メメント・モリ

このブログでは司法試験関連の受験日記・講座・書評について色々掲載していきたいと思います。

講座:論文合格特訓講座(沢井講師)

2004-09-13 01:46:40 | 司法試験:講座
 ひたすら問題検討をする講座です。問題集を独学で解いて、編集して、という作業を講師の助力を得て行うものと考えておけばいいでしょう。2001年の沢井講師の講義では、計144問+関連過去問を検討しました。驚くべきことに、その年の場屋取引、記憶喪失による2号書面の適否などがズバリあたりました。

 解答例の質は他の予備校のものと比べてもやや良いものが多かったです(優答付き)。辰巳の解答例は総じて正確かつ丁寧です(その分表現がカタいことも)。

 沢井講師の説明は良かったといえるか、と言われれば良かったと答えますが、勉強になるか、と言われれば肯定できません。
 こちら側が期待するのは、差がつく表現例や論点のバランス、痛いミスの指摘なのですが、そういう指摘はあったりなかったりでした。

 沢井講師はエレファントカシマシの宮本(たとえが古くてすいません)のような喋りで、「この答案がいかに優れているか、この論点がいかに難しいか」を説明する時には自分でどんどんヒートアップしていくのです。それを聞いていると「ああ、この人本当に法律好きなんだな」と一種ほほえましい感情が湧いてきます。そうすると、私は嫌いな法律がちょっとだけ好きになります。

 私は、講義というものは知識のインプット素材としては見ておらず、一時のカンフル剤のようなものとして捉えています。昨日の書き込みと重なりますが、講義を聴いて自分のやる気を奮いたたせるために使うことを想定しています。
 そういう意味で、沢井講師の講義は法律に興味を持たせるためにはよい効果がありました。ただ、言っていることは支離滅裂のことがあるので、知識のインプットとしてはあまり役に立ちませんでした。

 なお、現在は沢井講師ではなく、柳沢講師という判例重視の方が行っているそうです。この方の講義は聴いた事がないので、他の方の評を参考にしてください。(受講した方は、よろしければ感想をお聞かせください)。

 総括すると、論特の教材は手に入れる価値はありますが、講義は人によっては必要ないと思われます。
 また、教材は辰巳の論予、日練の過去問を素材にしてありますので、予想答練をストックしている方は必要ありません。