つづき
地下室の超合金カモノハシロボットに乗った三人は、
さっそく地上に出るために天井を開けるボタンを押しました。
パオーン「開かないよ」
ポンキチ「サビたんじゃないの!」
ハッシィ「この前メンテナンスしたところだよ」
パオーン「何か重いものがのってるんじゃないの?」
ハッシィは「あっそうだっ」
と言ったかと思うとハッシィはロボットから降りて地上に出ました。
ハッシィ「やっぱり!チビちゃんどいてね」
地下の秘密基地の扉の上に、
今では小さいビルくらいになったチビちゃんが乗っていました。
ハッシィはチビちゃんを扉の上からのけると、
すばやくロボットに乗りました。
ポンキチ「発進します」
パオーン「目標巨大パンダまでの距離約2キロ」
ズシーンズシーンとカモノハシロボットが動き出しました。
ハッシィ「よーし、近づいたらミサイル攻撃だ」
パオーン「町の真ん中だよいいの?」
ポンキチ「海までおびきよせたら?」
ハッシィ「たとえ町の中でもはずさなければいいんだよ!」
ハッシィは強気です。
ポンキチ「巨大パンダまであと800メートル」
ハッシィ「ミサイル発射ようい」
パオーン「準備完了」
ハッシィ「発射」
ドッコーンとカモノハシロボットからミサイルが出て来ました。
その時パンダが、ひょいとかがみ ました。
ドッカンー近くの建物が吹っ飛びました。
ポンキチ「ハッシィ隊長!町役場無くなりました。」
ハッシィ「どっひゃー、責任がかかる時だけ隊長かい」
パオーン「どうしますか?巨大パンダはブタブタ百貨店に向かいました」
ハッシィ「小さい失敗を気にしていては駄目だ次のミサイル用意」
ポンキチ「やっぱり、そうこなくっちゃ!」
パオーン「今度は外しません!準備完了」
ハッシィ「撃てー」
またまたドッコーンとミサイルが発射されました。
その時巨大パンダは疲れたのか「よいしょ」
と座りました。
ヒュードッカンーミサイルが爆発しました。
ポンキチ「ハッシィ隊長、ブタブタ百貨店が
あとかたも無くみごとに消滅しました。」
ハッシィ「どっしゃー、失敗したのにみごとはなかろー」
強気のハッシィはやけっぱちにミサイルを打ちまくりました。
ポンキチ「ハッシィ隊長、おおかた町の中心の建物は
消滅、しかし巨大パンダにはひとつも当たってません」
ハッシィ「すばしっこいやつめ」
パオーン「すばしっこいじゃなくてパンダが
町を壊した10倍くらい壊しちゃてるけど」
ハッシィ「こうなればじかに攻撃だ」
ドシーンドシーン、カモノハシロボットは巨大パンダに近づいて行きました。
巨大パンダはたかいびきで寝ていました。
つづく
つづき
ハッシィはひと回りチビちゃんが大きくなったので
お家を作り直していました。
そこを窓の外からパオーンが見ていました。
パオーン「ハッシィそれなーに?」
ハッシィ「ワァ、びっくりするじゃないの、恐竜のチビちゃんだよ」
パオーン「恐竜ってどんな種類?」
ハッシィ「たぶん首長竜かなぁ」
パオーン「僕もさわりたいなぁ」
パオーンが入って来ました。
しばらくするとポンキチも入って来ました。
ポンキチ「何かよからぬ事でも相談してるの?」
ハッシィ「してないっ、今回はメルヘンチックな話しなんだよ」
パオーン「メルヘンチックって美味しいの?」
ハッシィ「ボケツッコミもいいの!」
ハッシィは怒って声が大きくなりました。
ポンキチ「へーとっても可愛いチビちゃんだね」
パオーン「僕もほしいなぁ」
ニコニコしながらパオーンがチビちゃんをなでていました。
ハッシィ「変わり身はやっ、僕お茶を持ってくるよ」
ハッシィが部屋を出て行きました。
ポンキチ「何食べるんだろうね?」
パオーン「僕のリュックにキャベツが入ってるよ」
