小字(こあざ)地名の最後に「山」があるものを、「改定水戸の町名」で見つけてみました。130くらいありました。それで気の付いたことを書いてみます。小字の後にある地名は大字です。現在大字(おおあざ)の多くは町名になっているようです。写真は、木葉下(あぼっけ)町の金山という小字にある、金山跡です。
多い地区
やはり、標高が高いせいでしょうか、木葉下には、野竹山(のだけやま)、片ヘタ山(かたへたやま)、板山(いだやま)等、14ありました。
植物名
アシ、ヨシ、オギといった種類の名前がついた山の名が5つあって1番多いようです。(芦山(あしやま)常磐村、ヨシ山(よしやま)常磐村、芦山(あしやま)渡里、芦山(よしやま)飯富、荻山(おぎやま)飯富) 桑山も5つありましたが、これは田谷で、一ノ桑山から五ノ桑山まで、一地区に固まってあったものです。次は柳山で、4ヶ所(柳山(やなぎやま)上国井、柳山(やなぎやま)田谷、向柳山(むこうやなぎやま)田谷、下柳山(しもやなぎやま)下国井)でした。芦や柳が多いというのは興味深く感じました。
富士山
富士山という地名は7か所ありました。もっとも、ほかに、富士峯とか富士というものもありましたので、もっとたくさんあるようです。富士山が見える地なのか、高い地ということなのでしょう。どれも「ふじやま」というようで、「ふじさん」は1つもありませんでした。(冨士山(ふじやま)石川、富士山(ふじやま)田谷、冨士山(ふじやま)下国井、冨士山(ふじやま)加倉井、冨士山(ふじやま)全隈、冨士山(ふじやま)開江、冨士山(ふじやま)木葉下)
神仏
権現山が4か所でした。(権現山(ごんげんやま)見川、権現山(ごんげんやま)田谷、権現山(ごんげんやま)飯島、権現山(ごんげんやま)開江) ほかに、不動山(ふどおやま 笠原)、七面山(しちめんやま 加倉井)、宮山(みややま 木葉下)、氏神山(うじがみやま 木葉下)などがありました。
その他
金山(かねやま 木葉下、全隈には金山後(かねやまうしろ)という地名もありました)などという、佐竹氏時代の金採掘名残りの地名があったり、古く富裕な農家があったのか、御殿山という小字が2つ(御殿山(ごでんやま)見和、御殿山(ごでんやま)見川)あったりしました。また、「いっぱい」山という小字も2つ(一盃山(いっぱいやま)常磐村、一杯山(いっぱいやま)河和田)ありました。このうち、常磐村の一盃山は、常磐山古墳の近くだと思います。ここには、愛宕山古墳を築造するとき、作業者が毎朝食前に飯椀一盃ずつの土を築いてできたのが一盃山であるという伝説があるそうです。
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