つづき
次に手を上げたのは、猿でした。
猿「ウッキー次は僕だね。」
するとキジが言いました。
キジ「いや僕が先だよ。」
猿「何をー僕が先だよ。」
猿とキジが喧嘩を始めてました。
警部「こらこら喧嘩は止めなさい。」
ペンギン警部が止めたので、
ようやく静かになりました。
すると今まで居た青鬼がいなくなりました。
赤鬼「青鬼が消えました。」
皆回りを見ましたがどこにもいません。
黒ちゃん「えっーあんなに大きいのに消えるなんて。」
警部「これは不思議なぁ。」
すると奥から
「あーすっきりした。」
言いながら青鬼が歩いて来ました。
桃太郎「あっトイレに行ってただけだー。」
桃太郎達が大ボケの怖い話しをしている頃、
ハッシィ達は急ピッチで基地の改造を進めています。
パオーン「大分出来てきたね。」
ハッシィ「秘密の扉の合言葉も変えておこう。」
パオーン「えっ開けゴマを変えるの?」
ハッシィ「そうだよ皆知ってるから変更さ。」
パオーン「開けマダガスカル大トカゲなんかどう。」
ハッシィ「長すぎだよ、舌かむし。」
パオーン「じゃあ開けアジとかは?」
ハッシィ「アジの開きの逆だし、もっと斬新なのがいいよ。」
パオーン「じゃあ開けほうれん草のゴマあえなんかは?」
ハッシィ「なかなかよくなってきたね。」
パオーン「最後に決めるよ、開け本は?」
ハッシィ「いいねえ、でも開けゴマのままでいくよ。」
ハッシィは変えるのがめんどくさくなりました。
パオーン「ドッシャー、いままでのは何ー。」
ハッシィとパオーンが話しをしてる頃、
うさぎとカメの童話の世界に飛ばされたアリババは
トラベラーマシンをいじっていました。
アリババ「一回しか使えないように改造したんなら、
必ず直して帰ってやるぞ。」
アリババの前ではうさぎが昼寝をしています。
アリババ「必ず戻って逆襲だぁ。」
ペンギン警部達もようやく三日が過ぎたので、
レッサーパンダと話しています。
警部「ようやく三日が過ぎました、
桃太郎も最初から最後まで元気だったので、
我々も出発します。」
レッサーパンダはニヤリと笑うと言いました。
レッサー「そうですね、どうやら桃太郎さんは元気な様ですね。」
警部「じゃあ長らくお世話になりました。」
ペンギン警部がレッサーパンダに言うと。
レッサー「じゃあ宿泊代を戴きます。」
警部「確か銀貨8枚ですね?」
レッサー「いいえ別に食事代を戴きます。」
警部「えっ食べ放題では?」
レッサー「ほとんど食べ放題ですが、
花瓶の裏に置いてあるキャビヤだけは別料金です。
ちゃんと別料金と書いてあります。」
するとペンギン警部がそわそわしながら言いました。
警部「えっ誰か食べたという証拠はあるんですか?」
つづく
つづき
次の朝ホテルの二階からガヤガヤと皆が降りて来ました。
レッサーパンダのホテルにはレストランがあり、
バイキングなので食べ放題です。
レッサー「警部さん、おはようございます。」
警部「おはよう、朝食はどちらですか?」
レッサー「あちらのレストランです、
沢山召し上がって下さい。」
皆朝から沢山食べました。
黒ちゃんがレッサーパンダに言いました。
黒ちゃん「ちょっと散歩に行きたいんですが?」
レッサー「駄目です、外に出るとチェックアウトと見なします。」
黒ちゃん「えっ外にでちゃ駄目なんだ!」
レッサー「当然です、三階の廊下はぐるっと
一周出来るので散歩はそこでして下さい。」
赤鬼「何か本とか将棋とかは無いんですか?」
レッサー「当ホテルにはございません。」
