メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

講座:合格者講義の選び方

2004-09-21 18:34:33 | 司法試験:講座
 先に論文式受験六法について解説いたしましたので、ここで合格者講義の選び方をちょっと気が早いですが、ご説明いたします。

 合格者は当然ですが、法律の講義に関しては素人です。したがって、講義の技術的な巧拙はあまり重視しない方がいいでしょう。解らないところは講義後に質問しましょう。その意味でライブで受講するのができれば望ましいと思われます。
 一般的に講義を受けるような合格者は塾講師か「教え魔」である可能性が高いです。講義の内容に関わらず、受験全般のことに関しても、こちらが丁寧にたずねれば倍にして返してくれます。また、合格した人と生で触れ合えることで大変な刺激になります。 講義がイマイチそうでも、やる気がありそうな合格者だったら、質問専用として受講してもいいかもしれません。受講生が少なければ少ないほど独占できます。

 講義がヘタでも、レジュメのサンプルをチェックしましょう。出来がいいものはそれだけで受ける価値があるかもしれません。直近の合格者の方法論は、予備校講師や本では入手できない貴重な情報です。

 さらに、合格者の中には、講師経験が豊富なのか、予備校の専任講師顔負けの名講義をされる方もおられます。彼らは長年の経験でくたびれた弁護士先生と違い、やる気にあふれています。こういう講義はやはり聞かなければ意味がありません。

 とはいえ、辰巳・セミナー・伊藤塾と合格者講義は数多くあり、やみくもに受講していては時間も費用も無駄になってしまいます。そこで、ガイダンスのテープを入手して、通勤通学の時間にチェックしましょう。
 なお、年明け早々からガイダンスにわざわざ出席する人もいますが、役立つかどうか解らない講義に貴重な時間を割く必要はありません。よっぽど勉強にやる気がでない人以外は、少々費用が掛かってもガイダンステープを入手しましょう。聞き終わったら即ヤフオクで売れば、出費も押さえられるかもしれません。

講座:論文式受験六法(2000年度版)辰巳法律研究所

2004-09-21 18:14:49 | 司法試験:講座
 毎年恒例の辰巳合格者講義シリーズの内、基幹講座的役割を果たしている講義です。講義の内容は、各科目の答案作成法、ポイント、定義趣旨要件効果、論証例などのサブノート的教材を使って、各項目を説明していく形式でした。

 現在のスタイルがどうなのかわかりませんが,2000年度(99年合格者の講義)の講義では、レジュメは各科目の講師の手作りでした。したがって、出来の良し悪しが各科目の講師の質にかなり影響されます。講義時間は各科目12時間で行うので、当然はじかれる箇所はあります。網羅的に解説しようとする科目もありましたが、必然的にレジュメ棒読みの退屈なものになりました。

 当時わたしは初受験で、論文の書き方も解らず不安を感じていました。この講義の憲民刑を担当されていた「表宏機」さんという方の講義はすばらしかった。とてもやさしい語り口で、長くなりがちな論証を「たったこれだけで表現できるのか」という短いものを呈示してくださり、その後の論証例を作る際の参考になりました。また、特に憲刑に関しては答案の書き方の鉄則を定型化してくださって、それ以後公法系の科目は得意になりました。公法系で安定してAが取れるようになったのは彼のおかげだと思っています。

 憲民刑に気を良くした私は、その後商訴も購入しましたがこれはあまり効果がなかった。憲民刑のように、総論として講師のポリシーを述べ、その後具体的検討に入るのではなく、各論点についてそれなりの解説を述べるに過ぎないので、まとめ講義としての意味しかありませんでした。
 特に商法はひどかった。キャリア職の風格ある女性講師なのですが、ただレジュメを棒読みするだけで全く面白くない。前にも言った通り、私は知識インプットとして講義を使わないので、これは時間の無駄と感じ、途中で聞くのを止めました。

 おそらく、論文式受験六法に関しては「表講師」のような人は珍しい例であって、大多数は各科目のまとめ講義なのだろうと思われます。その意味で、積極的に講義から何か新しいものを会得しよう、と考える方には、あまりおすすめできる講義ではないのかもしれません。 
 ただ、講義の内容・質は講師によって大きく変化します。今から通信講義で受講を検討される方は、予め辰巳に講義形態やレジュメの内容などを問い合わせた方がいいでしょう。全科目受講すれば10万円ちかくなりますので。

 なお、いくつか合格者講義を受講した経験からいえるのですが、講義時間や量の少ない講義は料金が安いですが,効果もそれなりだと考えてもらって結構だと思います。
 複雑な法律の解釈を丁寧に教えようとすると、ある程度の時間がかかります。また、法律には例外が多くあるので,答案の作成技術もひとことふたことでは説明しきれないからです。

 ただし、例外として、答案の再現検討講義は使いようによっては短い講義でも高い効果が得られます。ただし、この場合、受講生自身がある程度答案の良し悪しを判断できる能力を備えている必要があります。