ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

コミック・ヨシモトの廃刊(休刊)…

2007-09-08 | Weblog
 「コミック・ヨシモト」が創刊3ヶ月で廃刊(あるいは休刊?)ということになるらしい。良質な作品を提供する「舞台」としては文句なしの「舞台」。人気コメディアンが原作を書き、さらに実力のある有名な漫画家がコミック化するという試み。けっして無謀でもなんでもない企画だったと思う。しかも人気が出れば単行本などにして再発売も可能だっただろう。ただおそらく「笑い」というサービスの世界にはない問題点が雑誌にはある。「返本」そして「在庫の管理」という問題だ。週刊誌もしくは隔週誌の場合には、適正な需要を見込んで印刷し、在庫が出れば早期に断裁しなければならない。しかしとりあえずは倉庫などの確保が必要となるが、この倉庫の管理費というのが実は莫迦にならない金額となる。しかも税法の上では書籍や雑誌は固定資産として課税対象になるので固定資産税などの付随する各種の費用や税金も考慮して新規投資をしなくてはならない。ある程度知名度のある老舗の週刊誌であればコンビニエンスストアやキヨスクといった流通もありうるが、まだ実績販売数を残していない雑誌の場合、いかに「笑いの巨大産業」とはいっても書店もコンビニエンスストアもシビアな需要数実績で、棚の上に置く部数を絞ってくる。電機製品や食品などと比較してもかなり流通経路が複雑な書籍部門について、当初の見込みが大きくはずれていたのではなかろうか。雑誌というキケンな媒体よりも、むしろ「ガロ」のような単行本を少しづつ発行して「様子見」をしていくという方法もあったと思う。
 連載途中で終了した作品も多いと思うが、媒体を他の雑誌に移す、もしくは単行本発刊をめざして完成まで作業を進めるといった方法もあると思う。良質な作品を生み出す土壌はあるだけにこのまま廃刊(休刊)で終わってしまうのはもったいない。思えば昔扶桑社が爆発的なヒットを生んだ「タレント本」。あの企画は「本」として売り出し、在庫の管理体制も整った専門の出版社が、雑誌とは違う流通経路で勝負したからこそ成功した企画ともいえる。品質だけでも厳しい業界で在庫管理体制や営業体制などさまざまな要因が考えられる雑誌形態よりも、まずはウェブ連載など固定費用があまりかからない分野で再挑戦するということも考えられるだろう。いろいろな分野で新事業分野を開拓していく笑いの「王様」の会社だけに、このまま廃刊(休刊)ではなく、また新たな形での再挑戦を望みたい。