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西部開発農産、ベトナムで大規模コメ生産 (日本経済新聞より)
農業生産法人の西部開発農産(岩手県北上市)は2015年1月にも、ベトナムでコメの大規模生産に乗り出す。日本の商社と組みベトナムでの生産を担う現地法人を設立する予定。国内ではベトナム人の農業研修生を受け入れて指導し、現地生産を担う人材を育成する。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を見据え、海外戦略の本格展開に備える。計画によると、ベトナムの北部に約25ヘクタールの水田を借り、来年1月にもコシヒカリなど3~4種のジャポニカ米の栽培を始める。種もみは日本から持ち込む。収穫したコメは全量をベトナムで販売する。事業化に備えて、今年2月にハノイ市に社員を1人派遣。商社と組んで現地法人を設立した後は、派遣する社員も増やす。
約3億円を投じて、乾燥、脱穀といった作業をするライスセンターも建設し、栽培面積も徐々に広げる。将来は収穫したコメをタイやシンガポール、中国などにも売り込む計画だが「現時点で日本への輸出は考えていない」(照井耕一会長)。ゴボウやナガイモといった野菜の栽培も検討している。照井会長は「ベトナムに進出したイオンなどと連携して、“日本人が育てた農産物”として売り出したい」としている。
本格展開に向けて、6月後半から現地の水田2カ所で試験栽培を実施する。1カ所はコメを栽培する政府系法人の水田で、もう1カ所は農業機械などを販売する民間企業の水田で、面積はそれぞれ50アール。栽培するコシヒカリなど3品種の種子はベトナムで入手する。
北上市の農場で働くベトナム人研修生の指導も強化する。昨年10月に4人が来日したのに続き、8月に2人、10月にも6人が加わる。農業機械のメンテナンス技術や、農薬の効果的な使い方を体系的に指導する。日本型の集約農業を主導できる人材に育て、将来のベトナム事業の核とする。
同社は1986年設立。農地を借りたり自ら保有したりして経営規模を拡大しており、現在は約700ヘクタールの農地で米や大豆、小麦、そば、野菜などを栽培している。TPP交渉をにらみ、国内の大規模化を継続するとともに、ベトナムでも数千ヘクタール規模での農業経営を目指している。
ベトナム漁船 中国漁船に衝突され沈没か -
中国とベトナムが領有権を争う南シナ海の海域で、中国による石油の掘削作業をきっかけに双方の船のにらみ合いが続くなか、ベトナムの国営テレビは26日、周辺の海域でベトナムの漁船が中国の漁船に衝突され沈没したと伝えました。
ベトナム国営テレビによりますと、現地時間の26日午後4時ごろ、中国の石油会社が設置した掘削装置から南に30キロ余り離れた地点で、ベトナムの漁船が中国の漁船に衝突され沈没しました。
沈没した漁船には10人が乗っていましたが、付近にいた仲間の船に全員救助されたということです。中国による石油の掘削作業をきっかけにした中国・ベトナム双方の海上でのにらみ合いでは、当局の船以外に漁船も動員されていましたが、ベトナムの漁船が中国側の船と衝突して沈没したと報じられたのはこれが初めてです。
ベトナム国営テレビは現場では依然として緊迫した状況が続いていると伝えていて、漁船にも大きな被害が出たことで、ベトナム国民の反中国感情がさらに高まることが懸念されています。(NHKより)