メメント・モリ

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問題集:分析と展開・基礎演習民法

2004-09-24 22:52:20 | 司法試験:問題集
 14,15年と民法が足を引っ張ったので、今年の民法対策としてこの二冊を選びました。

 まず、分析と展開の方は、割と見馴れた問題が多く、とりたてて新たにストックするような問題は見当たりませんでした。債務不履行責任の拡大のように、論点を解説するためだけの事例もあり、あえて検討の必要がない問題もあります。 
 なお、Ⅱについては今年改訂がなされました。債権総論を中心に新しい問題が収録されていますが、将来債権の譲渡など良くある問題ですので、取り立ててこの問題集を求める必要はありません。 
 大部分は予備校の予想問題に引用されているので、いまやこの本を読むことで大きなアドバンテージは得られないのではないでしょうか。


 次に、基礎演習民法の方は、分析と展開よりも、事例の応用性が高く、頭をひねる問題が多いです。50問前後でボリュームもかなりあります。全然基礎じゃありません。ただ、明大平野教授の問題ほどは難しくないです(あれは細かすぎとの意見もありますが)。 解説がかなりあっさりの部分もありますので、知識のインプットとしては使えません。あくまで事例に対する法律構成を参考にする本と位置付けましょう。

 結論を言うと、どちらも中上級者向けの本ですが、解くべき問題がなくもてあましている方以外には私はおすすめしません。 こういうものより先に、民法なら貞友ライブや伊藤ライブなどの過去問をしっかり検討することをおすすめします。

 なお、典型でない民法問題をお探しの方には、受験新法の誌上答練Bコースを(やや)おすすめします。バックナンバーを大学図書館などで探し、該当箇所をコピーして解きまくりましょう。大阪ですと、西長堀の市立図書館にあります(カウンター請求のこと、ハイローヤーもあり)。 但し、こちらにも解答例はありません。解説を読んで答案を想起できないと意味ありません。