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The Kids Are All Right

2011-02-03 06:53:52 | レビュー
キッズ・オールライトは家族をテーマにした映画だ。

登場人物が鮮明に描写され家族内の人間関係も痛いほどに現実的だ。
もちろん日本には存在しないタイプの家族なので日本で理解されるかどうかわからないが、家族の価値は不変なので受け入れられたとしても不思議ではない。

物語は、ゲイの家族を中心に展開する。
両親ともに女性なので子供を作るためには種が要る。
それぞれが精子銀行を利用して一人ずつ子供を産んでいる。
冒頭のシーンでこの設定が示唆されるのだが、これをすんなり了解できるかどうかが一つの鍵だ。

子供たちが親に内緒で生物学的父親 (sperm donor) を探し始めるところから物語が展開し始める。
基本的には愛情で結ばれた家族だが、それぞれ悩みや不満も持っている。
家族を引っ張るリーダー役の産婦人科医、Nic を Annette Benning が好演している。
オスカー(主演女優賞)候補にも挙げられている。
彼女のパートナーで家庭を守る役の Jules を Julianne Moore が体当たりで演じている。
Mark Ruffalo が父親役で、この二人の素晴らしい女優陣に負けないほどの熱演を見せる。
彼もオスカーの候補だ。
子供役は「不思議の国のアリス」(2010)でアリスを演じたミア・ワシコウスカとジョシュ・ハッチャーソンが堅実にこなしている。

よく練られた脚本がこの豪華キャストをまぶしいほどに煌めかす。
台詞はウィットに富み、大笑いする場面が続出する。
ここで描かれるのはオブラートに包んだアメリカン・ファミリーではなく、欠点のたくさん有る非常に現実的な家族だ。
血はつながっているが外部の人間(父親)の登場で、全員が家族について考える機会を与えられた。
それに対するそれぞれの答えがこの映画の結論だ。
秀逸なコメディーでアカデミー賞の最優秀映画にノミネートされたのも当然といえる。
ただ、オスカーをとるところまでは届かないだろう。

★★★★☆


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