ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

強風に抗い辿り着いた町。 自転車で旅するニュージーランド

2016年11月10日 | 自転車の旅 海外

ニュージーランド南端の地方は、天気が変わりやすく、また強風地帯でもある。

南極海からやってくる南風が混じれば、飛びっきり寒くなるし、オーストラリア南岸からタスマン海を渡ってくる西風は、ときに爆風のようになる。

南緯40度〜50度付近の風は地球が自転している限り、とどまることはないから仕方ないのだ。

風雨に叩きのめされながら、ようやくニュージーランド南端の町、インバーカーギルに着いた。

途中の写真はあまりない。
カメラを構える余裕がなかった。

爆風を真正面に捉えた日などは、何度も心が折れそうになった。
くるりと方向転換して宿泊していた町まで戻ろうと何度も考えたものだ。

そのたびにチューブのコンデンスミルクを少し吸っては気持ちを整えた。
再び、ゆっくりとペダルを漕ぎ出す。
風に押し戻される。

時速8km程度。登り坂と同じだ。

こうして、一歩一歩を積み重ねて、ようやく町に辿り着いた。

コンデンスミルクは、

残り僅かになっていた。

この日、宿に入ってからは疲労が過ぎて満足に動けなくなった。ちゃんと活動し始めたのは翌日からであった。

さて、翌朝はよく晴れた。

インバーカーギルは、広くて美しい町だ。

滞在しているyarrow stからは、スコットランド建築の水道塔がよく見える。

町の中心はコンパクトにまとまっている。

モールのようだ。

この町は、北海道に例えるならば、
稚内にあたるだろう。
最北の地ならぬ、最南端の町。

風が強い町。

また、北海道の礼文島、利尻島にあたる、
島一周トレッキングが盛んな離島、
スチュアート島がある点も似ている。

スチュアート島には、
インバーカーギル南部ブラフという港から毎日定期便が出ている。

さて。
ここ、最南端の町インバーカーギルには、
いくつかの「世界一」がある。

世界最南端のマクドナルド
世界最南端のスターバックス
世界最南端のケンタッキーフライドチキン
世界最南端のバーガーキング
世界最南端のサブウェイ
世界最南端の…

もういいだろう。

そこで、
このうち、マクドナルドとスタバに行ってみることにした。

10年ほど前までは、
南米最南端の町、プンタアレーナス
にあるマクドナルドが最南端だったが、
閉店してしまったという。
そして、しばらくはインバーカーギル・国道1号線沿いの下記店舗が世界最南端だった。

しかし!
今は違うので注意なのだ。

「サウスシティ」という、インバーカーギル郊外の新興住宅地に向かうエレス・ロードは、
俺が名付けた最南端ロード

まず、バーガーキング。


次は、ケンタッキーフライドチキン。


そして、マクドナルド。


さらにサブウェイもあるのだが、もういいだろう。
「ぜんぶ世界最南端!」

ちなみに、マクドナルドだけではなくサブウェイもケンタッキーフライドチキンも、インバーカーギル市街地に複数の店舗がある。

現時点では、インバーカーギル郊外、
「サウスシティ」にある店舗こそが、世界最南端である。

さあ、世界最南端マクドナルドへようこそ!

しかし店内は至って普通。
来店時はランチ時で、店で働いているのは近所の小綺麗なパート主婦の皆さま。
このへんも、日本と同じだな。

店の中はティーンエイジャーで賑やか。
このへんも、日本と同じだな。

注文したのは、The Boss.

ニュージーランド産ビーフのミート二枚重ね。

レタスたっぷり。

どうよ!このボリューム!

お値段は、セットで980円ほど。
まあ、妥当なところだと思う。

もちろん、普通のチーズバーガーなどもある。

さてさて。
お次は、世界最南端のスターバックスである。

町の中心の商店街にある。

店内は普通だけど、

さりげなく最南端を主張する。

ごく簡単に、

さりげなく主張する。

さりげなく、

最南端証明タンブラーなんかも売ってる。

しかし、
ドリップコーヒーを頼んだのに、

出てきたのは、アメリカン(アメリカーノ)であった。

違うー!

何度も言ったが、店員は理解しない。

俺の英語のマズさなのか、はたまた、ニュージーランドにコーヒー文化は無理なのか。

ちなみに、ニュージーランドでドリップコーヒーに近いものは、「ロングブラック」というが、
そんなもの、オサレなスタバにあるわけない。

ニュージーランドで、コーヒーといえば、ラテ(フラットホワイト)やカプチーノなのだ。

もしかして、この店員、
コーヒー=カプチーノ
と表現してる?

わからないが、そんなニュアンスを感じる。

カプチーノは、エスプレッソにスチームミルクだろ?
ドリップコーヒーじゃないだろ?

違うのか?

実際、会話中も何度も「カプチーノ」と言われるので、山小屋も店員も言ってることが噛み合わないのだ。
Brewed Coffee!
(ドリップコーヒーのこと。)

ああ無駄だ。(沈)

まぁまぁ、いいだろう。

心の広い山小屋は薄っすい「アメリカン」を受け取り、さわやかに、その最南端スターバックスをあとにしたのであった。

それにしても天気がいい。
風も穏やかだ。

きょう、走れば良かった。

いちいち噛み合わない、山小屋であった。