パオーンはリュックからキャベツを出すとチビちゃんにあげました。
チビちゃんはバクッと食べました、
あまりの食べっぷりのよさに
「スッゴーイ」
とパオーンは2個3個とチビちゃんにキャベツをあげました。
ポンキチ「そんなにあげていいの?何だか大きくなったよ!」
パオーン「だって面白いんだもの」
パオーンはそのあとキャベツを97個あげました。
ポンキチ「そのリュックどれだけ入ってるの?」
チビちゃんはまた大きくなってしまいました。
ハッシィがお茶を持って来ました。
ハッシィ「ドッヒャー、チビちゃんがでっかくなってる」
牛くらいの大きさになっているチビちゃんを見て
ハッシィも目が飛び出るほど驚きました。
ハッシィ「パオーン何かした?」
パオーンは首を ぶんぶん振ると言いました。
「なーんにも、少しキャベツをあげただけだよ!」
ハッシィ「やっぱり」
ハッシィはため息をつくとチビちゃんを撫でました。
「キュキュー」
ハッシィ「もう家では飼えないなぁ」
ハッシィはチビちゃんを庭の木につないでおきました。
次の朝ハッシィの庭の木が無くなっていました。
ハッシィ「木がないぞっ、うっびっびっくりー」
チビちゃんは、もはや木の高さ位になっていました。
どうやら木を食べたようです。
朝からパオーンもポンキチも来ています。
パオーン「でっかーい、ハッシィ大変だね」
ハッシィ「大変にした本人が言うか?」
ポンキチ「このままじゃ町中の木が無くなるんじゃないの?」
そういえば回りに木が見えません。
その時けたたましいサイレンが鳴りました。
「ウーウー」
「なんだっなんだっ」
町の人が騒ぎだしました。
ハッシィ「どうしたんですか?」
ちょうど通りかかったカバさんに聞きました。
カバ「山の向こうから、巨大パンダがあらわれて
町を破壊しているんだよ」
カバさんはそう言うと逃げて行きました。
ハッシィは町の防衛隊です。
すぐに地下室に行くとパオーンとポンキチと共に
超合金カモノハシロボットに乗り込みました。
つづく
カモノハシのハッシィは今日は隣の町までおつかいです。
トコトコと歩いていると、ようやく町外れの森になりました。
ハッシィ「少し休もう!」
ハッシィはお母さんが作ってくれたお弁当を食べる事にしました。
美味しそうな、さけおむすびと玉子焼きです。
パクパク食べてお腹はいっぱいです。
なんだか眠くなってきました。
「キューキュー」
変な鳴き声が聞こえたような気がしました。
ハッシィ「誰かいるの?」
ハッシィは回りを見ましたが何もいません。
ハッシィ「おかしいなぁ誰だろう?」
その時又「キューキュー」
と鳴き声が大きな木の根元で聞こえたので、
ハッシィは 急いで駆け寄りました。
木の根元にはポッカリと穴が開いていました。
穴をのぞくと中に何かいます。
「何だろう?」
ハッシィは中で動いている物を確かめようと呼びかけました。
ハッシィ「でておいで」
すると中からちっさいちっさい、
ハッシィの手に乗る位の恐竜が出て来ました。
ハッシィ「うっわぁかわいいねぇ!」
恐竜「キューッ」
ハッシィはとても嬉しくて、
恐竜を手に乗せると踊ってしまいました。
ハッシィは恐竜を大事そうに抱きしめながら隣町まで、
おつかいに行きました。
誰にも見られない用にお家まで帰って来ました。
ハッシィ「ようやく着いたよ!」
ハッシィは静かに恐竜をテーブルに降ろしました。
ハッシィ「何か食べる?」
ハッシィは冷蔵庫からレタスを持ってくると恐竜にあげました。
恐竜はとってもおいしそうにパクパク食べました。
ハッシィ「名前つけなきゃ、そうだ!ちっちゃいからチビちゃんにしよう。」
「キュー」
とチビちゃんが鳴きました。
