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メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

講座:LEC 択一直前早起き特訓

2004-12-01 17:17:09 | 司法試験:講座
 先日紹介した論文早起きの択一版です。2001年度の受講で、論文と違う点は、問題がLECオリジナル問題であること、講師が専任講師の柴田・反町・岩崎だったことです。

 論文早起きと違って、択一早起きはそれほど効果を感じませんでした。まあ、択一の問題自体が深い検討を要しない問題が多いという特性を持っているから、ということもあるのでしょう。ペースメーカーとしては早起きできるので、よいと思います。とはいえ、4月の直前期にやる気が出ないことはあまりありません。強制の契機という点でも、時期的に論文早起きより効果が薄いのかな、とも思います。

 直前早起きはアタック60の割引が利くはずです。F択を受けないひとは無料分受講してもいいのではないでしょうか。なお、問題は過去のハイレベルからほぼ出題されていました。既に模試や泉で演習している人には時間の無駄になりかねませんので、注意してください。(本年度がどうなるか、私は知りません。気になる方は、パンフレットや問合せで各本校にお尋ねください。

講座:LEC 論文直前早起き特訓

2004-11-30 09:43:22 | 司法試験:講座
 LECの隠れた名講座、論文直前早起き特訓です。3年前までは論文早起き特訓として、1~3月にも開講されていたのですが、人数が集まらなかったのでしょうか、最近は5月から6月の直前期のみとなっています。この講座は、朝早起きして、論文過去問を1問書き、それについての30分の解説講義を聞く、というスタイルになっています。早起き時間については、本校によってまちまちですが、7:30~9:00の間におおよそ始まります。要するに、答練+解説の講座なのですが、すばらしい点が3つあります。

 まず、択一後、合格発表前のだらけがちな時期に、強制的に早起きするきっかけになることで勉強のペースが維持できる、ということです。前に「集中力の維持」という記事でも書きましたが、寝坊すると、頭がしっかり働かなくなり、どうしてもだらだらしてしまいます。その点、論文早起きを受けていると、択一発表まで寝る前に悶々としていても、強制的に朝8時から答練があるために、イヤでもしっかりとした勉強が出来ます。これによって、夕方6時までに8時間の勉強量を確保でき、そのまま帰宅して家族と一緒に夕食を取る、といった人並みの生活を営むことも(時には)可能です。

 次に、択一後で勘の鈍った頭に論文過去問、という本試験レベルの問題をぶつけることで、答案のコツや、勘を呼び戻す、という効果もあります(商法はなんと択一本試験翌々日に始まる)。思った以上に答案が書けず、「もっと頑張らないと」という発奮材料になります。

 さらに、講師の質が高い、という特質も重要な要素です。何度か受講していますが、この講座の合格者講師によって、答案の書き方を学んだ部分は多いです。
 特に参考になった講義を挙げておきますと、00年の新井講師の商法によって、一行問題の書き方がマスターでき、同年憲法の方による対立利益をキーワードとして挙げる方法はその後もしっかりと役立っています。01年は特に当たり年で、憲法の岳井講師によって、さらに答案作成技法に磨きがかかり、刑訴の武井講師は、厳しいながらも、刑訴の最高到達点を垣間見せてくださいました。さらに、現在もLecの講師でいらっしゃる(?)ヒゲの河村講師の刑法は分かりやすくためになる講義だった。このころの早起きによって、私の答案作成スタイルは基礎が出来上がったといえます。上記の先生方には深く感謝いたします。

 近年は、もう答案作成の技法は身についていたので、講義を聴いて「目からウロコ」というものはあまり無かったですが、それでも講義の質は保たれていると思います。(去年だったか「私は合格して早起き特訓の講師をするのが夢でした」と言う憲法の講師がいました。予想どうりの気合の入った講義+レジュメで、これは本当に受けて良かった)
 ただ、おおむね憲法+刑事系の講師に気合が入っているのに対して、民事系(特に民法)の講義が「かすんで」いるのが気に掛かります。おそらく、憲法+刑事系が答案のコツというものをつかめば、あまり知識無くとも良い答案が書けるのに対して、民事系は地道な知識の蓄積、積み上げが必要だから、という科目の特性があるからでしょう。今年の民法・民訴法は良かったのですが、商法はかなり、やっつけ仕事的な印象を受けました。そういう講義に当たった時は心底がっかりしました。
 また、朝から講義を30分も聴くのはもったいないので、私は、答案を書き上げるとすぐ自習室に行っていました。講義は自己採点が終わって、昼食中或いはその後、眠くなる倦怠期に欠席フォローでテープを聞いていました。

