【あえて無題】
Nikon D90 +AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
何事においても『手放し』という行為はワイルドだ。
これまでは
・自転車の手放し運転
・手放し腕立て伏せ
・我が子の成長を手放しで喜ぶ親の醜態
の三つが『世界三大手放し』として不動の地位を確立していたのだが、
昨日、それらをはるかに凌駕するワイルドな手放しに遭遇した。
なんとまぁ『手 放 し 立 小 便』、である。
女性の方はピンと来ないかもしれないが、
通常、男性諸氏が小便器で用を足す場合は、
排尿器官が排泄時の反動で暴れ出さないよう、右手なり左手なりを優しく介添えさせている。
公共のトイレなどで目にする大半の人ズはこのスタイルを採用しており、
左右の肩を内寄りに狭め、こころもち猫背気味で用を足している男性諸氏~チビッ子からご老人まで~が
横並びっている姿こそ正しい公共トイレの姿なのだ。
が、昨日出会った黒髪の男性~アントニーニョさん(仮名)~は違う。
便器の前で、両の手を腰にあて、仁王立ち。当然反り気味。
しかもときおり「…ぅヴぁ"ーっ"」と言う奇声をあげながら。
あまりにも異次元な光景に“新しいサービスを提供する風俗店にでも迷い込んだのか”と不安になった程である。
一足先に用を足し終えたアントニーニョさんは、
洗面台でこれまた「…ぁヴぉ"ーっ"」という奇声を発しながら、異常なまでの神経質さで手を洗っていた。
ワイルドさと几帳面さが同居するアントニーニョさん、
そんなアントニーニョさんに目を奪われていたのは自分だけではなかったらしく、
一部始終を見届けていたと思しき上野さん(仮名)の独り言が聞こえてきた:
「でもあんた、手は使ってないやん」