赤鬼「ゲッゲーどうして時間を潰すんだろう。」
レッサー「ちなみに当ホテルには音の出る物はありませんし、
トランプの類いやパズルなどもありません。」
警部「ドッシャーじゃ桃太郎が治るまで、何をしたらいいんだ。」
黒ちゃん「じゃ一階のロビーで皆集まって、
怖い話し大会でもしましょう。」
警部「そうだね、そうしよう。」
皆ロビーに集まりました。
レッサーパンダが飲み物を配っています。
レッサー「食べ物や飲み物は沢山ありますので、
いつでもどうぞ。」
黒ちゃん「じゃ皆で順番に怖い話しでもしましょう。」
皆輪になって考えています。
無理矢理包帯を巻かれている桃太郎が言いました。
桃太郎「どんな怖い話しでもいいんですか?」
黒ちゃん「いいですよ。別になんでも構いません。」
すると犬が言いました。
犬「僕が先でいいですか?」
黒ちゃん「最初は犬さんですね、どうぞ始めて下さい。」
犬「僕、猫が恐いんです。」
黒ちゃん「犬なのに?」
犬「子犬の時に猫にいじめられて。」
桃太郎「そんな事よくあるよねー。」
黒ちゃん「その恐い話しじゃなくて、
幽霊とか亡霊とか妖怪とか出てくる話しですよ。」
桃太郎「えっ幽霊と亡霊と妖怪が出てくる話し?」
黒ちゃん「例えばで、何も全部でなくてもいいんです。」
赤鬼が言いました。
赤鬼「私が話してもいいですか?」
黒ちゃん「ほほう鬼さんがどうぞどうぞ。」
赤鬼「鬼ケ島の裏側にうっそうとした森があります。
余りの不気味さに鬼ケ島の鬼でさえ余り近ずかない所です。」
黒ちゃん「へーそりゃ怖い。」
赤鬼「そこに一件の小さな店があります。」
黒ちゃん「そんな所に店がぁ?」
赤鬼「その店にはとても恐そうな鬼のお婆さんがいました。」
黒ちゃん「恐そうだ。」
赤鬼「その店は鬼ケ島のグルメがかよう、
ヨウカンの店で遠くは沖縄から買いに来るほどの味です。」
桃太郎「ひゃー食べたい。」
黒ちゃん「ヨウカンじゃなくて、妖怪ー。」
つづく
つづき
レッサーパンダは二階の部屋に皆を案内しました。
ペンギン警部と黒ちゃんが202号室、
犬とキジと猿が203号室、
赤鬼と青鬼が205号室、
無理矢理包帯を巻かれた桃太郎が206号室です。
レッサーパンダに黒ちゃんが聞きました。
黒ちゃん「なんで204号室が無いんです。」
レッサーパンダは不気味にヒッヒッヒッと笑うと言いました。
レッサー「あるにはあるんですがー、でるんですよ。」
黒ちゃんはドキッとしましたが、
勇気を出して言いました。
黒ちゃん「やはり幽霊ですか?」
レッサー「いいえ、手が出たり足が出たりします。」
黒ちゃん「ドッヒャーやはり幽霊ですね、
壁から手や足が出るんですね。」
レッサー「いいえ設計ミスで部屋の巾が30センチしかなくて、
窓から手や足が出るんです。」
黒ちゃん「ドッシャー、二階から落ちるじゃないですか。」
レッサー「ハイ、だから今は小さなお客様専用です。」
皆部屋に入って思いましたが、
部屋にはベットと机と椅子があるだけで何もありません。
警部「殺風景な部屋だなぁ?」
黒ちゃん「テレビもありませんね。」
警部「アリババと40人の盗賊の世界だからね、
テレビはないが絵のひとつも無いとは?」
黒ちゃん「警部小さな額の中に何か絵が描いてありますよ。」
部屋の隅に小さな絵が飾ってありました。
警部「本当だ、でも何でペンギンの絵が?」
黒ちゃん「さあ偶然でしょう、ありゃりゃこの絵は動きますよ。」
黒ちゃんが絵を動かすと、
