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Squirrel Seeks Chipmunk: A Modest Bestiary

2010-12-03 16:10:37 | レビュー
デービッド・セダリス (David Sedaris) の新作「シマリスと付き合うリス」とでも訳せそうな本の感想を少し。



この本は短編集なので、少し待ち時間が出来たときにさらっと読むのに適した本だ。
イアン・ファルコナーのイラストは賛否両論だが、個人的には本にマッチしていると思う。
ただ、あまりにも内容に合致しているのでスポイラーになってしまう危険はある。

登場するのが動物たちで挿絵も付いているから子供用の本だと勘違いしてはいけない。
大人の本である。(PG-13としておこう)

デービッドはニューヨーク・タイムスに "minor phenomenon" と表現されたちょっとした人気者だ。
これまで、彼の私喜劇といえそうなジャンルの本が次々とベストセラーリスト入りを果たしている。
彼に言わせれば「自分ではないが自分に非常によく似た人物」が主人公で「彼の周りで起こりそうな」出来事をおもしろおかしく(主に諷刺と皮肉)書き記している。

今回の本は、現代のイソップ寓話とでも言うべき短編集で、登場人物は擬人化された動物たちだ。
扱われる話は、身近なところで日常経験する不条理な出来事を題材としている。
一言で言えば、人間の暗い部分にスポットライトを当てている。
読者によっては不快になるかもしれないが、それだけ毒があると言うことだろう。
ダークコメディーがそれほどはやらないアメリカでは、読者の反応は複雑だ。
一般読者の評価は5星中1個から5個まで均等に分布している。

イソップ物語も、解釈によってはかなり暗い皮肉で満たされてしまう。
その意味で、この本は現代アメリカ社会におけるイソップ物語といえるだろう。

星を4つあげたい。

★★★★☆


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