次の朝ハッシィはチビちゃんに話しかけていました。
ハッシィ「今日はチビちゃんのお家をつくろう」
その時、お母さんの声がしました。
「ハッシィご飯よぉ」
「ハーイ今行くよ!」
ハッシィは「チビちゃん待っててね」と言うとキッチンに行きました。
朝ごはんはジャムトーストと特製ヨーグルトにチーズ
それにホットミルクです。
ハッシィ「いただきます。」
ハッシィが食べようとすると。
お父さん「ハッシィ頭に見慣れない生き物がのってるけど、なんだい?」
顔色ひとつ変えずにお父さんが聞きました。
ハッシィ「かわいいでしょチビちゃんて言うの」
お母さん「ハッシィどうするつもりなの?」
お母さんはびっくりして聞きました。
ハッシィ「飼うんだよ」
お母さん「まぁまだ、あなたには無理じゃないの?ねえお父さん?」
お父さん「そうかなぁ、面白そうじゃないか」
ハッシィ「じゃいいんだね」ハッシィはとっても嬉しそうです。
お母さん「もうお父さんはハッシィには甘いんだから」
お父さん「そうかい、はっはっは」
その日ハッシィはダンボールで
チビちゃんの家を作りました。
次の朝ハッシィが起きるとチビちゃんが倍位大きくなっていました。
ハッシィ「どっひゃー大きくなるのがはやいね」
ハッシィは楽しそうに言いました。
けれどこのあととんでもない事になるとは、
思いもしないハッシィでした。
つづく
つづき
お地蔵様に化けている三人に向かって、ペンギン警部と黒ちゃんが近づいて来ました。
黒ちゃんが、小さな声で言いました。
黒ちゃん 「案外ハッシィは、マヌケですね」
警部「シーッ」
二人は、お地蔵様の前まで来ると言いました。
警部「黒ちゃんここで休憩しよう」
黒ちゃん「警部っ、ハッシィはどこに行ったんでしょうね?」
二人はお弁当を出すと食べ初めました。
すると、食いしんぼうのパオーンのお腹が鳴りました。
「ギュルルルッ」
警部「黒ちゃん何か言ったかい?」
黒ちゃん「なーんにも」
警部「気のせいかなぁ」
黒ちゃん「警部っお地蔵様にはどういう事を願うんです?」
警部「色々あるけど・・・交通安全や、無病息災かなあっ!?頭に水をかけたらいいんだよ!」
さっそく黒ちゃんがバケツに水をくんでくると、ザバッザバッとかけました。
「うぷぷぷっ」
「うっひゃー」
「寒いっ」
黒ちゃん「なんかしゃべったような?」
警部「そんなはずないよ、黒ちゃんどんどん水をかけなさい。」
すると
ハッシィ「なんかしびれるー。」
パオーン「力が抜けてきたよ」
ポンキチ「だめだぁ」
黒ちゃんのかけていたのは水ではなくしびれ薬だったのです。
三人共のびてしまいました。
黒ちゃん「警部、とうとうハッシィを捕まえましたね。」
警部「さっそく手錠をかけておこう。」
ペンギン警部は、ガチャリガチャリと三人に手錠をかけました。
警部「パオーンのリュックも取っておこう。」
しばらくすると、三人は目を覚ましました。
ハッシィ「ゲッゲー捕まっちゃったぁ」
パオーン「本当だぁ」
ポンキチ「作戦失敗!」
パオーン「僕のリュックもなーい」
ハッシィ「ペンギンさん」
警部「なっ、なんだ!?」
ハッシィ「お腹へった」
警部「元の世界に戻ってからだ」
ポンキチ「ケッチー」
パオーン「元々ペンギンはケチなんだよ」
警部「ケチとかの問題じゃないっ」
黒ちゃん「さっさと歩け!」
先頭をペンギン警部、その後を黒ちゃんが三人を引っ張って歩いています。
ポンキチ「やっぱり、ハッシィの作戦ミス。」
ハッシィ「少しね!」
ハッシィがウインクしました。
パオーンは手錠は掛けられていますが、鼻は自由に動きます。
耳の裏から針金を出すと、ガチャリと手錠を外しました。
