ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

風は南から

2014年12月02日 | 自転車の旅 海外
今年のニュージーランドの初夏は、
めちゃめちゃな天候です。
日本なら大いに騒がれる異常事態ですが、
kiwiたちは、特に騒いでいる様子もなく。

しかし世間話はもっぱら寒さが話題。
今年はどうしちゃったんだろ⁈
寒いねー、みたいな。

12月なのに雪が降ります。
山は、新雪で⁈真っ白です。

初夏です。
海だ、山だの夏なんです。
ほんとは。

でも雪です。
雪なんです。
平野でも、冷たい、みぞれ混じりの雨です。

稲作なら間違いなく壊滅しますが、
ここはひたすら牧場なので、
羊が風邪をひきます。

さて、チャリダーです。
チャリダーも体調を崩したりします。

正直、やばいです。

今年のニュージーランド、
天気が長続きしないだけでなく、
如何せん寒すぎます。

旅を中断してオーストラリアにでも行こうかな的な、レベルです。

間違いなく、
異常事態です。


クイーンズタウンを発ちます。
インバーカーギルを目前に体調を崩したとはいえ、
療養だ食いリゾートだと、ここに長く居すぎました。
快適だもの。

あれ?


あれあれ?


あれー⁈
そうなの?

そうなんです。

ヒッチハイク的に、成り行きに乗る。
これも旅ですよ。

こうして小雪の舞うリンディス峠を越え、
真っ白なサザンアルプスを左手に見ながら
クライストチャーチに向かいます。

ドライバーの「ぼくちん」は、
これから、はるばるクライストチャーチでお客さんを迎えて、
マウントクック、
レイクテカポ、
ミルフォードサウンドなどを案内してまわるのだそうです。
添乗員兼ドライバー兼ネイチャーガイドという大変な忙しさ。

同い年の気楽さでバカ話に花を咲かせる7時間弱のバス旅でした。

ぼくちん、ありがとう。


公衆トイレ。


トイレの壁に…。
自転車の空気入れ!

豊かだ。
豊かすぎるよニュージーランド!


こういう看板にも、
なんだか優しさを感じるんですねニュージーランド!


こーゆーのが、気になる。
LAKE TEKAPO周辺


こーゆーのも、気になる。
Geraldineジェラルディンの、
チーズのアイスクリーム!



あれ?
ここは美瑛・北海道ですか?
みたいな風景。


こうして旅は仕切り直しというか、
おかしな方向に転がっていきます。

どうなるんでしょう?
僕にもわかりません。

ともかく、

南島の南部、
南緯46度、47度あたり

南島の西海岸全域、
ミルフォードサウンドのあるフィヨルド地方から北へウェストポートに至るまで西海岸全部、

今年は寒さに加えて雨が多過ぎて、
旅になりません。
今年は、もうワヤ。
こんなニュージーランドは初めてです。

どうにもならないので、
いったんクライストチャーチに戻ってきました。

でも、
まだ帰国までは2週間以上ありますし、
全然走り足りないので、
クライストチャーチに一泊だけ滞在して、
今、これから出発するところです。


先ほどまで、
大好きなアーサーズパス峠に向かおうとしてました。

めっちゃ、いいところ!
感動するよ。

しかし!

3日かけてアーサーズパスを越えますが、
峠の山頂を越える日から、その日を含めて
西海岸はその先も、
ずーーっと、
ずーーっと、
雨じゃん!

それって、駄目やん。
それに下手したら峠は雪やし。
ていうか、雪でしょ。

…。


風は、南から吹いています。
南極海からやってくる、冷却風。

風は、チャリダーに
「この風に乗って北へ行け」と、
語りかけてきます。

チャリダーよ、
暖かい北へ行けと。

先月、既に走行したルートだけど、
同じ道だけど、
正直、つまんないけど、
それが最善なのかもしれません。


風の声に、耳を傾けて。