 ついでに、関東はどうか知りませんが、関西は受講生が少ないです。連帯感のようなものがうまれるので、受講生同士友達になりやすいですよ。

 LECに限らず、他校も早起き特訓は実施しているようです。講義の質は知りませんが、早起き効果は同じなので興味のある方は受講を検討してはいかがでしょうか。

講座:合格答案分析講座 辰巳法律研究所

2004-11-12 17:06:39 | 司法試験:講座
 平成14年度に受講しました。その当時は辰巳の中村弁護士と中尾弁護士が担当していました。他の再現分析講義と違い、1科目3時間かけるので、論点の解説や採点ポイントなど、かなり詳しく教えてくださいました。合格者の答案5通とA答案・C答案が掲載されていて、平均レベルとそれ以上を分けるポイントを示してくれます。いろんな意味で「手堅い」講義でした。もっとも、受講料もそれなりに高かった記憶があります。

 平成15年度は割引制度があったこともあり、「A答案・G答案徹底比較講義」というものを受講しました。これは、荒木弁護士と、論文2回合格の合格者二名とが、AとGとを分ける基準のようなものを1科目10通程度の答案を見ながら呈示していきます。これは、論点の解説は殆どしないのですが、かなり役立ちました。さすが2回合格は違う、と感心したものです。
 もっとも、この種の講義は予習しないと意味がありません。私が実践していたのは、こういう予習でした。答案の評価欄をポストイットで隠し、自分で評価を書き込みます。そして、講師の講義を聴きながら、講師が指摘したポイントと自分のポイントがあっていたか、ずれていた場合、それは妥当な判断か、予想評価と実際の成績が合致したか、をチェックします。
 これは頭も使うしかなりめんどくさいので、一日2科目が限度でした。しかし、これで、合格答案のイメージが完成したと思っています。

 なお、今年の辰巳の講義は、AG答案のスタッフが合格答案分析講義を担当するようです。興味をもたれた方はご一考ください。ただし、荒木講師はかなり答案スタイルのくせが強いタイプですので、自分の中でよく消化してから意見を受け入れましょう。

講座:合格者講義の選び方

2004-09-21 18:34:33 | 司法試験:講座
 先に論文式受験六法について解説いたしましたので、ここで合格者講義の選び方をちょっと気が早いですが、ご説明いたします。

 合格者は当然ですが、法律の講義に関しては素人です。したがって、講義の技術的な巧拙はあまり重視しない方がいいでしょう。解らないところは講義後に質問しましょう。その意味でライブで受講するのができれば望ましいと思われます。
 一般的に講義を受けるような合格者は塾講師か「教え魔」である可能性が高いです。講義の内容に関わらず、受験全般のことに関しても、こちらが丁寧にたずねれば倍にして返してくれます。また、合格した人と生で触れ合えることで大変な刺激になります。 講義がイマイチそうでも、やる気がありそうな合格者だったら、質問専用として受講してもいいかもしれません。受講生が少なければ少ないほど独占できます。

 講義がヘタでも、レジュメのサンプルをチェックしましょう。出来がいいものはそれだけで受ける価値があるかもしれません。直近の合格者の方法論は、予備校講師や本では入手できない貴重な情報です。

 さらに、合格者の中には、講師経験が豊富なのか、予備校の専任講師顔負けの名講義をされる方もおられます。彼らは長年の経験でくたびれた弁護士先生と違い、やる気にあふれています。こういう講義はやはり聞かなければ意味がありません。

 とはいえ、辰巳・セミナー・伊藤塾と合格者講義は数多くあり、やみくもに受講していては時間も費用も無駄になってしまいます。そこで、ガイダンスのテープを入手して、通勤通学の時間にチェックしましょう。
 なお、年明け早々からガイダンスにわざわざ出席する人もいますが、役立つかどうか解らない講義に貴重な時間を割く必要はありません。よっぽど勉強にやる気がでない人以外は、少々費用が掛かってもガイダンステープを入手しましょう。聞き終わったら即ヤフオクで売れば、出費も押さえられるかもしれません。

講座:論文式受験六法(2000年度版)辰巳法律研究所

2004-09-21 18:14:49 | 司法試験:講座
 毎年恒例の辰巳合格者講義シリーズの内、基幹講座的役割を果たしている講義です。講義の内容は、各科目の答案作成法、ポイント、定義趣旨要件効果、論証例などのサブノート的教材を使って、各項目を説明していく形式でした。

 現在のスタイルがどうなのかわかりませんが,2000年度(99年合格者の講義)の講義では、レジュメは各科目の講師の手作りでした。したがって、出来の良し悪しが各科目の講師の質にかなり影響されます。講義時間は各科目12時間で行うので、当然はじかれる箇所はあります。網羅的に解説しようとする科目もありましたが、必然的にレジュメ棒読みの退屈なものになりました。

