中州の子に職場を 日本人料理人、ハノイで開店
高層ビルの建設ラッシュが続くベトナム・ハノイ。
中心部を流れる紅河に、小屋を浮かべて暮らす人々がいる。
ベトナム戦争で財産を失った人たちだ。子どもは学校に行けず、就職もできない。
「ならば働ける場所をつくろう」と、一人の日本人が立ち上がった。
■水上の小屋、極貧生活
フランス統治時代の1902年に建設されたロンビエン橋。
紅河にかかる鉄橋で、ベトナム戦争(60~75年)で何度も壊されながら、修復を繰り返した。
鉄道とバイクが行き交う生活の要衝だが、橋の下の中州に下りると、生い茂るバナナの木や草で市街の風景は消え、「別世界」と化す。
泥道を300メートルほど進むと、川面にドラム缶を浮かべ、その上に廃材で建てた小屋がいくつも見えてくる。
貧しくて家を持てない人たちが「非合法」に建てたものだ。
「村長」のような存在のグエン・ダン・ドゥオックさん(67)は、ベトナム戦争で両親も財産も失った。
路上生活の末、88年に「寝る場所」を求めてここにやってきた。
鉄くずや布を集めて売って日銭を稼ぎ、3人の子を育てた。
やがて似たような境遇の人が集まってきた。
いまでは約25世帯が暮らす。橋の上で焼きトウモロコシを売るなどして生活する。
電気は拾ってきた車のバッテリーを使い、水は共同の井戸を掘ってポンプでくみ上げる。
拾ったテレビやステレオを使う家もある。
8月のある夜、橋の上を少女のゴックさん(16)がふらふらと歩いていた。
ドゥオックさんは「問題を抱えているな」と思った。
事情を聴くと、「父が賭け事で破産し家を出た。お金がなく学校に行けない。住む場所もない」という。
ドゥオックさんは中州の小屋に、ゴックさんを住まわせた。
戦後の貧しかった時代、橋から自殺する人を何人も見た。
ドゥオックさんは橋の上からうつろに水面を見つめる人に声をかけ、何人も自殺を思いとどまらせてきた。
「私自身、いろいろな人に助けられて戦後を生き延びてきた。困っている人に手をさしのべるのは当たり前だ」
■境遇に憤り、6人雇う
ロンビエン橋から北西約3・5キロの西湖。
瀟洒(しょうしゃ)な邸宅が並ぶ湖畔に5月、日本人が経営するレストラン「ペペラプール」ができた。
オーナーはコンラッド東京などで腕を磨いた料理人の増田悠さん(34)。
4年前、ボランティアでハノイを訪れロンビエン橋の子どもたちと出会った。
料理をつくったり、子どもたちが学校に行けるよう役所に行って「出生証明」の発行をかけ合ったりした。
1年たって日本に戻ったとき、子どもたちが「家がないという理由でちゃんとした就職ができない」「規定賃金の半分しかもらえない」と話すのを伝え 聞き、憤りを覚えた。
「レストランを開き、自分で雇おう」と決めた。
ホーチミンでレストランの新規開店に携わり、ノウハウを習得。ハノイでの開店にこぎ着 けた。
中州の「村長」ドゥオックさんの長男ナムさん(24)を警備員、次男バックさん(20)を調理手伝いとして雇った。
時給は周囲の相場よりやや高く、バックさんは月に約2万5千円稼ぐ。
「なかなか就職できなかった。働けるようになってうれしい」と話す。
中州で暮らす子どもは40人ほど。
全員を雇うのは無理だが、これまで6人を雇用。「希望があればどんどん受け入れたい」と増田さんは話す。
橋の上をさまよっていたゴックさんも最近、皿洗いとして働き始めた。
生活が落ち着き、ドゥオックさんを「お父さん」と呼ぶようになった。
「一生懸命働いて『お父さん』に恩返ししたい」
■通園・通学できぬ子、113万人
ベトナム教育訓練省と国連児童基金(ユニセフ)の最近の調査によると、ベトナムで幼稚園や学校に通っていない子ども(5~14歳)は全体の約8%にあたる113万人。貧困や家庭環境が主な要因で、職を求めて移住した家庭の子の割合が高いという。
職がないため農村から都市に移ったものの、貧しくて家が持てず教育費も払えない。
子どもは学校に通えず、就職できない悪循環に陥っている。
ロンビエン橋は氷山の一角に過ぎない。
フランス人 のペリーヌ・コージーさん(25)は3年前、ボランティア活動で知り合った増田さんと協力し、ロンビエン橋周辺の子どもたちを支援するNGOを立ち上げ た。ネットで寄付を募り、子どもたちが学校に行けるよう手続きを手伝ったり、勉強やスポーツを教えたり。「大学まで行けるように」が目標だ。(ハノイ= 佐々木学)(朝日新聞より)
所属しているハノイボランティアネットは、同じロンビエン橋周辺の子供たちを支援しています。
11/29-30 韓国フードフェスティバル
@Landmark 72 Calidas 3F &屋外
韓国大使館主催
アオザイとチマチョゴリのショーやK-POPグループ St. 319 (カバーダンスユニット)と
ベトナムのアイドル歌手の Van Mai Huongのパフォーマンスが予定されています。
入場料は無料。
各出店の支払いは20000ドンのバウチャーを会場で購入する必要あり
ナショナルジオグラフィックで
おいしい世界の屋台料理にブンチャーがベスト9に。
剛力彩芽、フジ新春ドラマ「大使閣下の料理人」でアオザイ姿披露 女優、剛力彩芽(22)が来年1月3日放送のフジテレビ系新春ドラマスペシャル「大使閣下の料理人」(時間未定)でベトナム人のヒロインを演じることが24日、分かった。 嵐の櫻井翔(32)演じる在ベトナム日本大使館の公邸料理人・大沢公が、料理で外交に関わる姿を描く奮闘記。剛力は日本人とベトナム人のハーフでベトナム国籍の料理助手、レイ・ティー・蘭(らん)役。主人公の通訳となり料理のヒントを与える役どころで、原作漫画には登場しないオリジナルの役だ。 ベトナム語を話すシーンもあり、ドラマの通訳担当者からレッスンを受けているという。「ただただ難しい。勉強用でいただいた音声をとことん聴いて、教えていただいて…。新しいことに挑戦できるのはうれしい」と手応えを明かす。 劇中では民族衣装のアオザイ姿も披露。「立ち姿はなるべくキレイに、蘭の明るく元気な部分を出せたら」。来月には現地ロケにも参加。外国人という難役挑戦で、新春から女優として新たな一面を見せてくれそうだ。