父ちゃんから爺ちゃんへ

　予定日は18日で、わしが19日生まれなんで、”一日我慢して19日に産まれりゃ、将来、『爺孫Ｄuo・ジューク』で唄える”と思うとったのに、夕べから朝にかけて破水アリ。病院に電話したらスグ来なさいとのこと。仕込んで開けた店を急遽閉めて病院へ。検査の結果、このまま入院で、正午過ぎヨリ「陣痛室」で待機と相成ル。

　女将は仕事、旦那さんは大阪。父ちゃんは荷物を運び、昼飯買いに走り、「破水はしたが陣痛がないので促進剤を飲んでもらいます」の同意書にサイン‥の前に、何とか自然分娩は？とねばるが、感染症の危険アリとの説明に納得しサインし、取り付けられたマシンの刻々と変わる数字の解析、分析に精を出しながら、　ハハ～ン、左が赤ちゃんの脈拍数に真ん中が陣痛の周期、右が陣痛と分かった（そう書いてあるので誰にでも分かるのだが）。

　16時半を回った頃から陣痛の周期が早まり、痛みも変わってきた様子で、18時を過ぎる頃には右端の陣痛の数字が上がると次女の表情が見る見る変わるようにナル。布団の上から足と腰をさすりながら、吐く息を大きく音を出しながら、まるで父ちゃんが妊婦の如く呼吸をするのであった。18時半の診察で、分娩室に入ル。

　旦那の乗るバスは台風と事故の為マダマダ着きゃせんし、女将の仕事は予定より遅れるし、居るんはわしだけじゃけ、無理を承知の「立会い」を申し出るが、遠慮願ウとのことで、陣痛室と分娩室のドアの開いたままの間で手に汗にぎり、助産師さんの声と次女の発する「声」を聴き、祈りながらせめて立ち会えんかった旦那と女将にと、このリアルな臨場感を携帯電話で録音するのでアル。

　そうして、何度目かの「声」のあと、ほんのチョットの間と静寂アリ。小さな声が聞こえたように思えたスグあと、この世ではじめて叫んだ「産声」を爺ちゃんはハッキリと聴いた。

　８月10日（日）18時55分　2905g　男子誕生

　わしゃあ、ふるえるほど感動した。

　　
　【本日のツーショット】　二人ともよぉーーーがんばった！