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ガラパゴス携帯

2011-02-14 20:23:08 | 日記
日本の携帯電話製造メーカーは政府の手厚い保護の元で特殊な進化を遂げたケータイを作り続けている。
日本国内だけで生活する消費者にとっては日本文化に特化したケータイは便利かもしれない。
一番の弊害はメーカーの成長力を奪うところにある。

「世界市場で勝負できない」日本企業は製品どころか部品の輸出すら不可能な状況だ。
メーカーは人口減少によって縮小する日本市場で限られたパイを分け合って生存している。

一方、韓国の三星電気は携帯端末ではグーグルと組みアップル社とはライバル関係にあるが、今年中に6000億円以上の部品をアップル社に対して販売する契約訴結んだ。
今後スマートフォンを2分すると予測されるOS陣営に、アンドロイドには製品を、iOSには部品供給という形で参加している。
ハードウェアーメーカーとしては大成功だ。
日本と同様に閉鎖された韓国携帯電話市場は規模が小さいためパイの奪い合いだけでは生きてゆけず、世界に打って出た戦略が成功している。
日本のメーカーは、ハングリー精神というか、開拓精神を失ってしまったのだろうか。

パナソニックやNEC,シャープと言った一流企業は、中国を始めとする巨大でしかも急成長を遂げている世界市場に指を触れることすら出来ない。
ソニーもPSP携帯をアメリカで発売するがキワモノとして捉えられている現状では大ヒットは望めまい。

スマートフォンの分野でも、iPhone はまるで黒船のようだった。
外部の圧力で鎖国を解くように迫られた日本はそのインパクトの大きさに右往左往している印象だ。
電話会社の開発部の人々ですらインタビューで、「スマートフォンがこんなに急成長するとは思わなかった」と述懐している。
お財布ケータイ機能が無く、ワンセグも付いていない iPhone が日本で売れるわけがないと勘違いしていた人々は付加機能と本質的機能の区別を見失っていた。
これも特殊進化による幻影を観ていたからだろう。
ハードウェアとソフトウェアの一体化とクラウドも含めた総合サービスの進化はこれから発揮される。
日本のメーカーに獲っては試練であるとともに絶好の機会でもある。
日本企業の中では誰が新分野で主導権を握るか。
数年以内には答えが出る。