メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

雑談:集中力の維持

2004-09-11 17:48:54 | 司法試験:雑談
 受験生にとって、講座や教材の良し悪しよりも、はるかに重要な問題は「いかに毎日集中して長時間勉強できるか」だと思います。

 ごく一部の人を除いて「机に座ったら即座に頭がフル回転して時間も忘れて勉強に没頭できる」というのは夢でしょう。たまにガイダンスを聞いたあとでそういう気分になって、珍しく勉強がはかどっても、次の日には居眠りをしてしまう。そういう経験ありませんか?

 または「頭がフリーズして何をやっても全然進まない」という日がありませんか?私の場合10日周期でありますよ。

 法律の勉強は抽象性が高い部分が多いし、英語などと違って深い思考が必要とされる学問だから、どうしても一定以上の「集中タイム」の確保が必要になってきます。そのためには自発的に「よし!この問題点を理解するぞ!」という意欲が必要になるのですが、それが全然湧いてこないときは皆さんどうしてるのでしょうか。 

 授業を聞くなど、嫌な状況を「我慢する」のは割と長時間耐えられます。しかし、自発的に難しい問題や退屈な要件を理解しようと「意欲する」のはすごく難しいです。

 私の場合、心がけていることは「朝の早起き」と「勉強する環境に出向く」ことです。
 朝、2度寝すると頭がだらけてしまって、もうその一日はダラペースで進行します。だから、少々眠くても朝はロケットスタートを心がけています。
 また、どうしても自宅では誘惑が多くて集中力の維持が困難です。予備校の自習室など、勉強のできる環境に身をおくことでペースの維持が保てます。
 ただ、これらはいずれも体に負担が掛かることです。睡眠不足や偏食をしていると定期的に風邪をひいてしまいます。

 皆さんは、どうやって勉強のペースをつかんでいるのでしょうか。

答練:日曜答練(+講義)

2004-09-11 16:37:11 | 司法試験:答練
 辰巳法律研究所の看板答練。各科目の中堅以上の学者を招いて、出題と解説を担当していただくのが特徴です。出題数はローラーの半分で全48問、「日曜」という名前にかかわらず、月曜火曜もやっています。

 受けたことのない受験生は、普通の答練に飽き足らなくなったベテラン受験生が「頭の体操」的に受けるマニアックな答練だと誤解するようです。

 しかし、そこまでマニアックではありません。学者にもよりますが、一応その年の本試験で出題の可能性のある論点・判例を中心に出題されますので、他の予備校答練と同じような問題(例えば商法でいえば、財産引受の追認、定款による代理人制限、白地手形など)も多いです。
 また、一時期見られたような、学者が自説の正当性を主張したいがために、あえて通説では不都合が生じるような事例を問題にするいわゆる「答練の私物化」は減少傾向にあります。
 さらに、11年の憲法2、13年の民訴1など、問題がズバリ的中する場合もあり、予想問題として優れていることもあります(もっとも、私自身は的中予想に懐疑的ですのでその点はアテにしませんでした)。

 もっとも、残念ながら「なんじゃこら」という問題もあります。昨年度でいえば手形・総則分野から出題された「番頭の無権限振り出し」、民法担保物権で出題された「根抵当権の一部譲渡」等があります(これらは最高点26・受験生はほぼ壊滅状態・優答は実質なしという明らかに出題を誤った問題でした)。
 また、初見の問題を作ろうとして、わざと改正直後の制度を聞くだけの問題を出したり、あまり練られていない問題も出題されます。こういう問題の検討は、司法試験的には百害あって一利なしです。

 ただ、10%弱でしょうか、今まで典型として気に求めなかったかんたんな論点の意外な利用法や、一瞬問題点がわからないけれども、順序だてて考えれば、基本事項に沿った応用的論点が見えてくるような「良問」が出題されます。これらのためだけに、日練は受講する意味があるといい得るでしょう。
 したがって、普通の答練をやり尽くし、予習さえすれば全科目平均50点をキープできるような方にはおすすめします。が、それ以外の方は普通の答練を受けましょう。くれぐれも、全問コピーしてストックなどしないように。不安要素が増えるだけです。

 なお、隠れた日練の活用法として、論証の精錬があります。上述したように、日練といえど典型論点が出題される訳ですが、その際には優答がどのような論証を書いてくるかに注意して自分の論証例と比較するのです。日練の成績優秀者は間違いなく受験界では実力上位の方です。したがってその彼らが書く論証はおそらく受験生の中ではトップレベルの優れた論証であることが多いのです。その論証からは盗むべき表現方法がたくさんあります。


 では、学者の講義は役立つでしょうか。
 これも、玉石混交ですね。バイト感覚でレジュメ棒読みのやる気なしもいれば、熱弁を振るってくださり、感銘を受ける先生もいらっしゃいます。 
 参考までに挙げておくと、商法の大塚先生、宮島先生刑訴の白鳥先生、上口先生、憲法の渋谷先生、矢島先生、刑法の前田・木村先生の講義などは「なるほど!」と関心させられることしきりでした。
 ただ、ハズレだった場合90分+αも座って話を聞くのは時間がもったいないので、できればテープで通学途中など空いた時間に聞くことをおすすめします。 


 蛇足になりますが、付属の過去問検討講義にはあまり期待しないほうが良いです。学者がなぜかイヤイヤやっていて、論点の解説に終始する場合が殆どですから。