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1Q84 -3-

2010-09-09 00:42:12 | 日記

1Q84の第3巻を読む機会にやっと巡り会えた。
前作(第1巻、第2巻)に比べてさくさく読める。
読者に渡された謎を次々と説明していくからだろうか。
そして、大団円に向かって突き進む。

終わってみれば青豆と天吾の純愛物語だった。
全2作に見られた社会性は影を潜め、牛河という興味深い登場人物を絡ませて、一見幸福な結末を迎えたかのように物語りが幕を閉じる。
ただし、彼らは元の世界に戻ったのではなく、1Q84の世界を通って反対側にでてしまった可能性がある。
第4巻がでたとしても何ら不思議ではない。

村上春樹は、社会的なメッセージを込めたシュールな物語を書こうとしていた。
それを純愛小説としてまとめてしまったのは少し安易だったか。

登場人物に気持ちを惹かれないのはどうしてだろうか?
物語が心に残らないのはどうしてだろうか?
先ほど読み終わった、The Girl with the Dragon Tatoo の登場人物の方が欠点だらけだけれどもっと魅力的だった。
ストーリーも幻想的に書かれているが薄っぺらく、味がない。
今は社会現象と思えるほどに売れている小説だが、数十年後にこの本に書かれた物語を覚えている人は殆どいないと思う。
村上春樹が芥川賞を取れない理由がここにあるのではないだろうか。
残念な1冊だ。


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