19日、敬老の日、母に電話する。
母に電話する前に、私は、きまって鹿児島の方言をさがす。
「アイガトサゲモシタ」、
「ナイシチョット」
今回は、この言葉にしょうと決めて、母に話しかけた。
鹿児島言葉です。意味が解りますか。
耳が遠くなってきている母は、
自分が話すより、聞き手になりがちだ。
私は、ふるさとの鹿児島の言葉で話しかける。
あなた、よく、鹿児島の言葉を知っているわね。
笑いながら母は鹿児島なまりになり、声も高く、話し出す。
その日は、1956年に東京から鹿児島に、家族で帰ったときの話をしてくれた。
私が小学校3年のときで、入学前の従兄弟と話すが、
彼が何を話しているのか、さっぱり解らない。
小学校に行っているのに、何故僕の話が解らないんだ。と、従兄弟は言う。
そんなことを言っていることさえ意味不明の私。
傍にいた母は、従兄弟に、東京の小学校では、鹿児島の言葉は習わないのよ、と説明したと。
この話は何度もきいているのだが、私は、そうかそうかと聞いている。
母の話は、いまでもなく、これからでもなく、いままでの話が面白い。