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ネアンデルタール人

2010-05-06 05:11:01 | 日記
ネアンデルタール人のゲノム解析プロジェクトの途中結果が報告された
きわめて挑発的な解釈となっている。
ヒトとネアンデルタール人は中東において交雑していたというのだ。

これまでの定説では、アメリカ自然史博物館の展示にもあるように、現代人とネアンデルタール人は交雑していなかったとされる。(Sympatric isolation)
化石から採取したDNAへのヒトの遺伝子混入が不可避なので、微妙な解釈とも言える。
実際過去においても、アミノ酸配列の違い等について上記の要因による誤差が認められ後日訂正されたこともある。


原著を一読したところでは、少し拡大解釈の嫌いがない訳ではない。
特に、交雑はヨーロッパでなく中東で起ったとしている部分。
元々、ネアンデルタール人が中東の原住民だったとしている。
ヒトはアフリカ出身。
しかし、共通の祖先があるという。
共通の祖先はどこに住んでいたのだろう。
どこに住んでいたとしても、アフリカに向かった(或いは留まった)一群からヒトが、中東に向かった(或いは留まった)一群からネアンデルタール人が進化したのか。

速報では、認知機能と骨格に関連する遺伝子に差が認められるとされているが、表を良く見てみると、脂質代謝やホルモン関係に決定的な相違が存在する。
面白いのは、精子の運動能力に関連すると思われる遺伝子に大きな違いがある点と、遺伝子発現に関連する酵素や制御因子に多く違いがあると言う点だ。
後者は特に重要で、遺伝子(DNA)つまり設計図に書き込まれた差以上に違いが出てくるからだ。
その使い方(転写)次第でDNAに刻み込まれたことが無視されたり、特定の機能が強調されたりすることを意味している。

時間が出来たらもう少し詳しく読み込んでみよう。


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