ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

カタコンベ(トム・コーカー デヴィッド・エリオット監督)

2009-02-11 | Weblog
キャスト:シャニン・ソサモン、アリシア・ムーア、フランス・ロウ

評価:なし

コメント:「カタコンベ」というタイトルからしてもっと凝った内容なのかと思いきや、怖くもなんともないただのただのB級映画だった。せっかくのパリロケもこれじゃ予算の無駄遣い。しかも途中から結末の予感めいたものがだんだんわかってくるというのも残念。主役の女優はやや精神不安定で、姉の招きでパリにきたという設定。白いコートにジーンズ、緑のリュックサックが可愛く、ちょっとパリジェンヌしている「姉」役の女性のほうがケバケバな印象。
 アパートメントのらせん階段の急な傾斜などもけっこう面白いのだが、それを活用することなくいきなりカメラはカタコンベの中に入ってしまう。エッフェル塔なども一部映るのだが、せっかくのパリロケが台無しの映像展開。  
 原題のサバトのように若者が集いカタコンベで踊りまくるという発想は面白いのだが、この光と音楽の電源はどうやってひいてきたのか、飲み物はどうやって搬入してきたのか、そもそも毎回場所を変えているというのに、だれも迷わないのはなぜかといった初歩的な疑問がわきおこる。実際の「サバト」も黒魔術そのほかの催しとされているがその実在性そのものが疑われている。
 だがおそらく現在のパリでこうした地下パーティの開催もやはりただの幻想だろう。パリのカタコンベがさほど有名とは思わないが、地下礼拝堂や地下墓地は初期キリスト教の時代からあちこちにある(ローマ、グラナダなど)。
 パリの場合、1786年ごろから墓地が不足してパリ市長の命令で作られたというから歴史としては新しいほうのカタコンベだろう。第二次世界大戦時にはレジスタンスの基地としても利用されたとともに、フランス革命で命を落とした方々の死体も埋葬(?)されているという。映画では約700万体とされていたが、600万から800万までちょっと幅のある推定死体数となっている。もともとサバト自体もローマ時代に2月15日に行われていた祝祭が起源という説があるらしいのだが(「オカルトの図像学」原書房より)その祝祭の主役はヤギのひずめをもつ牧神パンだったという。そう考えればこの映画で「悪魔」がヤギの仮面をかぶるのも当然の流れか。

ストーリー:精神安定剤を飲みながら生活しているビクトリアは姉に招かれたパリのカタコンベ(ブ)のパーティに参加するが…。