そこにはポッカリ穴が空いていました。
黒ちゃん「警部穴ですよ、誰か覗いています。」
警部「誰かが我々を見張っているのか?」
穴の向こうから声がしました。
「だれだワン。」
黒ちゃん「どうやら隣の桃太郎の家来の犬です。」
警部「ドッシャーじゃあ壁の穴隠しかぁ、
ボロボロの部屋だ。」
その時レッサーパンダは、
ホテルにカギをかけると小走りで秘密の洞窟に向かいました。
レッサー「開けゴマー。」
ズシーンと扉が開きました。
レッサーパンダは元のポンキチに戻って、
ハッシィに話しかけました。
ポンキチ「ハッシィどう改造は順調なの?」
ハッシィ「うん今急ピッチで進めてるよ。」
パオーン「ペンギン警部達は?」
ポンキチ「何とか足止めしているよ、三日だけだけど?」
ハッシィ「どうにかあと、三四日頼みます。」
ハッシィは妙に低姿勢です。
ポンキチはフーとため息をつくと、
近くにあったココアを飲み干すと言いました。
ポンキチ「まぁやって見るよ。」
パオーン「でも基地も出来て無いのに、
ジュース屋やホテルは作ってあったんだ?」
ハッシィ「あれは簡易カプセルだよ、
あのホテルももって一週間かな?」
つづく
つづき
腕立て伏せが終わった桃太郎は逆立ちをして、
歩きまわりロシアのコサックダンスを踊りました。
桃太郎「これだけ動いても痛くないのに、
骨が折れているんですか?」
レッサー「完全に折れてます、
すぐに入院ですな。」
桃太郎は不思議な顔をしています。
ペンギン警部が言いました。
警部「どう見てもたいしたことない様に見えますが?」
つづき
レッサー「素人考えは事故のもと、
天井に当たって落ちて来たんだから。
二三日様子を見ましょう。」
レッサーパンダは真剣です、
気迫に押されて ペンギン警部もタジタジです。
レッサー「じゃ二階の部屋で安静にしましょう。」
ペンギン警部は思いました。
ハッシィ達はすぐ目の前なのに、
大ボケ桃太郎のためにここに居るわけにはいかないなぁ。
桃太郎はここに置いておこう。
じーとペンギン警部を見ていた、
レッサーパンダが言いました。
レッサー「駄目ですよ、皆一緒です。」
警部はゲッゲーと思いました。
警部「何で私の思っている事がわかったんですか?」
レッサー「私は水晶を使って占いもする、
大魔術師なのです。」
警部「今水晶持ってないし、
占い師と魔術師は違うんじゃあ?」
レッサー「砂漠の環境はとても厳しい、
色々な事が占えなければならないのです。」
警部「じゃ魔術はいつするんです?」
レッサー「雨が降らない時など、
雨乞いの魔術やサボテンをアロエに変える魔術などです。」
警部「雨乞いはわかりますが、
どうしてサボテンをアロエに?」
レッサー「アロエだと蚊に刺されたらカユミ止めになるし、
アロエヨーグルトが食べれます。」
警部「かなり話しがそれましたが、
何で皆一緒なんですか?」
レッサーパンダはフッフッフッと笑うと、
ホテルのチェックインの時の用紙を見せました。
レッサー「このサインはあなたのサインですか?」
ペンギン警部はよーくサインを見て言いました。
警部「確かに私のサインですな。」
レッサー「この用紙の最後の文章を見て下さい。」
警部「宿泊費の支払いですね、
何々当ホテルの宿泊料は何泊されても、
お食事がついてお一人様銀貨一枚。
って何泊でも?安いですね。」
レッサー「良心的な経営です。
何なら100年居ていただいても、結構ですよ。」
警部「100年も生きられません、つづきを読みますね。
