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金魚日和

最近の活動はインスタにアップしています

薬指の標本/小川洋子

2010年08月08日 | 本・作家
先回、川上弘美氏の作品をとりあげた際、
『蛇を踏む~溺レる~竜宮』路線の賛美者である事を書き落とした。
あの書き方では単なる『センセイの鞄』嫌いなタコ好き人間宣言である、反省。

で、その川上さんと小川さんは、
自分の中では表裏一体の関係に置かれている。

…どちらが表・裏、という訳では無いので、
“軟硬”“熱冷”“日本酒とブランデー”の関係、といった方が適切なのかもしれない。
余計にワカランな。


この作品は、 “失われゆくモノ”で溢れている氏の世界にあって、
“失われゆくモノを標本にして残す”事を軸に展開される話しである。

ただし、“残された(=標本化された)モノ”に関して語られる事は、無い。
標本は「繰り返し思い出し、懐かしむ為に」つくられるのでは無く、
「封じ込め、分離し、完結させる為に」つくられるモノなのだ。
静かに、少しずつ、だが決然と喪失して行く氏の世界にあって、
失なわれたモノに対する感傷は、読み手の想像の中だけにしか許されていない。


束縛と自由、フェティシズムが支配する世界の歪んだ恋愛小説であり、
2年後、『ホテル・アイリス』という長篇作品に昇華される。 ←勝手な決めつけ


『偶然の祝福』文庫本の解説は川上さんが書いておいでだ。

此処彼処/川上弘美

2010年07月27日 | 本・作家
ブログを始めて3ヶ月になろうとしている。
生まれてこのかた、これだけの頻度で駄文を書き連ねた事は初めてだ。

夢と希望と下心にあふれていた中坊時代でさえ、
スヌーピーの交換日記帳は7往復半で無期限延滞させたというのに。


ひたすらアウトプットにだけ専念していると
文章構築及びその為の思考が片寄ってくる、ってなんだソノ大袈裟な物言いは。
赤ちゃんを寝かしつける際の子守唄として
ぷぉぷぉサックスを吹きながら「ちっちゃな頃から悪ガキでぇ♪」唄う位の勘違いっぷりでは無いか。


…たまにはインプットもしないとな、なんて事を感じ、
“ 買ったまま読んでいない本ゾーン”に置いてあった件の本を手に取った。

・川上さんは旧姓山田さんだった
・高校生の息子さんがいる(2004年当時で)
・この人の擬音表現は頭に残るなぁ

なんて本質とは関係無いところにツマヅキながらも読み進め、と同時に、
発売当時に読み、何の感慨も抱かなかった『センセイの鞄』は
いま一度読み返してみても良い頃合になったやもしれぬ、なんて事を思った。


同じ教会を訪れていたであろうに、
“天井にあるモザイクタイルのタコ”に気が付かなかった事が悔やまれる。

色彩の息子/山田詠美

2010年06月13日 | 本・作家

続き。

頭髪が伸びてくると、
面長である事以外、まったくと言って良い程似ていない事が判明してくる
『軍人兄弟』ことフローレンス松山(仮名)なのであるが、
ウマも合い、数多い女子ズを取合う事も無く平和な3年間を過ごした。

浪人中はエドモンド大前(偽名:ラボルト似)と一緒にバンドを組んだりもした。

そんなウマの合うスザンヌ後藤(仮名)ですら、
月日が流れ、環境が変わってくると連絡もとらなくなる訳で、
最近では年賀状のヤリトリをする程度になっていた。

が、同窓会の件で思い立ち、
もらったまま放置してあったメールに返信などしているうちに、
このバカブログと時を同じくしてヤツもHP並びにブログをはじめている事を知った。

さすが軍人ブラザー、今でも気が合う。
そのクリス松村(仮名)のブログで昔の彼女の近況を知った。


見事な、  本当に素晴らしい作品をつくる陶芸作家になっていた。


色々あって自分からは連絡出来無い(勿論彼女からの連絡も無い)関係になっており、
思いもかけないモニター越しでの再会となった。


エイミー山田は彼女も好きな作家だった。


…久しぶりにギターでも弾いてみるか、と、
ケースから取り出そうとしてネックを握った瞬間、錆ついていた弦で指を切った。    終。


ベッドタイムアイズ/山田詠美

2010年06月12日 | 本・作家
先月の終り、高校在学時の同級生から
「6月末に同窓会やります」旨の案内状が届いた。

my高校のmyクラスは少し特殊な環境で、
進学先が美大・芸大に特化した美術系専門:
1学年1クラス40名オンリー、な環境なのであった。

当然3年間クラス替え無し。

男女比が1:2(これでも例年に比べれば♂が多い年だった)という
まさに地ごk、もとい、天国のような環境だった。

そこに通って来る事になる田舎の中学生は、
20年以上も前だと♂は“ボウズ刈り”が当たり前で、

…の筈だったのだが、
入学当初、ボウズ刈り中学から進学して来たのは自分を含め数人だった。

後に、似通った容姿とボウズ頭という共通点から

『軍 人 兄 弟』

と呼ばれる事になるゴンザレス早瀬(仮名)とはそこで出会った、続く。


※ホモ関係の話しではありません。

御馳走帖/内田百間

2010年05月28日 | 本・作家
……腹へった。


“うちだひゃっけん”の“けん”は
“門”に“月”が正しい字なんだけど
当然そんな文字はPCでは表示されない。

雰囲気としては


日 日
|月|


こんな字面だ(涙:全然わかんねぇ)


ネット上では皆さんどうしているのかと検索してみると
“百間”表記で落ち着いているらしい。


…なにか府に落ちんっ、、、、腹減った。。