奈良県立奈良高校の校舎や体育館が国の耐震基準を満たしていない問題について、生駒市北新町のたけまるホールで6日夜、保護者向けの説明会があった。約300人が参加し、約4時間にわたって、県教育委員会の関係者らと質疑応答などが行われた。保護者からは不安や不満を訴える声が相次いだ。

 安井孝至校長や県教委の教育振興大綱推進課と学校支援課の課長らが出席。2022年度の移転までの措置として、約9カ月かけて仮設校舎を設置することや、設置までの間に今年度から使われていない県立郡山高校(大和郡山市)の城内学舎を使うことを検討していると説明した。

 保護者からは「具体的なスケジュールを教えて欲しい」「仮設校舎設置までの期間が長すぎる」「倒壊したら誰が責任を取るんだ」と不満の声が相次いだ。吉田育弘(やすひろ)教育長が出席していないことにも批判の声が上がったが、県教委の担当者は「今回は奈良高校の耐震化の現状についての説明で、謝罪に来たわけではない。意見があったということは伝えさせていただく」と話した。

 2年生の長女が通う女性(44)は「具体的な説明が何もなく、不完全燃焼だった。娘は体育館を使う部活動をしている。一日でも早く動いてほしいです」と話した。(桜井健至)