 当時わたしは初受験で、論文の書き方も解らず不安を感じていました。この講義の憲民刑を担当されていた「表宏機」さんという方の講義はすばらしかった。とてもやさしい語り口で、長くなりがちな論証を「たったこれだけで表現できるのか」という短いものを呈示してくださり、その後の論証例を作る際の参考になりました。また、特に憲刑に関しては答案の書き方の鉄則を定型化してくださって、それ以後公法系の科目は得意になりました。公法系で安定してAが取れるようになったのは彼のおかげだと思っています。

 憲民刑に気を良くした私は、その後商訴も購入しましたがこれはあまり効果がなかった。憲民刑のように、総論として講師のポリシーを述べ、その後具体的検討に入るのではなく、各論点についてそれなりの解説を述べるに過ぎないので、まとめ講義としての意味しかありませんでした。
 特に商法はひどかった。キャリア職の風格ある女性講師なのですが、ただレジュメを棒読みするだけで全く面白くない。前にも言った通り、私は知識インプットとして講義を使わないので、これは時間の無駄と感じ、途中で聞くのを止めました。

 おそらく、論文式受験六法に関しては「表講師」のような人は珍しい例であって、大多数は各科目のまとめ講義なのだろうと思われます。その意味で、積極的に講義から何か新しいものを会得しよう、と考える方には、あまりおすすめできる講義ではないのかもしれません。 
 ただ、講義の内容・質は講師によって大きく変化します。今から通信講義で受講を検討される方は、予め辰巳に講義形態やレジュメの内容などを問い合わせた方がいいでしょう。全科目受講すれば10万円ちかくなりますので。

 なお、いくつか合格者講義を受講した経験からいえるのですが、講義時間や量の少ない講義は料金が安いですが,効果もそれなりだと考えてもらって結構だと思います。
 複雑な法律の解釈を丁寧に教えようとすると、ある程度の時間がかかります。また、法律には例外が多くあるので,答案の作成技術もひとことふたことでは説明しきれないからです。

 ただし、例外として、答案の再現検討講義は使いようによっては短い講義でも高い効果が得られます。ただし、この場合、受講生自身がある程度答案の良し悪しを判断できる能力を備えている必要があります。

講座:憲法判例百選スピードマスター(棟居快行) 辰巳法律研究所

2004-09-17 00:16:41 | 司法試験:講座
 成城大学教授の棟居快行(むねすえとしゆき)先生が、百選を解説してくださる講義でした。確か2001年頃の講義で、全12時間あったと思います。

 大学教授なので、試験上のポイントや論証例などは説明しません。代わりに、各判例の争点を一言で書いたレジュメを使って、その答えが判旨のどこに現れているのかを解説していきます。全ての判例に触れられることはなく、重要なものを2,30詳しく、あとは流す程度でした。
 網羅的に百選の事案と争点を、講義だけでマスターできる!と期待して買ったひとはガックリしたと思います。

 しかし、私にとってこの講義は聞いてよかった。棟居先生は説明が非常にくだけていて(悪く言えば下品なのでしょうか)、憲法という高尚な科目の説明を非常に卑近な例を用いて紹介してくださいました。また、かなりニヒリストなのも棟居先生の特徴です。それまで、憲法というものに対して何か胡散臭さを感じていた私は、目からウロコが落ちた思いでした。
 人権・平和一辺倒でなく、一歩引いた目で個人の尊厳や統治システムを眺める先生の姿勢に感銘をうけ、講義後先生のLIVE過去問講義を読んで、私は憲法が好きになりました。

 好きになると、少し勉強が楽になるので、それから憲法は得意科目となりました。先生の講義の内容をエッセンスだけ言うと「最高裁判例を優秀答案として、どのように事例を解決しているか、を見ろ」「事案から、争点を抽出した上でその答えを判旨から探せ」だったと思います。

 なお、棟居先生は辰巳の加藤晋介先生の親友らしいですが、その思考というか、いうことがそっくりでした。テンションの上がらない加藤先生といった感じでしょうか。毒舌ぶりもすごいです。抽象的権利の説明に、当時話題だった乙武君を例に出して、教室がドッ引きになったのはかなり衝撃的でした。先生も直後に謝りましたが。

 興味のある方は「憲法フィールドノート」も読んでみてください。どういう人権が現実に問題になって、訴訟で取り上げられるまでどういう経過を辿るか、というジャーナリズム的アプローチがなされていて、おもしろいですよ。
 


講座:論文合格特訓講座(沢井講師)

2004-09-13 01:46:40 | 司法試験:講座
 ひたすら問題検討をする講座です。問題集を独学で解いて、編集して、という作業を講師の助力を得て行うものと考えておけばいいでしょう。2001年の沢井講師の講義では、計144問+関連過去問を検討しました。驚くべきことに、その年の場屋取引、記憶喪失による2号書面の適否などがズバリあたりました。

