ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

SAW5(デイビッド・ハックル監督)

2009-04-29 | Weblog
キャスト:トビン・ベル、コスタス・マンディラ、スコット・パターソン、ベッツィ・ラッセル、マーク・ロルストン、カルロ・ロータ、ジェリー・ベンス、グレッグ・パーク

評価:☆

コメント:SAW4までは「こんな展開があったか」というサプライズがあったが、さすがに「5」までくると「意外性」が欠けて来る上に、「ゲーム」の巨大装置型化が進行。初期のシンプルなゲームが重厚長大産業化してしまうとはたして少数もしくは一人の犯人でどこまで実行可能なのか…とリアリティがうせてくるのが残念。「4」までで終了してこのままカルトムービーとして名を残す道もあったのではないか。たとえば「スクリーム」シリーズのように…。「命を尊重するチャンス」を与えるか与えないのかが本物のジクソウとニセモノの違いになるが、ラストでは確かに「本物のジグソウ」から「本物のジグソウ」のレプリカが作成されてしまう。だが、もしこの続編が続くとすれば、プロトタイプのジグソウからさらにそのコピーが増殖していく方向にしか展開が望めないと思うのだが…。

ストーリー;「SAW4」の終了直後、あるいは「SAW3」の終了直後からのストーリー展開。ジグソウの妻は遺品の箱をフェルトマン弁護士から託される。中には1本のビデオテープが。そして5人の一見無関係でしかし深いつながりのある男女が新たなゲームの試練を与えられていた…。そしてその中にはヘラルドトリビューンの記者も…。

BONES~骨は語る~第1シーズン第11話~第18話(ハート・ハンソン監督)

2009-04-29 | Weblog
キャスト;エミリー・デシャネル、デヴィッド・ボレアナズ、ミカエラ・コンリン、エリック・ミレガン、T.J.サイン、ジョナサン・アダムズ

評価:☆☆☆

コメント:11話からさらに予算がついたらしく、ドラマの展開も次第に豪勢になりエキストラの数も増えてセットの数も増えてくる。さらに面白さが10話までよりも増してくるという寸法だ。
第11話「守りたいもの」(The Woman in the Car)  
 テンペランスの書いた小説についてテレビインタビューを受けている最中に焼けた車の中から女性の死体が。そして誘拐事件の可能性と欠陥商品をイラクの戦場に送り込んだ企業犯罪の両方が同時進行していく。    NSB(連邦捜査局国家保安部)とFBIが互いに協力しそうでしないあたりがなんとなくアメリカの行政組織の複雑さを思わせる。父親と子供の合言葉は「パラディン」(聖なる騎士)。
 最後にはHRTという略称の人質救出部隊(Hostage Rescue Team)が登場する。州や郡のSWATでは対応できないでは対処できないケースで登場する特殊部隊だが、このドラマではNSBとFBIの縄張り争いもからんでいるため、NSBに先んじるためHRTが登場したものと推定される。
第12話「ヒーローの死」(The Superhero in the Alley)    9,600年前の中国発掘調査に忙しいジェファソニアン研究所だったが、奇妙な「衣服」をまとった焼死体が発見された。成分はセルロース。なんらかのコスチュームをまとっていたものと推定される事件だったが担当はFBIに。そしてアメリカの「オタク」族の世界に入っていくのだが、これが日本と比較するとかなり甘い設定でしかもDVとか「女神」的な信仰などもからんでくるので日本人にとっては感情移入しにくいドラマかもしれない。コロンバイン高校の連続射殺事件や被虐待症候群など社会性を盛り込みすぎたか。
第13話「家族の庭」(The Woman in the Garden)
 
