題もあります。

 他の予備校答練との大きな違いは、問題作成者が全員現役の弁護士で、しかも作成者が直々に講義をしてくださる点です。これにより、出題の意図がよくわかって、ライヴ講義の場合には質問することもできます。

 ただ、裏を返せば、作問が一人の弁護士に任されるために、彼らの司法試験観によって問題の難易度、傾向が大きく変化するという特徴もあります。
 特に、加藤・貞友・中島・上田先生あたりはかなり挑戦的な問題を作られる場合があります。(若手の弁護士は発言権が小さいのか、オーソドックスな「余り」の論点を使った問題しか作られません)加藤先生・貞友先生はいずれ別個に書かせていただきます。

 この「弁護士によって、問題の傾向や質が大きく異なること」がローラーの最大の特徴です。私はこういうペースを乱されるような問題傾向は好きだったので、ローラーは過去3回受けました。

 また、前年度のローラー答練とかぶる論点は出題されにくい傾向があるので、網羅的に潰したい方は前年度のローラー答練問題集を買えば、学習効果が高まるでしょう。

 レジュメの質や受講生のレベル、費用などは他の予備校と大差ありません。やや安いほうでしょうか。受講者数はおそらく1,2番目ではないでしょうか。正確な数字はわかりませんが、受講者は各回平均1000人前後です。

 なお、辰巳の答練で一番良いところは実施後1週間で答案が返ってくる点です(論予を除く)。期日をしっかり守ってくれるので、復習の予定が非常に立てやすいです。

 こんなところでしょうか。日曜答練についてはまた今度。

答練:LEC択一ハイレベル編

2004-09-08 23:40:20 | 司法試験:答練
 択一答練の比較については既に書きました。今回はLECハイレベルの感想を詳しく述べます。

 内容のことは色々叩かれます。まずはそれを置いておいて、いいところをあげていきましょう。

 第一に、受講形態がフレキシブルであるという利点があります。朝、昼、晩と3回行われる本校もあります。これを利用して、2001年度などは、朝から辰巳で日曜答練を受けつつ、講義終了後LECへ直行して夜9時過ぎまで勉強する、という密度の濃いスケジュールをこなしていました。 これは時間を有効活用できてよかった。

 第二に、レジュメが2色ずりで読みやすい。しかも択一座談会というベテラン受験生と初学者の足のひっぱりあい・ひがみあいのような問題検討コーナーもあって適当な試験後の息抜きになるのも見逃せません。

 第三に、もっとも強調しておきたいのは、条件によって受講料がタダになる、ということです。この制度を使って、私は3年連続タダで答練が受けられました。浮いたお金で、他の良い講義を受講できました。

 さて、ここまではLECはいいことずくめのような気がするのですが、ただ1つの欠点は、内容が信用できない、ということです。今年は1,2問去年は3,4問没問が生じて「ごめんなさい」の講座割引券が配られました。しかもその後F択でもミスがあって、目も当てられない状況でした。

 ですから、予備校のミスに怒り心頭になり、その後の答練が安心して受けられない!というようなタイプの方にはLECはおすすめできません。
 特に、なにを信じていいかわからない初学者には百害あって一理なし、といえるでしょう(合推が全予備校中もっとも高いことも一因です)。

 と、LEC答練の内容の雑さ、質の悪さを批判するのは、至極全うな意見だといえます。
 しかし、翻って考えるに、本番では必ず良問が出されるのでしょうか?普段勉強してきたことがそのまま出るオーソドックスな出題でしょうか?  意味がわからない、或いはでたらめに難しい問題でペースを乱されるのは毎年予想されます。だから、LECの悪問で本試験の危機管理の練習をやるのです。

 さらに、択一合格常連者にとって一番恐ろしいのは己の慢心です。択一チキンレースなどといって、4月を過ぎてもろくに択一対策せず、結果一点差で落ちたりすれば、目も当てられません。その意味で、LECの変チクリンな問題を受けて合推を割ったり、30点台をとったりして、択一の恐怖を毎年思い出させる、という点でLECのハイレベルはうってつけといえます。