パオーンは、ハッシィとポンキチの手錠を次々に 外すと、ハッシィにウインクしました。
ハッシィ「作戦開始!」
大声で叫ぶと、三人はダッシュでペンギン警部と黒ちゃんを追い抜いて走って行きました。
警部「なっ!どうして!?」
黒ちゃん「手錠が外されています。」
もう三人は小さく見えています。
警部「追い掛けるぞ」
ようやく、ペンギン警部と黒ちゃんが乗って来たトラベラーマシンの所に来ると、地面にハッシィカードが落ちていました。
カードには、「ペンギンマシンはいただいた。怪盗ハッシィ」と書いてありました。
ペンギン警部は、ため息をつきながら言いました。
警部「最後の詰めが甘かった、勝負はこれからさっ。」
警部は小さなモニターを見ながら言いました。
それはハッシィのポケットに付けた、発信器からの信号でした。
黒ちゃん「どうして戻ります?」
警部「ハッシィが隠しているマシンを探して帰るとしよう。」
遠くの方で「よいさっよいさっ」と掛け声が聞こえた気がしました。
前編完、後半へつづく
つづき
雲の上に来たハッシィは、すぐに金の卵産むニワトリを探していました。
向こうの方に大男が、高いびきで寝ていました。
ハッシィ「あいつが財宝を持っているんだな!」
ハッシィは背中のロケットのスピードをあげると、大男に体当たりしました。
大男「痛たたっ!誰だっ!?」
ハッシィ「アッカンベー僕だよっ」
ハッシィはロケットで、スイスイ逃げて行きます。
大男「待てーこのチビ」
ドシン!ドシン!と大男が、追い掛けて来ます。
ハッシィはどんどん逃げると、急に立ち止まりました。
大男「ようやく諦めたか!」
大男は今にも、ハッシィを捕まえそうです。
ハッシィは、ヒョイと身をかわしました。
そこは、ポッカリと空いた雲の切れ目でした。
「うあぁぁあぁぁ・・・・」
大男は真っ逆さまに 落ちて行きました。
ハッシィはしばらく下を見ていましたが、すぐに財宝を探しに行きました。
ハッシィ「金貨に、金の卵を産むニワトリに、ハープに・・・まあ、何でもいいや」
ハッシィは袋に詰めると、すぐに雲の下に降りました。
パオーン「早かったね」
ハッシィ「任務完了」
ポンキチ「じゃ出発」
また三人は消えてしまいました。
ボカンッ!
そこにペンギン警部が表れました。
警部「また一歩遅かったか!」
ジャックの縄をときながら、ペンギン警部が悔しそうに言いました。
黒ちゃん「警部次はどこでしょう?」
警部「たぶん傘地蔵だろう!」
黒ちゃん「じゃあハッシィのトラベラーマシンのところで、待ち伏せしましょう。」
警部「悪賢いハッシィのことだから、どこかに隠してるはず。」
黒ちゃん「じゃ警部どうするんです?」
警部「ハッシィはどんな方法を使うと思うかい?」
黒ちゃん「お地蔵様に化けてソリごと持って行くっなんて、悪賢いハッシィがそんな単純なことしませんね!」
警部「どうかな?ともかくチャンスだ行こう」
ペンギン警部は黒ちゃんと共にハッシィを追いました。
その頃三人は…
パオーン「ハッシィ、つーかーれーたー」
ポンキチ「ハッシィ、昼間からお地蔵様の格好して立ってなきゃだめなの?」
ハッシィ「シッー!ガマンガマン・・・」
三人はお地蔵様に化けています。
カラスがハッシィにとまって「カッカアー」と鳴いて飛んで行きました。
ハッシィ「じーっとしてたら、カラスでも気がつかないんだから我慢だよ。」
パオーン「カラスだけじゃないの?」
ハッシィ「誰もわからないよ」
ポンキチ「ペンギン警部でも?」
ハッシィ「もちろん、でも何でそんな事聞くの?」
パオーン「だって向こうから歩いて来るよ!」
向こうから、トコトコとペンギン警部と黒ちゃんが歩いて来ました。
最終回へつづく