リトル・サルバドルを舞台にスペイン語が飛び交う。エルサルバドルからの不法入国者とメリーランド州上院議員の二重生活の様子が描写されている。
第14話「7人目の死体」(The Man on the Fairway)
 国務省のチャーター航空機の墜落事件とNTSBとFBIの管轄問題。手がかりになる木材伐採装置はヴァージニア州からジェフソニアン研究所に運ばれてくる。第14話ではテンペランスが「ZEN」の言葉を引用して「何かを見つけたいのなら探すのをやめる」という台詞を。
第15話「パートナーの危機」(Two Bodies in the Lab )
 ここではテンペランスがかつてエルサルバドルのほかに中国軍を避けてチベットの山の中を歩いたエピソードがちらっと紹介されている。さらに15話ではこのテンペランス博士が出会い系サイトで知り合った男性とチャットをしているという場面も。またハシで「サバ」をテンペランスが食べるシーンも。マヤ文明の支配者は「利き腕」である右に「貴重なもの」(この場合は戦争の相手方のトップの首)を置いた…という考古学上の推理が現実の犯罪捜査でも役にたってくる。テンペランスの部屋がはじめて公開され、CDラックそのほかがきちんと整理されているほか「チベット」「ジャズ音楽のCD」「カニ・ウエストのCD」などテンペランスの音楽の趣味も紹介される。映画をめぐるエピソードがやはり紹介され、「ブロークバック・マウンテン」をめぐるアンジェラの台詞が印象的。またラストで二人が見入る画面はおそらく(個人的推定だが)ヒチコックの「泥棒成金」。この映画はケーリー・グラントとグレイス・ケリーのコンビだが、この映画を二人が見る…というあたりがとてつもなくオシャレ。かなり残虐なシーンが連続するドラマだが、ラストがいいので個人的にはこの15話が一番好きだ。「I'll be there」という台詞がリフレインされるのも素敵。
第16話「地下の住民たち」(The Woman in the Tunnel )
 イラク戦争の帰還兵の問題と自爆テロを隠し味に地下18メートルの巨大迷路が舞台となる。ワシントンDCで発生した事件は自動的にFBIの管轄になるというのもこのドラマで初めて知る。ルアンダやラテンアメリカのドキュメンタリーを撮影してきたドキュメンタリー監督が殺害。はたして犯人は…という展開だが、それに付随する1778年陸軍省が発行した貨幣をめぐるエピソードが興味深い。このドラマではジョン・ヒューストンの「黄金」をめぐる会話と「シャーリーズ・セロン」をめぐる会話も。
第17話「砂漠の恋人」(The Skull in the Desert)  
 アンジェラの3週間だけの「恋人」が殺害される。ナバホ族の居住エリアで発生した事件だけに地元の保安官とナバホ族の内部論理とがぶつかり合う様子が描写される。ドラマの中ででてくる「ペヨーテ」というのはサボテンから抽出される幻覚をもたらす物質だ。ペヨーテをめぐってもアメリカ合衆国当局とネイティブとの対立する見解がある(ネイティブの信仰の対象でもあるペヨーテだが、連邦政府からみるとドラッグということになる)。物語りの中ではやはりベネズエラをめぐるエピソードがからんでくるほか、アンジェラがネイティブアメリカンであることがことさらに強調されるドラマにもなっている。ネイティブアメリカン社会の独自性と神秘性がアメリカの家庭でどのように受け止められたのか興味深い。
第18話「黒ひげの呪い」(The Man with the Bone )  
 実在したと推定される18世紀前半の海賊エドワード・チャーチ(通称黒髭)の「お宝」をめぐるドラマ。メリーランド州アサティーグ島に伝わる「黒髭の財宝」をめぐって事件が発生する。ことの発端は約300年前の壊血病と梅毒にかかった死体が発見されたこと。時代的にもエドワード・チャーチの時代と符合することからアサティーグ島はちょっとした騒ぎになっていくが…。

ストーリー:法人類学者テンペランス・ブレナンとFBI捜査官シーリー・ブース。結婚制度や宗教など対立することが多い二人だが捜査に協力しあっているうちに相通じるものができてくる…

心霊写真(パークプム・ウオンプム / バンジョン・ピサヤタナクーン監督)

2009-04-29 | Weblog
キャスト;アナンダ・エヴァリンハム、ナッターウィーラヌット・トーンミー、アチタ・シカマーナー

評価;☆☆☆

コメント;仏教国であるタイで「心霊写真」が取り扱われているとはやや驚きだ。そもそも「霊」なるものの存在すら仏教では認めていないはずだが、ポラロイドカメラでトリックはできないはず…という前提で「映るはずのないものが映ってしまう」と言う怪奇現象がアジア・モンスーン的な湿気で画面に展開される。
 ハリウッドでも日本人監督により「ザ・シャッター」としてリメイクされたが、この原始的な怖さと原始的な撮影。ザラザラした触感の画面が魅力的な映画だ。
 もともと自然崇拝などの影響は受けていないはずの仏教だが日本でも「心霊現象」は取りざたされる。戒律が厳しい(と個人的には思っているが)上座部仏教の国で、得たいのしれない現象が連続して発生するという設定は怖い。ただこれは「オカルト」というよりも主人公のタンの心理を描写していると考えるとわりとすっきりした映画にはなる。愛してもいない女性に声をかけ、そして別れるが、自分の心の中には「罪悪感」が残りそれが次第に幻想や幻聴につながっていく…。
 映画の後半からは主人公タンの「罪悪感」がひたすら描写されていると考えるとこの映画のラストは納得がかなりいく。主人公のタンが使用しているカメラはCANONのEOS、銀塩カメラでカメラ屋では富士フィルムのフィルム箱が映し出されている。

  映画の冒頭は学生時代の「思い出」の写真がセピア色で連続的にうつしだされる。その画面をみながら「セピア色が過去というイメージはどうしてここまで国際的に定着したのだろう」などと思う。「お約束」に近い怖がらせ方と固定化されたイメージが多用。また「リング」「呪怨」などの影響もかなり受けているほか、タンの風貌はどことなく黒沢清監督に似ていなくもない。また「女優霊」もおそらくスタッフは見ていたことだろう。そうした過去の「スピリチュアル・ホラー」の集大成がこの「心霊写真」というタイ映画に凝縮されているような気がする。

ストーリー;カメラマンのタンと恋人のジェーンは、学生時代の友人トンの結婚式に出席した帰り道に女性を車でひいてしまう。その後、その場所に再び行ってみたところ、交通事故の記録も病院に入院した患者もいないという。そしてタンが撮影する写真のいくつかには謎の白い影が映りこむようになっていた。また首筋に痛みを感じるタンは仲間が次々に消えていくのを目撃することになる…。