但し団体様の場合全員でチェックインしチェックアウトして戴きます。
条件から外れる場合、宿泊料金は一人金貨100枚になります。
ドッヒャー高いー、こんなに持ち合わせがありません。」
レッサー「じゃあ二三日ゆっくりして下さい。」
警部「銀貨8枚と金貨800枚じゃあ仕方ないか、でも何でだろう。」
レッサー「余り考えないほうがいいですよ、さっそくお部屋に案内します。」
ペンギン警部や桃太郎達はゾロゾロと部屋に案内されました。
つづく
つづき
ぺンギン警部達は困っていました。
あと少しでハッシィ達の居る秘密の洞窟ですが、
外は寒くて皆お腹が減っています。
警部「黒ちゃんどう思うね?」
黒ちゃん「警部はペンギンですから寒さに強いですが、
お腹が減っては力もでないのでは?」
桃太郎「警部さんお願いします。
今晩はホテルに泊まって熱いそばでも食べましょう。」
皆コックリうなずいています。
警部「しかたない、一泊だけ泊まります。」
レッサー「そうですか、じゃあ美味しいそばを打ちましょう。」
レッサーパンダはそば屋の奥に入って行きました。
そして 機械のスイッチを入れました。
すると大きな大きなマジックハンドが出て来ました。
そば屋に入ったペンギン警部達からもよく見えます。
黒ちゃん「ドッヒャー警部普通手打ちそばと言えば、
職人さんが麺打ちをするんじゃー?」
警部「何か勘違いしているんだろう。」
黒ちゃん「わっマジックハンドが二本出て来て、
麺を叩いていますよ。」
二本のマジックハンドはビターンビターンと
ひたすら麺を叩いています。
桃太郎「わっ下の台が凹んできたー。」
ビターンビターンビターン凄い音が響きます。
しばらくすると平べったくなったので、
レッサーパンダが麺を裁断器に入れて細くすると、
ササット湯がいてダシをはり、そばができてきました。
最初に桃太郎がいただきました。
桃太郎「こんな手打ち旨いわけが、うっひゃー旨いー。」
半信半疑の黒ちゃんも食べました。
黒ちゃん「ドッヒー旨いー。」
ペンギン警部は冷たいざるそばです。
警部「ありゃりゃ旨い。」
皆とてもお腹が減っていたので、
あっという間に食べ終わりました。
皆もっと食べたいと言ったので、
またもやマジックハンドがビターンビターンと動き出しました。
桃太郎「また薄くなった、レッサーパンダさんをお手伝いに行きますよ!」
桃太郎は麺の固まりを裁断器に入れに行きました。
その時もう止まったと思っていた、
マジックハンドが動き出し桃太郎が弾き飛ばされました。
桃太郎「うっわー。」
桃太郎は天井に当たって落ちて来ました。
レッサー「大丈夫ですか、気をつけないと。」
しかしレッサーパンダはニヤリと笑いました。
桃太郎「大丈夫です、絵本の主人公は不死身ですから。」
レッサーパンダは桃太郎の足を触ると、
レッサー「ドッヒャー骨が折れてます。」
桃太郎はびっくりして立ち上がり、
ウサギ跳びを10回位すると言いました。
桃太郎「ウサギ跳びができるのにー大丈夫ですよ。」
レッサー「医者の言う事を信じなさい。」
桃太郎「えっえー、あなた医者なんですか?」
レッサー「そうです過酷な砂漠で生きるため、
医者になったのですが日頃は誰も通らないので
ホテルを経営しています。」
桃太郎「でもウサギ跳びをしても痛くありませんよ。」
レッサーパンダは今度は、
桃太郎の腕を見ていました。
レッサー「アリャー腕も折れてるぞ。」
桃太郎「えっうっそー。」
桃太郎は今度は腕立て伏せを50回しました。
つづく