 このように、LECハイレベルは変則的な答練の活用を考えている方、或いは「答練なんて何でもいいわ」と投げやりな方にぴったりです。逆に択一を克服したい人が、その安さや便利さから他の答練を蹴ってまで受講するのは絶対に止めましょう。

答練:択一模試 各予備校徹底比較(LEC・セミナー・辰巳)

2004-09-07 11:55:52 | 司法試験:答練
 勉強1年目から問題演習中心だった私は、年明けからの択一模試は、LECハイレベル・セミナー択一実践コース・辰巳短答オープンと主要なものは一通り受けました。

 ただ、最近2年はセミナー・辰巳は資料として数回分を解いているだけですから、全回出席のLECよりリサーチは甘いことをご了承ください。

 よく「どこが一番いいのか」という議論がされていますが、これはその年の予備校スタッフの個性に結構左右されるので、その年になるまでわからない、というのが答えです。ただ、各予備校で傾向はあります。

 まず、辰巳が一番良くも悪くもオーソドックスです。難度が一定していて、出題ミスは少ないです。択一に苦手意識がある合格経験者や、未合格者の方は辰巳の手堅い模試を受けるのがいいと思います。

 次に、早稲田セミナーは4,5年前は一番人気があったのですが、最近は質の低下がひどかったです。判例の解説にある細かい知識を個数で聞いたり、穴埋めを全部しなくても解けたり(本試験のように頭を使って省略するのでなく、前から埋めていっても解けるのです)、あまりいい印象がないです。

 さらに、LECは合格したら返金してくれたり、連続合格者はタダだったり、費用の面でやさしいですが、難易度が無駄に高いことがあります。やたら穴埋めさせたり、個数を連発したり、初学者の方は手を出さないほうがいいでしょう。(ハイレベルに関しては4年連続で受けているので、また今度詳しく書きます)

 結論を言うと、安定感、難易度の点で 辰巳>セミナー>LECとなります。択一に全く自信がない人は辰巳にしたほうがいいでしょう。 ただ、論文模試ほど、各予備校に差があるわけではないですから、交通の便を考えて自分に無理なく通える方を優先しましょう。

 なお、個人的には択一模試は通信なら受ける必要は全くないと思います。3時間半教室にこもって、他の受験生との緊張感の下で時間管理能力をつけるために模試を受けるのですから、自宅でタラタラ解くのは意味ないです。会場受験できないなら、市販の問題集で十分です。択一の予備校問題は論文と違って、焼き直しが殆どですから。
 

講座:LEC C型答練

2004-09-07 00:58:40 | 司法試験:答練
 LECの入門講座にパックでついてきた、初級者用答練です。各回1問の基本問題を前週に予習させた上で書かせるという非常にやさしい形式になっています。おそらく、論文に対する「とっつきやすさ」を印象付ける目的なのでしょう。

 しかし、後々、各予備校の主要答練や予想答練を受ける段階になると「あの頃は、なんてかったるい勉強をしていたのか」と気付かされます。ブロック丸出しの出題はまるで実戦的ではないのです。

 とはいえ、初期段階から論文に触れるということは非常に重要だと思います。その意味で「論文らしきものを何通か書いた」という既成事実ができるという点のみにおいてC答練の意味があったといえるでしょう。ただ、これは自分ひとりでも十分可能な作業です。勉強になる、という意味では自分で「読みやすいな」と判断した優秀答案を写経するほうがよっぽどよいです。

 C答練が悪い、ということをいいたかったのではありません。この時期の答練としてはこういう内容にするしかないのでしょう。私はこの手のベーシックな答練は学習効果が小さいのかな、と考えているに過ぎません。「どうしても、強制されないと答案が書けない」という人以外はあえて(お金を払って)受講する必要はないのではないでしょうか。