 解答例の質は他の予備校のものと比べてもやや良いものが多かったです(優答付き)。辰巳の解答例は総じて正確かつ丁寧です(その分表現がカタいことも)。

 沢井講師の説明は良かったといえるか、と言われれば良かったと答えますが、勉強になるか、と言われれば肯定できません。
 こちら側が期待するのは、差がつく表現例や論点のバランス、痛いミスの指摘なのですが、そういう指摘はあったりなかったりでした。

 沢井講師はエレファントカシマシの宮本(たとえが古くてすいません)のような喋りで、「この答案がいかに優れているか、この論点がいかに難しいか」を説明する時には自分でどんどんヒートアップしていくのです。それを聞いていると「ああ、この人本当に法律好きなんだな」と一種ほほえましい感情が湧いてきます。そうすると、私は嫌いな法律がちょっとだけ好きになります。

 私は、講義というものは知識のインプット素材としては見ておらず、一時のカンフル剤のようなものとして捉えています。昨日の書き込みと重なりますが、講義を聴いて自分のやる気を奮いたたせるために使うことを想定しています。
 そういう意味で、沢井講師の講義は法律に興味を持たせるためにはよい効果がありました。ただ、言っていることは支離滅裂のことがあるので、知識のインプットとしてはあまり役に立ちませんでした。

 なお、現在は沢井講師ではなく、柳沢講師という判例重視の方が行っているそうです。この方の講義は聴いた事がないので、他の方の評を参考にしてください。(受講した方は、よろしければ感想をお聞かせください)。

 総括すると、論特の教材は手に入れる価値はありますが、講義は人によっては必要ないと思われます。
 また、教材は辰巳の論予、日練の過去問を素材にしてありますので、予想答練をストックしている方は必要ありません。

講座:LEC論文基礎力完成講座(高野講師・現伊藤塾)

2004-09-07 23:18:33 | 司法試験:講座
 入門講座を受けてからすぐ、論基礎を受講しました。この講座はプロヴィを補充しつつ、専用の問題集を使って論文試験の演習をする講座です。

 この当時は論文の恐ろしさなど知らずに、呑気に授業をうけていたのですが、幸いというか、なんというか講義もゆっくりでした。入門の復習が主体でしたから、予習なしに受講していたのです。 講師のやさしさにあぐらをかいていた者がいうのも滑稽ですが、もう少し厳しくてもいいんじゃないですか?

 その後、私はやりたい仕事があったため、一旦受験勉強を中断して、1年後から論基礎のテープを聞き始めました。リハビリが必要な私の頭にやさしい高野講師の授業でしたが、司法試験短期合格という観点からはこの講義はやさしすぎました。そのツケを半年後のローラー答練から払わされる羽目なりました。自業自得ですが。

 加えて、当時のプロヴィデンス問題集と過去問徹底解析の答案例の質の悪さも後々わかってきました。論証の体をなしていない、いわゆる評論文が多く混じっていました。
 私は、問題と解答をファイルして自分自身の問題集をつくっているのですが、そのファイルは常に融合と代謝を繰り返しています。そこには論文の森は何問かあっても、プロヴィ問題集は民法以外ありません。

 もう5年以上前の講義なのでもちろん内容の改善はなされているとは思います。しかし、40万円以上払った分の価値は感じられなかったのが率直な感想です。

講座:LEC司法試験入門講座(高野講師・現伊藤塾) 講義編

2004-09-06 00:17:07 | 司法試験:講座
 -「おじさん、このあんぱんちょうだい」 「あいよ」(民法より) 

 90年代の後半に、当時文学部の3年だった私はLECの入門講座を受講することを決めました。理由は通学途中にあるのが当時LECだけだったのと、高野講師の語り口がききやすかったからです。

 この講座は当時30万円以上しましたが(C答練込み)、その価値はあったと思います。普通に読んだだけでは全く興味の湧かない法律について、講師が具体例を交えて丁寧に解説してくれたからです。

 ただ、民法の後半及び訴訟法の領域に入るとかなり早足な進行になり、説明はよどみないのですが、頭には全く残らないという、印象の薄い授業になりました。別名「高野超特急」といわれるように、高野先生は後半時間不足になる癖があるようです。そのせいにしてはいけませんが、各科目の後半部分には苦手意識が生じました。

 LECに限らず、予備校の授業ではあえて説明しづらい箇所は意図的に避ける場合が多く見受けられます。これは商品としての講義の「見栄え」を考えればしょうがないことなのかも知れませんが、後々、受験生に見透かされるのですから、何とかして欲しいところです。